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NINIFUNI

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(2011年/日本 42分)
監督・編集/真利子哲也 プロデューサー/西ヶ谷寿一、西宮由貴、紀嘉久 脚本/真利子哲也、竹馬靖具 撮影/月永雄太 録音/高田伸也 美術/寒河江陽子
出演/宮崎将、山中崇、百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果、高城れに、早見あかり

概要とあらすじ
国内外で活躍するクリエイターら10人が次世代のクリエイターを発掘・育成するプロジェクト「コ・フェスタPAO」で選出された、期待の若手監督3人による中編映画を一挙上映する「movie PAO」の1本。ある地方都市で起こった事件に関与した青年が、奪った車であてどなく国道をさまよい、人気のない海岸にたどり着く。数日後、そこへアイドルグループのPV撮影隊が訪れ、青年の乗っていた車が発見されるが……。監督は東京藝術大学修了作品「イエローキッド」が高い評価を受けた真利子哲也。人気アイドルグループ「ももいろクローバー」が、劇中のアイドルグループ役で登場。2011年6月「movie PAO」特集上映で公開。2012年2月、「NINIFUNI FULL VOLUME Ver.」として単独で劇場公開。(映画.comより



隣り合う光と陰

『ディストラクション・ベイビーズ』に感銘を受けたので
真利子哲也監督の過去作を観たいと思ったのですが
なにしろインディペンデントなもんで
なかなか気安く観られる状況になく、
唯一レンタルできたのが『NINIFUNI』でした。

茨城と千葉を結ぶ(らしい)国道沿いを歩く
ふたりの男の後ろ姿。

大型店舗がぽつりぽつりと建つ国道は
地方出身者なら見覚えのある風景です。
どう考えても活気があるとはいえないその風景に
行き交う自動車、とくにトラックの轟音が鳴り響きます。
その場にいればなんということはない日常ですが、
ことさらトラックが放つ轟音を際立たせた本作は
いらだちを伴う不快感と漠然とした不安が漂ってきます。
やがて、ふたりの男たちは
おそらくかねてから目をつけていたであろうファミレスに
店員が出勤したタイミングを見計らって強盗に入ります。

そしてシーンが変わり、
またしても国道沿いをとぼとぼと歩く男(宮崎将)が。
まったく台詞をしゃべらないその男がうろうろしたのちに、
やがてその男が乗り込んだ自動車が
ファミレスの店員が乗っていた車だとわかり、
この男が強盗犯の片割れだと知ることになります。
この時点では、
彼がどんな目的を持ってうろついているのかわかりませんが
カットを刻む編集の妙から居心地の悪さを感じ取れます。

日が沈みかける頃になると、
男は海辺の砂浜に止めた自動車の窓を車内からガムテープで目張りし、
練炭に火をつける
ことから、自殺を試みていることが明らかに。
不思議なもので、そうだとわかると
これまでの、ただぶらついているだけのようにみえた男の行動が
自殺を決意しながらも逡巡し、迷い、怖じ気づいていたのだと
理解できるようになります。
カップ麺をコンビニで買うありきたりなシーンでさえ、
どれを食べようかと物色していただけともとれるし、
これから死のうっていうのに腹が減るなんて、と
彼が考えていたようにも感じてきて
見事だなと思いました。

数日後、男が自殺を遂げた現場にやってきたのは
警察かと思いきや、
(一瞬、警察かな? と思わせる演出)
現れたのは、これからこの場所で
ももクロのPVを撮影することになっている
芸能プロデューサー(山中崇)でした。
本来ならすぐに通報するべきですが、
おそらく、ロケがぱあになるのを嫌ったプロデューサーは
見て見ぬふりに徹するのでした。
最初こそ自動車の中の死体を気にしていたようにみえる
プロデューサーでしたが、
撮影が進み始めると徐々にリラックスし、
すぐそばで死体が眠っていることなど
忘れてしまったかのようです。


アイドルのことはよくわかりませんが、
とにかく本作に、ももいろクローバーのメンバーが登場したとき、
ポジティブな多幸感があふれ出しています。
(調べて初めて知ったけど、
 最初から「Z」がついていたわけじゃないのね)
トラックの轟音とは対照的に
大音量で流れるももクロの曲と彼女たちのダンスからあふれ出る
生きる喜びを無理強いするかのようなパワーに圧倒されます。
『NINIFUNI』というタイトルの由来は
仏教用語の而二不二(ににふに)
物事の裏と表、光と影を意味する言葉で
非常にストレートに本作のテーマを表現しています。

まったく予備知識なく観たもんですから、
42分という短さにあっけにとられましたが、
脚本の巧みさもさることながら、
自主制作の映画を観るときにつきまとう
絵面のしょぼさを感じることは全くなく、
やっぱ映画って、画だよなあと
あたりまえのことに感心してしまうのでした。





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