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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド

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(原題:Night of the Living Dead 1968年/アメリカ 96分)
監督・原作/ジョージ・A・ロメロ 製作/カール・ハードマン、ラッセル・ストライナー
出演/デュアン・ジョーンズ、ジュディス・オディア、カール・ハードマン、マリリン・イーストマン、キース・ウェイン

概要とあらすじ
墓参りにやってきた兄妹ジョージとバーバラ。そんなふたりに、甦った死体が襲いかかる。ジョージは格闘の末に死亡し、近くの家に逃げ込んだバーバラは他の避難者たちと合流する。しかし一行は死者の襲撃を前にしながら対立。ゾンビの群れは容赦なく押し寄せてくるが……。緩慢な動きながら、生者を襲うことで限りなく増殖し続け、脳を破壊しない限り滅びないゾンビ、そしてその襲撃に立ち向かう人々を描いたホラーシリーズ第1作。製作時の社会・世相を反映した物語はそのたびに恐怖と衝撃を呼んでいる。(映画.comより



復習のロメロ その1

いまやゾンビというやつは
ホラー映画のなかでも特殊な存在感を放ち、
確固たるジャンルを形成しているわけですが、
『桐島〜』の前田くんが言うように
ジョージ・A・ロメロを観ずして
ゾンビ映画を観たことにはなりません。
というわけで、「ゾンビ」を生み出したロメロ作品を
おさらいしたい気分になったのです。

兄ジョニーが運転する車に乗って、片道3時間の道のりの末、
亡き父親の墓参りにやってきたバーバラ(ジュディス・オディア)
信心深くないどころか、
土の中で眠る父親に対する敬意さえないジョニーが
バーバラをからかっているところに
ぬら〜っと「リビング・デッド」が登場

本作では、「ゾンビ」という呼称が登場しませんが
噛まれると感染してゾンビ化する、
頭部を破壊しないと死なない
などの
現在にまで至る重要なゾンビ定義はすでに確立されています。
(火に弱いっていうのは、どうかわからないけど)
『バタリアン(1985)』までは
基本的にゾンビはノロノロと動くのが定番ですが、
本作の中に「猛スピードで逃げるトラックに追いついた」という
セリフがあるので
そこはわりと徹底されていなかったのかもしれません。
また、「リビング・デッド」は
石を使って車のガラスを意図的に割ったりするので
知性らしきものも持っているようす。


バーバラが、とある空き家に命からがら逃げ込んだあと、
登場するのがベン(デュアン・ジョーンズ)
バーバラが突如として幼児退行したようになるのは
どういうことかと思うけれど、
能動的に「リビング・デッド」に立ち向かおうとするベンが
黒人なのは偶然ではないはず。
以降、「リビング・デッド」はちょこちょこと姿を見せるものの、
漠然とした死の恐怖程度の存在でしかなく、
その後に加わるメンバーたちを合わせた7人による
密室劇が中心となります。

それぞれの登場人物が
社会の中における人物像の典型を担っているのが秀逸で
なかでも、地下室に閉じこもっていたクーパー(カール・ハードマン)
臆病さと卑劣さの描写が際立っています。
黒人のリーダー、
クーパーに愛想を尽かしている妻、若い恋人どうしゆえの無謀さ、
もっとも弱く、愛すべき存在のクーパーの娘の「リビング・デッド」化。
いまとなっては定番かもしれないけれど、
観客の常識を揺さぶるための手法が冴えています。
「リビング・デッド」発生の原因が
放射能であるかのように語られている
のは
当時を反映しているのでしょうか。

そして、衝撃のラスト。
夜が明けて、住民救出に向かう警察(?)の集団が
空き家でたったひとり生き残ったベンを発見すると
「リビング・デッド」だと思い込んだ警察は
あっさりとベンの頭部を打ち抜いて殺してしまいます。
その後、鍵フックを手にした警察たちが
ベンを含む「リビング・デッド」の亡骸をかき集めるシーンで
終わります。
とにかく、本作は
「リビング・デッド」怖え〜という映画として始まるけれども、
ラストシーンの鍵フックのクローズアップからは
人間、怖え〜としか思えない内容なのです。

のちに「ゾンビ」となる「リビング・デッド」の寓話性と
社会が抱える問題を窮地に陥った人間の関係性によって露見させる風刺精神は
やっぱり傑作と呼ぶにふさわしいのでした。





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