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プリズナーズ

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(原題:Prisoners 2013年/アメリカ 153分)
監督/ドゥニ・ビルヌーブ 製作/ブロデリック・ジョンソン、キーラ・デイビス、アンドリュー・A・コソーブ、アダム・コルブレナー 脚本/アーロン・グジコウスキ 撮影/ロジャー・A・ディーキンス 美術/パトリス・バーメット 衣装/レネー・エイプリル 編集/ジョエル・コックス、ゲイリー・D・ローチ 音楽/ヨハン・ヨハンソン
出演/ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ビオラ・デイビス、マリア・ベロ、テレンス・ハワード、メリッサ・レオ、ポール・ダノ、ディラン・ミネット、ゾーイ・ソウル、エリン・ゲラシモビッチ、カイラ・ドリュー・シモンズ

概要とあらすじ
2010年に発表した「灼熱の魂」が第83回アカデミー外国語映画賞にノミネートされ、世界的にも注目を集めたカナダ人監督ドゥニ・ビルヌーブのハリウッドデビュー作。娘を取り戻すため法をも犯す決意を固めた父親の姿を描いたサスペンススリラー。家族で幸せなひと時を過ごすはずの感謝祭の日、平穏な田舎町でひとりの少女が失踪する。手がかりは少なく、警察の捜査も進展しないなか、少女の父親は証拠不十分で釈放された第一容疑者の証言から、彼が誘拐犯だと確信。自らの手で娘を助け出すため、一線を超える決意をする。父親役にヒュー・ジャックマン、事件を担当する警官役でジェイク・ギレンホールが主演。(映画.comより



囚われ人たちの喧噪

このあと、『複製された男』『ボーダーライン』ときて、
『ブレードランナー』の続編の監督に抜擢された
ドゥニ・ビルヌーブ監督『プリズナーズ』です。
153分というちょいと長尺なので敬遠してましたが、
サスペンス演出の確かな手腕を感じさせてくれます。

ちょっと目を離した隙に行方不明になってしまった
ふたつの家族の少女、アナとジョイ
当然、大きな騒ぎになりますが、
少女たちが失踪したときに駐車していたキャンピングカーが
怪しいということで、さっそく捜索開始。
ロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)
キャンピングカーの持ち主アレックス(ポール・ダノ)を逮捕するものの、
決定的な証拠はなく、釈放せざるを得ない状況に。
これに怒ったアナの父親ケラー(ヒュー・ジャックマン)
アレックスを拉致・監禁して拷問し、
なんとか娘たちの居場所を吐かせようとするのでした。

ケラーの取った行動は心情的には十分理解できるものの、
言うまでもなく度を超した行為です。
敬虔なキリスト教徒で「すべてに備えよ」というケラーは
自分の家族は自分で守るという典型的なアメリカン・マッチョ
結果的に、アレックスに目を付けたことそのものは
当たらずとも遠からずだったわけですが、
アレックスがぽろぽろと漏らす言葉が
事件解決のヒントになったわけでもなく、
挙げ句は真犯人の返り討ちに遭ってしまいます。
アレックスとは別の容疑者宅からアナの靴下が発見され、
アナが殺害されたかのように思われたときには、
ロキ刑事に対して
「おれを尾行してて時間がなくなったんだ。お前のせいだ!」と言う始末。
いや、お前が尾行されるようなことをしてたからだろよ。

ロキ刑事は有能で、仕事への取り組み方も真摯。
ま、拘留中の容疑者を自殺させてしまう大失態を演じたけれども、
事件捜査のやり方においては真っ当だったのではないでしょうか。
いかにも長時間着てそうなシャツの皺の入り方がナイス。

ミスリードを重ねていく展開はぐいぐい引き込まれるものの、
ちょいとわかりづらいところもあったのは確か。
アレックスを釈放した後、
ロキ刑事があたっていた前科のある小児性愛者のうち、
飲んだくれの神父の家の地下室で
いすに縛り付けられミイラ化した死体を発見。

神父によると、その死体は告解に訪れた男で
10人以上の子供を誘拐・殺害したと打ち明けたけれど、
守秘義務があるから通報できず、
かといってこのまま返すわけにもいかないと判断し、
地下室に閉じ込めた、と。
でも、今回の事件に直接は関係なし。

少女たちの無事を祈る集会にいたボブ・テイラーという不審な男。
子供服を買っていたというスーパー店員の証言もあり、
家宅捜索すると、血だらけの子供服と蛇が詰め込まれた大量のトランクが。
ボブはふたりの子供を殺したと自供し、
トランクからアナが履いていた靴下が見つかったため、ボブを逮捕。
遺体の場所を教えろと尋問すると、
「迷路を解いたら出してやる」と意味深なことをいうボブ。
ここまでくれば、ボブを真犯人とみなすのも無理のないことでしょう。
でも、ボブも今回の事件には関係なし。
ボブは子供服を集めて、少女誘拐の模倣犯というか、
誘拐殺人ごっこをやっているだけだったのです。
アナの靴下は、アナが失踪したあとのケラー宅に侵入して
盗んだものでした。

ボブが自殺して捜査は八方ふさがり、というところで
失踪した少女のひとりジョイが脱出して救助されます。
若干、強引な展開のような気もするけれど
むしろ現実はこんなものかもしれません。
そして、ジョイが囚われていた場所にはケラーがいたということで
にわかにケラー真犯人疑惑がほんのちょっと浮上して
この先の展開を攪乱します。

慌ててケラーが向かった先はアレックスの叔母の家。
アレックスを拷問しても決定的なことを聞き出せないケラーが
叔母の家に探りを入れに行ったとき、
ジョイが監禁された部屋からケラーの姿を目撃していたのでした。

というわけで、真犯人はアレックスの叔母。
そして、神父の家の地下室で発見されたミイラは叔母の夫でした。
元々信心深かったこの夫婦は、息子をがんで亡くしたのをきっかけに、
神の理不尽さに憤り、神に対する戦いのために子供をさらい、
逆上した親たちが悲しみのあまりに信仰心に反する魔物となるのを
神に見せつけるのが目的だった
のです。
アレックスは、この夫婦が死んだ息子の代わりに誘拐した子供で
ボブも同じくこの夫婦に誘拐されていましたが、
「迷路を解いた」ボブは解放されたのでした。
ところが薬物によって、ボブには監禁されていたときの記憶がなく、
トラウマだけが残って誘拐殺人ごっこに囚われていたのです。

誘拐された少女たちはもとより、
登場人物たちはなにかしらの「プリズナーズ=囚われ人」
意に反して囚われることも、
自覚的な執着心をも含めたタイトルなんでしょうね。

ところで、ポール・ダノ。
中盤からほとんど顔がわからない……。
ちょっと気の毒。





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