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PK

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(原題:PK 2014年/インド 153分)
監督/ラージクマール・ヒラーニ 製作/ビドゥ・ビノード・チョープラー、ラージクマール・ヒラーニ 脚本/アビジャート・ジョーシー、ラージクマール・ヒラーニ 撮影/C・K・ムラリーダラン 編集/ラージクマール・ヒラーニ 音楽/シャンタヌ・モイトラ、アジャイ=アトゥル、アンキト・ティワーリー
出演/アーミル・カーン、アヌシュカ・シャルマ、スシャント・シン・ラージプート、サンジャイ・ダット、ボーマン・イラニ、サウラブ・シュクラ、パリークシト・サーハニー、ランビール・カプール

概要とあらすじ
日本でもロングランヒットを記録したインド映画「きっと、うまくいく」のラージクマール・ヒラーニ監督と、インド映画界のスターであるアーミル・カーンの再タッグ作。本国インドでは「きっと、うまくいく」を超える興行成績を記録し、全米公開もされた。留学先のベルギーで大きな失恋を経験したジャグーは、いまは母国インドのテレビ局で働いている。そんなある日、ジャグーは、地下鉄で黄色いヘルメットを被って大きなラジカセを持ち、あらゆる宗教の装飾を身に付けてチラシを配る奇妙な男を見かける。男は「PK」と呼ばれ、神様を探しているということを知ったジャグーは、男になぜ神様を探しているのか話を聞くのだが……。(映画.comより



坊さんは裸だ!

日本でも大ヒットした『きっと、うまくいく』
ラージクマール・ヒラーニ監督
主演アーミル・カーンのコンビによる『PK』
なかなか評判がよろしいようでございます。
『きっと、うまくいく』が大傑作だったので、
あの喜びをもう一度、と期待する人が多いのでしょう。

本作のアーミル・カーンはなんと宇宙人
真っ裸で地球に降り立ったアーミル・カーンは
さっそく宇宙船との連絡に使うリモコンを盗まれ、
地球で(おもにインドで)さまようことになるのでした。
『きっと、うまくいく』で大学生を演じたのも驚きだった
御年51歳のアーミル・カーンは
あいかわらず年齢不詳でムキムキです。

かたやベルギーでジャーナリズムの勉強(?)をしている
ジャグー(アヌシュカ・シャルマ)
ラブコメ的展開から
サルファラーズ(スシャント・シン・ラージプート)と出会い、
恋に落ちます。
アヌシュカ・シャルマはモデル出身だそうですが、
超絶にスタイルが良くて長身なうえ、
アヒル口(もはや懐かしい表現か?)の親しみやすい顔立ちが
なんともセクシー&キュートです。
ところが、ジャグーはインド人、
サルファラーズはパキスタン人。

この両国が宗教的かつ政治的理由から諍いが絶えないのは
『ミルカ(2013)』でも語られていますが、
ふたりはそんな軋轢を乗り越え、
さらに愛を深めていくのでした。
ところが、あるちょっとした行き違いがふたりを引き裂き、
ジャグーはインドに帰ることに。
そして偶然、「神様、行方不明」というビラをまく
PK(アーミル・カーン)に遭遇します。
「PK」とは酔っ払いのこと。
ちなみに、PKがいつも口の中でくちゃくちゃやっているのは
「パーン」という噛みたばこ
口の中が真っ赤になるのが特徴だとか。

いくらリモコンを盗まれたと訴えても相手にされず、
「そりゃあ、神様に祈るしかないね」という言葉を
真に受けたPKは懸命に神様を探し始めますが、
いくら祈っても、お布施をしても、
ちっとも神様は現れず、願いを叶えてはくれません。
それでもなぜか、神様の存在だけは否定しないPKは
偶像崇拝や拝金主義、
信仰する宗教による食い違いが生み出す排外主義や
形骸化した宗教の矛盾や欺瞞を
過度に無垢で純粋な視点で告発し、茶化します。

それ自体は痛快だし、
宗教大国インドで本作が作られたことには敬意を表します。
ビジネス化した宗教に対する批判はしても、
信仰そのものは否定しないバランス感覚も
見事だと思います。
我が国でも、守護霊を呼び出して対談しているやつとか、
檀家の財産を根こそぎ奪う方法を指南したり、
ペットの葬儀が課税対象なのは由々しき問題だと
当たり前のようにメディアで語る寺の住職とか、
宗教をダシに儲けようとするクズやバカは大勢いますしね。

とはいえ、本作が
『きっと、うまくいく』ほど
ぐいぐい引き込まれる魅力を感じられないのは、
「坊さんは裸だ!」という宗教批判の一点に
終始している
からではないでしょうか。
アーミル・カーンのおどけっぷりが鼻につくのは
『きっと、うまくいく』のときからそうなので仕方ないとして、
地球人より発達した文明を持つはずの宇宙人PKは、
純粋無垢な子供のように大人たちのバカさ加減を指摘するだけで、
地球人には到底及ばないような
高度な文化的発想を提示するわけではないのが残念です。
じつはジャグーとサルファラーズが
あいかわらず相思相愛だったことが判明するクライマックスで、
あやうく落涙しそうになったのはここだけの話だとしても、
結局、この二人のラブラブ和解も
坊さんが裸だと証明するために利用されているので、
宗教ってヘンだよねというディティールの繰り返しに終始する
物語の淡泊さは否めません。


インド映画にミュージカル・シーンがあるのは
織り込み済みとはいえ、
まったく話が先に進まないなかでの冗長なサービスは
あと40分くらいは簡単に削れるだろうと、
ストーリー・テリングのテンポを鈍らせる
悪い側面しか感じませんでした。

仲間を引き連れて、再び地球へとやってきたPKが
あれやこれやと仲間に言葉で説明しているのをみて
言葉は必要ないんじゃなかったのかよ、と突っ込むのは
野暮でしょうか。野暮なんでしょうねぇ。

宗教ビジネスを茶化しておしまいではなく、
もう一歩その先を見せてほしかったな〜という、
正直、消化不良な作品でした。





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