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ゾンビ

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(原題:Dawn of the Dead 1978年/127分)
監督・脚本・編集/ジョージ・A・ロメロ 製作/クラウディオ・アルジェント、アルフレッド・クオモ、リチャード・P・ルビンスタイン 音楽/ゴブリン、ダリオ・アルジェント 撮影/マイケル・ゴーニック
出演/ケン・フォリー、スコット・H・ライニガー、ゲイラン・ロス、トム・サビーニ、デビッド・エムゲ

概要とあらすじ
惑星から降り注いだ光線によって地球上の死者が復活。その群れは生者に襲いかかり、次々と数を増やしていく。テレビ局員のスティーブンと恋人フランシーン、そしてSWAT隊員のロジャーとピーターは郊外のショッピング・センターに避難するが、やがてそこにも死者の群れが侵入し……。ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ・シリーズ第2弾。「ゾンビ」には、アメリカ公開版、ダリオ・アルジェント監修によるイタリア版、そしてアルジェント版をもとにした79年の日本公開版、さらにディレクターズカット版、といった複数のバージョンが存在する。(映画.comより



復習のロメロ その2

ダリオ・アルジェントの協力もあって
ジョージ・A・ロメロを一躍有名にした出世作
『ゾンビ』
いくつかのヴァージョンがありますが
今回、僕が観たのはアメリカ劇場公開版です。

フィラデルフィアのテレビ局から始まる本作は
すでにゾンビが大量発生していてパニック状態。
異変が起きる前の穏やかな日常みたいなものを
一切描かないのが潔い。
混乱するテレビ局とは別に、
プエルトリカンのギャングのアジトを急襲するSWAT隊が。
ここでは、完全なるキチガイでレイシストの隊員が登場します。

テレビ局員で恋人同士の
フラン(ゲイラン・ロス)スティーブン(デビッド・エムゲ)
SWAT隊員のロジャー(スコット・H・ライニガー)
ピーター(ケン・フォリー)
示し合わせてヘリコプターで脱出するのですが、
この4人は、いずれも職場放棄しており、
なおかつ彼らは報道と治安維持という重要な役割を担っているし、
ましてやSWATのふたりは
本来なら市民の安全を守るべく任務に当たるべきで、
中心人物たちでありながら、非常に逃亡の動機が身勝手です。
ヘリに乗り込むときには、
ほかのSWAT隊員にタバコすらわけてやりません。
中心となる彼らが諸手を挙げて応援したくなるような
善人ではないという前提がまずあると思います。

4人がヘリで空を飛ぶ間、
ゾンビ狩りをレジャーのように楽しむ人間たちも登場しますが
なにが怖いって、ヘリを居眠り運転するスティーブン。
このスティーブン、最後の最後まで足手まといのマヌケです。

そして、4人が辿り着いたのがショッピング・モール
これが『アイアムアヒーロー』に到るまで面々と連なる
ゾンビ映画の定番となりました。
ゾンビ化した死人たちは、生前の生活習慣に従って
ショッピング・モールに集まるという設定で
消費社会を揶揄しているのは明らかですが、
大量の物資や食糧があるショッピング・モールは
ゾンビから逃げるものたちが立てこもる場所としても最適です。

いかにもガンジーに似せたようなゾンビ
フランを襲うシーンなどは皮肉たっぷりでしたが、
ショッピング・モール内のゾンビを一掃し、
すっかり落ち着いた彼らがインテリアを整え、
暇つぶしにゲームに興じるシーンは
正直、退屈にもなります。
それでも、ピーターがゾンビを評して
「ありふれた連中だ。地獄が満杯だから生き返る」というのは
本作におけるゾンビが象徴するものを端的に表していて、
それはすなわち、社会の同調圧力ではないでしょうか。

とはいえ、
(すでにロジャーは調子に乗ったせいでゾンビに噛まれ、
 殺されている)
彼らが本当に敵対しなければならなかったのはゾンビではなく、
トム・サビーニが率いる暴走族風の荒くれ者たちだったのです。
結局、いざこざを起こすのは人間同士なのだという
ロメロ作品に通底するテーマでしょう。

最終的にヘリを使って逃げおおせたのは
フランとピーターのふたりだけでした。
フランが妊娠中だという設定は
なにかしら未来の希望を抱かせるものかもしれません。

社会風刺的な要素は
前作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のほうが
凝縮されているように思いますが
なんにつけ、ゾンビ映画の礎になった本作は
やはり傑作であり、最重要作品なのです。





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