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この子の七つのお祝いに

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(1982年/日本 111分)
監督/増村保造 脚本/松木ひろし、増村保造 原作/斉藤澪 製作/角川春樹 撮影/小林節雄 美術/間野重雄 音楽/大野雄二 録音/井家眞紀夫 照明/川崎保之丞 編集/中静達治
出演/岩下志麻、根津甚八、辺見マリ、畑中葉子、中原ひとみ、芦田伸介、岸田今日子、坂上二郎、室田日出男、名古屋章、戸浦六宏、小林稔侍、村井國夫、神山繁、杉浦直樹

概要とあらすじ
戦後の混乱によって人生の歯車を狂わされた女の悲惨な一生とその復讐を描く。第一回横溝正史賞を受賞した斉藤澪の同名小説の映画化で、脚本は松木ひろしと増村保造、監督は「エデンの園」の増村保造、撮影は「あゝ野麦峠・新緑篇」の小林節雄が各々担当。次期総理の座を狙う大蔵大臣磯部の私設秘書・秦一毅の元お手伝い・池畑良子が殺された。ルポライター、母田耕一は政界の謎をあばこうと秦の身辺をさぐっていた矢先の事件で秦の内妻、青蛾が奇妙な手型占いをするという噂をきく…(映画.comより抜粋



二郎さん!!

観終わってみると、
大昔に観たことがあるような気がしないでもありませんが
なにせ80年代の角川映画は
この手の作品を量産していたし、
テレビ放送もしていたかもしれないしで、
観ていないのに観たような気になっているだけなのかもしれない、
そんな『この子の七つのお祝いに』です。
監督は増村保造。
本作は増村のフィルモグラフィーの中で
どのような位置づけにあるのでしょうか。
エラい人の解説、知りたい。

西日しか差さないような陰気なアパートの
暗い部屋に並べられているおかっぱの日本人形……

人によっては、たぶんこれだけで震え上がるんでしょう。
子どもの頃なら間違いなく怖がっただろうし、
今でも自分の部屋にあんなもんがあったら
いい気はしません。
でも、自分が歳をとったせいか……あんま、怖くない。

日本人形そっくりの幼い麻矢が待つ部屋に
自分の着物を売って、バナナとチョコとキャラメルという
甘いもんばっかり買ってきた母親の真弓(岸田今日子)
どうやら、この母親・真弓に扮する岸田今日子の狂った演技が
評判になっていたようです。
たしかに、オーバーアクトな演技は常軌を逸しているし、
自分と娘を捨てた憎き元夫の写真を
針で突く
ディティールも気味が悪いけれど、
その後、自分たちの生い立ちを長々と語る説明セリフに
むしろ笑ってしまいました。

幼い麻矢に父への復讐を執拗にたたき込む母・真弓は
少しでも自分の苦しみをわかって欲しいと
麻矢の顔に焼きごてを押し付けて傷を負わせる
という
完全に間違った教育を施し、
麻矢が7歳になる年の元日に自殺してしまいます。
正月だからって、
晴れ着を着たまま布団で寝ているのはどうかと思うが
目が覚めたら母親が血だらけで死んでいたら
教え込まれた復讐心などすっとぶくらいのトラウマになるかと思いきや
麻矢はちゃんと母の教えを守り抜くのでした。

畑中葉子が
後ろから前からメッタ刺しにされて殺される
事件が起こり、
物語が始動します。
犯行現場に残されていたケーキを売っている店が判明しましたっ!
とか言ってたけれど、
犯人が女性だと推察するだけで事件解明には直接関係なく、
警察はまったく蚊帳の外です。
事件の謎を探るのはルポライターの母田(杉浦直樹)
報道記者の須藤(根津甚八)
母田がかねてから取材していた政治家の秘書が
青蛾と名乗る占い師と密接な関係にあり、
政界を左右する青蛾の秘密を知っている畑中葉子は
口封じのために殺された、という推理をもとに
母田は取材を重ねます。

まあ、本作はミステリーなので仕方ないのかもしれませんが、
ほとんどずーっと、セリフによる状況説明が続くので
はっ! なるほど、そうだったのか! と驚くことはありません。
父親への復讐を企んでいるであろう麻矢の正体は
早いうちに青蛾か、スナックのママの岩下志麻のふたりに絞られ、
手相見の青蛾が麻矢じゃあいくらなんでもってことで、
麻矢=岩下志麻だと確信するのですが、
別に、早々と犯人がわかってしまうことが
ミステリーにとって問題があるとは思っておりません。
観客には真犯人がわかっているが、登場人物にはわかっていない
という怖さもあるわけですが、
本作は、そこもあんまり……。

ついに、憎き父親・芦田伸介を見つけた麻矢。
(偶然だけど)
ここで会ったが百年目〜てなわけですが、
麻矢として生きてきた岩下志麻が、じつは麻矢ではなかった、
という、もうひとひねりが。
岩下志麻の絶望ときたら、そりゃあもう大騒ぎなのですが
その証拠となるのが本作の鍵を握るモチーフになっている手相
いつのまにか手相に詳しくなっていた須藤が
「手相には大まかに3つのパターンがあって……」
語り始めるのですが、手相の遺伝はあくまで確率でしかなく、
たとえその確率が高かったとしても
覆しようがない事実というほどのものではありません。
また、さんざん手相の研究を重ねてきたはずの岩下志麻が
須藤の付け焼き刃程度のことも知らず、
自分の手相に考えが至らなかったとは思えないので、
なんともモヤっとします。

岩下志麻のセーラー服姿という驚きもありましたが、
すべてを理解した岩下志麻は精神崩壊したのか、
うずくまって「さむいよ〜。くらいよ〜。」と言い始め、
「この子の七つのお祝いに」を口ずさむ
さまは
これまたオーバーアクトとしかいうほかなく……。

主役、ちょい役含め、多くの名優が出演しています。
坂上二郎さんが登場したときには
思わず「二郎さん!!」と声を上げてしまいました。





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