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ダイアリー・オブ・ザ・デッド

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(原題:Diary of the Dead 2007年/アメリカ 95分)
監督・脚本/ジョージ・A・ロメロ 製作/ピーター・グルンウォルド、アート・スピゲル、サム・イングルバート、アラ・カッツ 撮影/アダム・スウィカ 編集/マイケル・ドハティ 音楽/ノーマン・オレンスタイン
出演/ミシェル・モーガン、ジョシュア・クローズ、ショーン・ロバーツ、アラン・バン・スプラング

概要とあらすじ
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(68)「ゾンビ」(78)などで知られる“ゾンビ映画の父”ジョージ・A・ロメロ監督が、主観撮影法を用いて描く新たなゾンビ映画。山奥でホラー映画を撮影していた学生たちは、ラジオで“世界各地で死者が蘇り、人々を襲っている”という報道を聞く。彼らは真実を残すため、カメラで惨劇の記録を試みるが……。出演は米人気TVドラマ「Lの世界」のミシェル・モーガン、「エミリー・ローズ」のジョシュ・クローズら(映画.comより



復習のロメロ その5

スター俳優を起用したり、
あきらかに潤沢な予算をかけて作られた前作
『ランド・オブ・ザ・デッド』の評判が
よかったのか悪かったのか知りませんが、
エンターテイメントとしてわりと楽しめました。僕は。

でも、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』を観ると
ロメロ監督自身は前作に対して
なにか不自由を感じていたのかもしれません。
いかにも低予算の本作は、
主人公たちがピッツバーグ大学映画学科の学生たちであることからも
自主制作の楽しみを取り戻そうとする
ロメロ監督の原点回帰
のように思えます。
とはいえ、POVという手法を用いている点では
新しい表現を取り入れる貪欲さも窺えます。

さりとて、ロメロ監督が安価に臨場感を得られるPOVに
特別な魅力を感じていたのか、というと
そうでもないような気がします。
POVといいながら、
ハンディカム特有の激しいカメラの揺れはなく、
画面はしっかりと画づくりされていて、
POVらしからぬ齟齬が散見されます。
というか、POVの整合性には無頓着な気がします。

とかいいながら、
POVやファウンド・フッテージものによくある
カメラなんか捨てて逃げろよとか、
この映像は誰が編集したんだよとかの不可解な部分に対しては
ゾンビ発生の事態が起こったのが
映画学科の学生たちの撮影中であり、
監督のジェイソン(ジョシュ・クローズ)が
ジャーナリスティックな使命感を抱いていて
危険な状況でも撮影を続けることの違和感を取り除き、
本作が、ジェイソンの恋人デブラ(ミシェル・モーガン)が編集した
『死の終焉(Death of Death)』という作品だとして、
あらかじめPOVにまつわる齟齬を
回避しようとしています。

テレビのリポーターがゾンビに襲われたあと、
報道の音声が混線しているようなオープニングでは
スティーヴン・キング、サイモン・ペグ、
ギレルモ・デル・トロ、タランティーノ
などなどが
声の出演をしているとか。
ていうか、ゾンビなるものが発生したぞという発端から描くのは
ロメロ史上、本作が初めてではないでしょうか。

黒人が知的でヒロイックに描かれているのは
これまでのロメロ作品と同様です。
とりあえずのアテがある場所へと移動する面々は
ひとりヤラれ、またひとり死んでを繰り返しながら
逃避行を続けます。

本作に込められた社会批判は
まずはネット社会に対する苦言があり、
誰もが映像を撮影する時代に対する警鐘を鳴らしています。
本作ではスマホは登場しませんが
撮影すること=傍観することだと語られ、
『コミック雑誌なんかいらない』的な
ジャーナリズムに対する揶揄も感じられます。

エンディングでは、
『ゾンビ』でも登場した、
気晴らしにゾンビを撃つ人々が登場して、
他者に対する敬意のなさを表し、
「私たちを救う価値などあるのだろうか」と締めるあたり、
あいかわらず、人間=クズという
ロメロの主張は一貫しているのでした。





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