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バタリアン

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(原題:The Return of the Living Dead 1985年/アメリカ)
監督・脚本/ダン・オバノン 原案/ルディ・リッチ、ジョン・A・ルッソ、ラッセル・ストライナー 製作/トム・フォックス 撮影/ジュールス・ブレンナー 美術/William Stout 音楽/マット・クリフォード 編集/ロバート・ゴードン 特殊メイク/Bill Munns
出演/クルー・ギャラガー、ジェームズ・カレン、ドン・カルファ、トム・マシューズ、ベヴァリー・ランドルフ、ジョン・フィルビン、ブライアン・ペック、ジョナサン・テリー

概要とあらすじ
不死者(アンデッド)が人間に襲いかかり、その脳を食べるというホラー・コメディ。ヘムデール・フィルムが提供。同社の社長ジョン・デイリー、副社長デレク・ギブソンがエグゼクティヴ・プロデューサーをつとめる。製作はトム・フォックス、共同製作者はグレアム・ヘンダーソン。68年のジョージ・A・ロメロ作品Night of the Living Deadの脚本を書いたジョン・ルッソ、それにルディ・リッチ、ラッセル・スタイナーの原案に基づき、ダン・オバノンが脚色し、監督としてデビュー。撮影はジュールス・ブレンナー、音楽はマット・クリフォードが担当。アメリカでの題名はThe Return of the Living Dead。出演はクルー・ギャラガー、ジェームズ・カレンなど。(映画.comより



「映画と違うぞ!」

ジョージ・A・ロメロ『Night of the Living Dead』
正式な続編(権利的にも)とされているにもかかわらず、
パロディ仕様のコメディ、『バタリアン』
監督・脚本のダン・オバノンは特殊効果も手がける才人で
『エイリアン』や『トータル・リコール』などの
脚本を手がけたことでも有名ですが、
ホドロフスキーの『DUNE』に関わったことで
一文無しになったりしたこともある不遇なひと。
脚本で評価を得たのはいいけれど、
もともと監督になりたかったのに
生涯で(2009年没)監督作は本作を含めてたった2作しかありません。
それでも本作を観れば、
監督としての才覚も十分にあったはずだとわかります。

「この映画は真実だけを描いている。
 したがって、人物・団体はすべて実名である」

という大嘘で始まる本作。
舞台は医療や実験に使われる薬品や剥製を扱う会社で
葬祭場と墓地が隣接しているという素晴らしいロケーションです。
パンクスのフレディ(トム・マシューズ)
その会社の倉庫で働くことになったのですが、
先輩社員のフランク(ジェームズ・カレン)
わざわざ残業して新人のフレディに仕事を教えてやるのです。
どうみてもちゃらんぽらんに見えるフレディに対しても
見下したり、横柄な態度を取ることはなく、
ほんとにいい先輩なのです。

フランクはフレディをからかうように
「『Night of the Living Dead』って映画あるだろ?
 あれは実話なんだ」
と切り出します。
映画はいろいろと脚色されているけれど、
とある病院で「トライオキシン245」という化学物質によって
蘇ったゾンビが「なにかの手違いで」この倉庫に送られてきて、
こっそり地下室に保管してあるというのです。
地下室のゾンビが入ったタンクを見に行ったふたり。
「ガスが漏れたりしないの?」
「大丈夫さ。軍が作ったんだから」
コンコン、プシューーー!!
というオープニングの流れが最高です。

軍人を除けば、
本作の登場人物たちはみんないい奴ばかりで、
フレディのパンクス友達も馬鹿だけど気のいいやつらです。
フレディの彼女とかは明らかにパンクスではないけれど、
そういうコもグループに混ざっているのがなんだかほほえましい。
ろくに働いていない彼らは、フレディが仕事を始めたと知ると
じゃあ、フレディんとこ行こうぜー!
仕事終わるまで2時間? じゃあ、待ってようぜー!
てな具合。いい友達だわ。

本作のゾンビは
『Night of the Living Dead』で定義されたゾンビの特徴を
ことごとく覆しています。
頭部を破壊してもダメ、体を切断してもダメ。
走るし、知性があってしゃべることもできます。

当然道具を使いこなすし、隠れて待ち伏せしたりもします。
「映画と違うぞ!」という台詞が笑えます。
さらには、本作のゾンビは人間の脳みそだけを狙っているのですが、
なんとその理由がゾンビの口から語られるのです。
死者はずっと激しい痛みに耐えているけれど、
脳ミソを食べればその痛みが消える
とのこと。

現在からみれば、特殊効果に物足りなさを感じるかもしれませんが
ウイリアム・スタウトによるゾンビデザインが素晴らしく、
最初に飛び出してくる黄色いゾンビにはじまり、
目が可愛い「タールマン」のビジュアルとその動き、
ゾンビの秘密を教えてくれる、上半身しかない「オバンバ」など
どれも非常に個性的かつ魅力的です。

オバノン監督の演出とカメラワークも見所満載で、
フランクがフレディに仕事を教えるシーンでの
棚越しに横移動するカメラ
黄色い奴が飛び出してくる前の扉に向かう3段階のズーム・アップ
はたまた、墓地の地下を断面で見せたり
ここで使うのかよ! と驚く「めまいショット」などなど、
盛りだくさんで楽しめます。
音楽の使い方もしゃれっ気たっぷりで、
墓地の地面からわらわらと死者が蘇るシーンでは
「Party〜Party Time〜♪(「Partytime」45 Grave)」なんて曲が
かかります。

最終的には、アメリカ軍が
核爆弾によって街全体を破壊し、
「たった4000人の被害者」を出しただけで一件落着。
と思いきや、やっぱり舞い上がったゾンビウイルスが
雨となって地上に降り注ぎ……。

ラストシーンの映像が使い回しだったのは残念ですが、
アイデア、技術ともに
とても楽しくて、ハイクオリティーな作品だと思います。



↓来週は「スキャナーズ」です!!




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