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死霊のはらわた(2013)

evildead2013.jpg



(原題:Evil Dead 2013年/アメリカ 91分)
監督/フェデ・アルバレス 製作/ロブ・タパート、サム・ライミ、ブルース・キャンベル 脚本/フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス 撮影/アーロン・モートン 美術/ロバート・ギリーズ 音楽/ロケ・バニョス
出演/ジェーン・レビ、シャイロー・フェルナンデス、ルー・テイラー・プッチ、ジェシカ・ルーカス、エリザベス・ブラックモア

概要とあらすじ
サム・ライミの監督デビュー作で、一躍その名を世界に広めたスプラッターホラー「死霊のはらわた」(1981)をリメイク。薬物依存症のミアは、リハビリのため兄や友人たちと5人で山奥の小屋を訪れるが、そこで禁断の「死者の書」を見つけて死霊を甦らせてしまう。姿なき死霊にとりつかれたミアは豹変し、次々と仲間たちを襲っていく。ウルグアイ出身のフェデ・アルバレス監督がメガホンをとり、ライミとオリジナル版で主演したブルース・キャンベルがプロデューサーとして参加している。(映画.comより)



クンダ…アストラーダ…モントセ…カンダ…

お気づきの方はお気づきの通り、
このブログのタイトル画像は
オリジナル版『死霊のはらわた』ブルース・キャンベル兄貴なのです。
言わずもがな、ぼかぁ『死霊のはらわた』が大好きなのです。
恐がりのくせに、ホラー映画が大好きな僕は
中でも『死霊のはらわた』は何度観たかわかりません。
ホラー映画は数あれど、
『死霊のはらわた』の特別な魅力とは
サム・ライミの独創的な演出と情熱に加え、
ホラーとコメディを絶妙なバランスで融合させたことでしょう。
その後、コメディを意識したホラー映画はたくさん作られましたが
『死霊のはらわた』ほど、恐怖が突き抜けた先にある笑いを
表現しているものはないのではないでしょうか。

そんなエポックメイキングな作品をリメイクして
オリジナルを超えられるわけがありません。
誰がどのようにオリジナルを再構成・再演出しても
リメイクはオリジナルに対するリアクションにしかならず
オリジナルのファンが多ければ多いほど
反感を買うものです。
技術の進歩によって当時はできなかった映像表現が
可能になったとしても
オリジナルが持つ魅力は特別なものなのです。
たとえサム・ライミがもう一度撮り直したとしても
オリジナルを超える作品は撮れないでしょう。
オリジナル版『死霊のはらわた』の
ストップモーション・アニメのがたついた動きが
現在の技術でスムースかつリアルになったところで
あのおどろおどろしさが増すわけではないのです。

では、どうするか? となると
オリジナルにアレンジを加えて
リメイクならではの新しい魅力を追求するほかないのですが
このリメイク版『死霊のはらわた』
オリジナル版とは脚本が大きく変わっています。
オリジナル版から引き継がれているのは
基本的なシチュエーションと
ファン・サービスのためのディティールだけです。
果たしてこれをリメイクと呼ぶべきかどうか
意見が分かれるところだと思いますが
フェデ・アルバレス監督が取った選択がこの作品の全てなのです。

薬物依存症のミア(ジェーン・レビ)のリハビリのために
友人や兄弟が山小屋(キャビン!)に集まってくるという
基本的な設定からアレンジが加えられています。
ミアを薬物依存から立ち直させるためには
たとえ禁断症状に苦しむミアが帰りたがっても
帰ってはいけないというのが、この山小屋から簡単には帰れないことの
根拠になっているわけですね。(あんまり必要なかったけど)
そして、ミアの奇行が禁断症状によるもの(かもしれない)
とすることで、登場人物たちが迫り来る惨状に対して
判断を躊躇するという効果もあるでしょう。
(これも、そんなに効果的に扱われなかったけど)

地下室で発見したお約束の禁断の「死者の書」が登場して
呪文を口にすることで悪霊が復活してしまうのですが
このくだりが随分とあっさりしていて
もったいなかったような気もするし、
鉛筆で呪文を転写するのも
どうしてそれに気づいたのか、よくわかりませんでした。
呪文を読んでしまうエリック(ルー・テイラー・プッチ)
呪文を読もうとしたら邪魔が入ったりなどの
サスペンス的じらしがあってもよかったのではないでしょうか。

当然のことながら、
ゴア表現はリメイクのほうが倍増しているのですが
ミアの兄デビッド(シャイロー・フェルナンデス)
彼女らしき女性ナタリー(エリザベス・ブラックモア)
(このコ、何で山小屋についてきたのかよくわからんが)
ラストのミアがどちらも左手を切断することになるのは
ちょっとつまならい……もっとなんかないか?……
ナタリーの左手切断がミアの伏線になっているわけでもないので
アイデア不足かと勘ぐってしまいます。

ミアの兄デビッドは、オリジナルのアッシュ(ブルース兄貴)ほど
キャラクターが個性的ではなく、
物語の中心というわけでもないのですが
登場人物それぞれの背景や関係が語られないので
誰に感情移入するということもありませんでした。
ゴア表現だけでなく、5人の人間関係からも
恐怖を盛り上げて欲しかったところ。
(メガネのエリックはデビッドにホの字ってことかしら?)

とまあ、やっぱりオリジナルと比較して
粗探しが多くなってしまいますが
十分に楽しめる出来であることは間違いありません。
その意味では期待以上でした。
ホラー映画の表現は出尽くしたんじゃないかと思えるほど
ありとあらゆるアイデアが試されていると思いますが
たとえば『キャビン』のような、
よく言えば「脱構築」、悪く言えば
ホラー映画をネタとして茶化している作品と比較すると
面と向かって『死霊のはらわた』のリメイクという
難問に挑んでいるこの作品のほうが好感が持てます。

オリジナルへの目配せとしては、
絶対に外せないシェイキーカム(カメラを取りつけた木材を
二人の人間が両方で持ちながら全速力で走る撮影技法)や
ミアが最初に腰掛けているのが、オリジナルに登場した
73年型デルタ・オールズモービルだったり、
蔦に犯されるミアや、地下室への扉でしょうか。
それ以外では、ミアが『エクソシスト』のリーガン風だったり、
『シャイニング』かと思うようなドア前での下からのアングル
『呪怨』的な要素も見られました。
(『呪怨』と『リング』はアメリカでも相当有名だそうで)

エンドロールになった瞬間に
席を立つ人がかなりいましたが、最後の最後で兄貴が登場します。
エンドロールの映像がやたらと演出されていて、
ナレーションがかぶさったりしていたのは
「このあとになんかあるよ」のサインだったのでしょうな。
でもね……蛇足。
遊びで兄貴を出すなら、壁に貼ってあった家族写真の中とかで
よかったんじゃないかしらん?

Youtubeにアップしたショートフィルム『Panick Attack!』
大反響を呼んで、一気に注目を集めたという
フェデ・アルバレス監督。
まさに大抜擢なわけですが
どうやっても文句が出ること必至のリメイクに
果敢に挑戦した心意気と健闘を讃えたいと思います。
おつかれ! フェデ!







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コメント

エンドロール後の最後に出てくるのは兄貴じゃないよ(笑)

2013/12/18 (水) 23:02:21 | URL | #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> エンドロール後の最後に出てくるのは兄貴じゃないよ(笑)
?。おっしゃっていることの意味がわかりません。
ブルース・キャンベルではないということですか?

2013/12/19 (木) 00:19:35 | URL | のほうず #- [ 編集 ]

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