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アメリカン・サイコ

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(原題:American Psycho 2000年/アメリカ 102分)
監督/メアリー・ハロン 製作/クリスチャン・ハルゼイ・ソロモン、エドワード・R・プレスマン、クリス・ハンレイ 原作/ブレット・イーストン・エリス 脚本/メアリー・ハロン、グィネビア・ターナー 撮影/アンジェイ・セクラ 音楽/ジョン・ケイル
出演/クリスチャン・ベール、ウィレム・デフォー、ジャレッド・レト、ジョシュ・ルーカス、サマンサ・マシス、マット・ロス、クロエ・セビニー、カーラ・セイモア、グィネビア・ターナー、リース・ウィザースプーン

概要とあらすじ
80年代、好景気に沸くニューヨーク。ウォール街にある証券会社のエリートとして誰もが羨む贅沢な生活を送るパトリック・ベイトマン。高級フラットに住んでデザイナーズ・スーツに身を包み、完璧な体型を維持するハンサムなヤッピー。社会的な成功をすべて手に入れたかに見えた彼だったが、物質では満たされない心の乾きを感じるようになっていた。次第に目立ち始める奇行、そしてついには殺人への衝動が抑え切れなくなり……。(映画.comより



前振りが長すぎて……

賛否両論? 一部では人気?
よくわかりませんが
観たことなかったので観たのさ。
『アメリカン・サイコ』

舞台は80年代のニューヨーク
バブル真っ只中で、日本経済がイケイケだった時代です。
主人公パトリック(クリスチャン・ベール)とその仲間たちは、
ウォール街のトレーダーということですが、
映画を観ている限り、こいつらがなんの仕事をしているのか
さっぱりわかりません。
仕事をしているシーンがまったくなく、
彼らは高級ブランドのスーツの出来を競い合い、
どこの有名レストランでディナーをとるかしか考えていない、
とにかく自己顕示欲と虚栄心の塊です。

とくに象徴的なのが、名刺自慢のシーン
それぞれが自分の名刺の紙や特殊印刷、書体選びなどを誇示しますが、
明らかに彼らが名刺に記された肩書きとステータスを
最も重要視していることの表れであり、
人間にとって大事なのは「中身」ではないということが
宣言されています。
タイトル・クレジットで、
名刺によく使われるcopper plateという、
古くからある書体が使われている
のも意図的な演出でしょう。

でも、本作……ほとんどの時間が非常に退屈です。
本作がデフォルメされたコメディだということはわかったうえで
だとしても、その大半は面白くもなんともありません。
なぜなら(たとえそれが意図的なミスリードであったとしても)
ちゃらんぽらんな生活をしている金持ちの主人公が、
じつは無差別殺人を行なっていると知らされても、
ああ、こういうイケ好かないクズなら
平気で殺人くらいやるだろうなと思ってしまうので、
意外性がまったくないからです。
表面的な行動と内面的な行動がほぼ同じで、ギャップがないのです。
そこには主人公に隠された精神的鬱屈などは感じられません。
日頃から傲慢なクソ野郎が陰で殺人を犯してましたといわれても、
……でしょうね、だってそんなやつだったもんとしか思えません。

もちろん、そんなあれやこれやが
本作が最も描きたいことへの壮大なる前振りであって、
超人気レストランに当日予約の電話を入れて嘲笑されたり、
のちに殺されるポール(ジャレッド・レト)
パトリックの名前を間違え続けていたりするというヒントは
散在しているのですが、
いかんせん前振りが長すぎて、
もういいよという気分になってしまいます。
また、パトリックによる殺戮の描写も中途半端で
陳腐でいけ好かない金持ちのステレオタイプな描写に
うんざりしてきます。

ところが、終盤で
テレビに「イラン・コントラ事件」に関して
レーガン大統領がコメントする姿が映され、
パトリックの顧問弁護士が
パトリックをデイヴィスという別人と混同していることで
ようやく本作が描きたいことが垣間見えてきます。

パトリックの狂気は、アメリカ合衆国が抱える狂気そのものであり、
事態の表層(ブランド≒レストラン≒名刺)だけをなぞる周囲=世界は
その狂気をはらんだ本質=「中身」に対しては関心がなく、
パトリック=アメリカ合衆国の狂気は
なかったことにされてしまっている現実
を揶揄しているのでしょう。

社会的価値観に翻弄されて自分自身の価値観を見失う危険性とか、
帰属する世界を中心とした傲慢な世界観の欺瞞とか、
読み取ろうとすれば読み取れないわけじゃないけれど、
それ以前に、退屈だったよというのが
正直なところ。





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