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ヘルドライバー

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(2010年/日本 117分)
監督・編集・キャラクターデザイン/西村喜廣 脚本/西村喜廣、渚大地 製作/杉原晃史 音楽/中川孝 照明/大田博 美術/福田宣
出演/原裕美子、しいなえいひ、柳憂怜、波岡一喜、岸健太朗、久住みず希、鳥肌実、ガダルカナル・タカ

概要とあらすじ
ある事件をきっかけに多くの人間がゾンビとなった未来。日本列島は元人間のゾンビと生き残った人間たちを壁で分離し、戦いを続けていた。その事件に関係する母親によって父親の命を奪われ、自らの心臓も失った少女キカは、ナゾの組織により人工心臓を埋め込まれて生きながらえていたが、母親に復しゅうするため、日本刀型のチェーンソーを武器にゾンビ軍団と戦う。「東京残酷警察」が話題となった西村喜廣監督が手がけるゾンビアクション。(映画.comより



血しぶき、血しぶき、首チョンパ。

『東京残酷警察』に続く西村喜廣監督の第2作、
『ヘルドライバー』でーす。

前作同様、低予算で作られていることがありありとわかる本作。
『東京残酷警察』は、荒削りながらも
西村監督お得意の特殊造形とゴア演出が冴え渡る楽しい映画でしたが
本作はある種の疾走感を感じられるものの、
全体的には散漫な印象でした。

とにかく、血しぶき。大量の血しぶき。
いままでと比べて吸水量が4倍、水圧が3倍という
新規導入したポンプによるそれが
画面を何度も真っ赤に染めますが
いかんせん繰り返し感は否めません。
ヒロインが襲いかかる感染者に対して
「しつこい!」というシーンが2カ所ありましたが、
ひょっとすると自虐ボケなのかもしれませんな。

闇夜に浮かぶ月がタンポポに変わったあと、
忍者風黒ずくめの男が現れて壁によじ登り、
壁の向こう側に潜む感染者(=ゾンビ)の額にある
触覚みたいなツノを釣り上げます。
このツノはドラッグとして裏社会で流通していることは
あとからわかります。
壁の上でよろよろしてるから、危なっかしいなあと思っていると
案の定、壁の向こう側に落ちて感染者に襲われる忍者風。
食べられるのかと思ったら、
なぜか感染者集団がタワー状に盛り上がってところに
突然空から現れた車に乗っていたキカ(原裕美子)
日本刀型チェーンソー
感染者をばったばったと切り裂いていくのでした。

シーンは変わって、女子高生のキカ。
感染者のツノは夕張メロンのヘタだった! みたいなことは
物語にまったく関係がないので置いておくとして、
編集によって時間が遡っているのですが、
冒頭のシーンは最後まで観ても回収されません。
心臓がなくても生きてるとか、日本刀型チェーンソーの仕組みとか、
そんなことを咎めるほど野暮じゃありませんが、
編集によって時間軸をずらす目的は、
そのときは事態を飲み込めなかった観客に
映画が進むにつれて、ああそういうことかと
納得する快感をもたらすためだと思うので
映画の構造的に破綻しているのはいかがなものか、と。

まあいいか。
とにかく血しぶき、血しぶき、首チョンパ。
あまりにも連続するのでむしろグロくありません。
演出的なケレン味もなく、役者の演技もトホホですが
それらのすべて欠点は気にしてはいけません。
シャンパンを開けたときに、コルクがポーンてなって、
泡がしゅわーと出て、いえーい。くらいのノリで
大量の血しぶきを楽しむべきなんでしょう。

キカの母親リッカ(しいなえいひ)から吹き出た黒煙によって
感染者がどんどん増えていくのですが
感染を防ぐため、関東北部に本州をまたぐ壁を作り、
感染者を人として扱う、扱わないという設定

図らずも3.11以降の日本を予言しているような気がしますが
きっと気のせいです。
夕張が物語の発端となっているのは
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」への敬意のはずだし、
『KILL BILL』経由で逆輸入した「GO GO 夕張法」なるものも
登場します。
『ブレードランナー』の「ふたつで十分ですよ」
臆面もなくパロってしまうあたり、温かい気持ちになります。
映画が始まって47分くらいになってようやくタイトルが出る
みたいなのも、ああそういうのがやりたいんですねと
穏やかな気持ちになります。

後半は、西村監督の特殊造形スピリットが炸裂。
脈略とか整合性をまったく無視したキャラが登場します。
カメオ出演の斎藤工が登場したときには
さすがに画面が引き締まるなと感心しましたが、
それよりもなによりも、
花魁ゾンビに扮した穂花
変なメイクをしているのに伝わってくる色っぽさを愛でようぞ。





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