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アイアムアヒーロー

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(2016年/日本 127分)
監督/佐藤信介 原作/花沢健吾 脚本/野木亜紀子 製作/市川南 撮影監督/河津太郎 録音/横野一氏工 美術/斎藤岩男 装飾/大坂和美、篠田公史 特撮/神谷誠 特殊メイク・特殊造形統括/藤原カクセイ 衣装デザイン/宮本まさ江 編集/今井剛 音楽プロデューサー/志田博英 音楽/Nima Fakhrara
出演/大泉洋、有村架純、長澤まさみ、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、片桐仁、マキタスポーツ、塚地武雅、徳井優、風間トオル

概要とあらすじ
花沢健吾のベストセラーコミックを、大泉洋主演で実写映画化したパニックホラー。冴えない漫画家アシスタントの主人公・鈴木英雄が、謎のウィルスによって「ZQN(ゾキュン)」と呼ばれるゾンビと化した人々に襲われ、逃亡の道中で出会った女子高生の比呂美と、元看護師の藪とともに不器用に戦いながらも、必死でサバイバルしていく姿を描く。主人公・英雄を演じる大泉と、歯のない赤ん坊ZQNにかまれ、人間に危害を加えない半ZQN状態になるヒロイン・比呂美役の有村架純、大胆な行動力でZQNに立ち向かう藪役の長澤まさみが共演。「GANTZ」「図書館戦争」シリーズを手がける佐藤信介監督がメガホンをとった。(映画.comより



偉い! よくやった!(ドラマ除く)

海外のファンタ系映画祭で受賞したりと
なにかと話題の『アイアムアヒーロー』
マンガが原作の日本映画というだけで
眉が唾でべちょべちょになるところですが
ゾンビ表現はかなり頑張っているという評判をきいて
行って参りました。

大泉洋、有村架純、長澤まさみなんてキャストからすれば
滅多に映画館に行かないようなひとの動員も期待できそうですが
そこを原作の世界観をできるだけ忠実に表現するため、
R15+で公開したことをまずは称えたい。
偉い。よくやった。
原作は好きだったものの、
コミック6巻で読むのをやめてしまっていたのですが、
映画はちょうど5〜7巻あたりまでのお話し。
偉い。よくやった。

「ZQN(ゾキュン)」の特殊造形やグロ・アクションは
噂に違わぬ素晴らしい出来でした。
英雄(大泉洋)の彼女、てっこ(片瀬那奈)
ベッドからずり落ちてからの奇怪な動きに始まり、
浜松の住宅街の一角を封鎖して撮影したというパニックシーン
アイデア満載でリズム感もよく、ワクワクさせてくれます。
(ブレイク前のメイプル超合金がちらり)
個々のZQNの造形やキャラクターも多種多様で
飽きさせません。
偶然出会った女子高生・比呂美(有村架純)
タクシーに乗り込んでからの車中はいまいちだったけれど、
(こんな大変な状況のなか、
 カーナビのテレビにアニメが映った時点で
 このボケは理解できるはずなので
 そのあとの「テレ東」はやっぱ蛇足)
その後のカーチェイスシーンは見応え十分
製作陣の気合いを感じました。
(撮影場所は、韓国で建設中の高速道路だとか。
 日本国内じゃまず無理でしょね)

英雄と比呂美がショッピング・モールに辿り着くのは
原作通りですが、そもそもジョージ・A・ロメロから連なる
ゾンビ映画の定番。
原作を知らないはずの海外の観客は
この設定ににやっとしたことでしょう。
地上はZQNだらけだわ、建物の屋上はDQNだらけだわで
大変です。
元看護師の藪に扮する長澤まさみ
(最近になって、やっとその魅力がわかるようになったよ)
恵まれたスタイルがとてもアクションに合うと思いました。
ロッカーに隠れているいくじのない英雄の
脳内シミュレーションもなかなか面白かったですが、
死屍累々のなか、英雄が撃つライフルによる頭ドッカーンの連続
やはり痛快で、拍手を送りたいです。

そもそも本作は、ZQNとの闘いに留まらず、
ショッピング・モールでDQN(=バカ)との攻防もあり、
弱虫でうだつの上がらない凡人の英雄が
本当に「君は俺が守る」というに値する存在へと到る
成長譚でもあるわけで、
原作からの物語構造自体がとても素晴らしいのではないでしょうか。

てなわけで、ゾンビ映画としての造形やデザイン、
アイデアの豊富さ、ちゃんとしたグロさは
十分満足できる出来映えでした。
でもね……。やっぱりドラマ部分になると
ガッカリするところがないわけじゃありません。


まず、英雄とてっこがイチャイチャするシーンが欲しかった。
ふたりの関係が最初からギスギスしているのは
英雄のダメっぷりを強調するためかもしれませんが
うだつの上がらない英雄にとって、
てっこは自分を認めてくれる唯一の存在で
その最愛の彼女がZQN化してしまう切なさを
表現してほしかったところ。

その後、英雄と比呂美が
富士山に向けて森の中を歩くシーンのかったるさたるや半端なく
序盤で感じたワクワクがすっかり萎えてしまうので、
これに時間を割くなら、なおさらてっことのいちゃいちゃを……
と思ってしまいます。
原作から改編したり端折ったりしているところもあるんだから、
いっそのこと、英雄にはもともと彼女がいなかったことにしても
いいのではなかろうか
とさえ思います。

また、人間がZQN化する原因を説明する必要ないと思いますが、
比呂美が半ZQN状態の根拠は
なにかしら必要なのではないでしょうか。

比呂美が噛まれたのは赤ちゃんで、
歯がなかったから十分には感染しなかったとしたら、
歯が抜けたてっこに噛まれた英雄はどうなんでしょう?
ちょっと、もやもや。

ショッピング・モールを占拠している連中の
バカッぷりもトホホで、
伊浦(吉沢悠)に替わってリーダーに収まったサンゴ(岡田義徳)
地下に貯蔵されている食糧を取りに行く際、
伊浦に対して「お前が先頭を行け」と言っていたのに
あっさりと伊浦を見失ったことすら気がつかず、
自分が先頭に立って食糧を見つけると
ひゃっほうなんて騒ぐのですから、
いくらなんでも頭が悪すぎて興醒めします。

藪が運転する車で脱出するラストシーンで
藪は自分の本名を明かした後、
それまで「メガネ」と呼んでいた英雄に名前を聞きますけど、
半ZQN状態の比呂美が
「英雄くんがいたら、大丈夫な気がする」って言ったとき、
おまえ、横にいたじゃん。

歯が抜けるカットの直後に「歯が抜けた!」って言ってみたり、
ギャグのテンポがいまいちだったりしましたが、
127分を短く感じるほど満足したし、
全体的にはグッジョブな作品です。

とにかく素晴らしい特殊造形を愛でる映画ですので
ゾンビの頭がぶっとぶのをみて
イェーイ! 最高! と思えない人は楽しめないかもしれませんが
それは映画のせいじゃありません。





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