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インサイド・ヘッド

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(原題:Inside Out 2015年/アメリカ 94分)
監督/ピート・ドクター 共同監督/ロニー・デル・カルメン 製作/ジョナス・リベラ 原案/ピート・ドクター、ロニー・デル・カルメン 脚本/ピート・ドクター、メグ・レフォーブ、ジョシュ・クーリー 音楽/マイケル・ジアッキノ
声の出演/エイミー・ポーラー、フィリス・スミス、ルイス・ブラック、ミンディ・カリング、ビル・ヘイダー、リチャード・キング、ケイトリン・ディアス、カイル・マクラクラン、ダイアン・レイン

概要とあらすじ
人間が抱く「感情」を主人公に描いたピクサー・アニメーションの長編作品。監督を「カールじいさんの空飛ぶ家」「モンスターズ・インク」のピート・ドクターが務め、第88回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞した。ミネソタの田舎町で明るく幸せに育った少女ライリーは、父親の仕事の都合で都会のサンフランシスコに引っ越してくる。新しい生活に慣れようとするライリーを幸せにしようと、彼女の頭の中の司令部では「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」の5つの感情が奮闘していた。しかし、ある時、カナシミがライリーの大切な思い出を悲しい思い出に変えてしまう。慌てて思い出を元通りにしようとしたヨロコビだったが、誤ってカナシミと一緒に司令部の外に放りだされてしまう。ヨロコビは急いで司令部に戻ろうと、ライリーの頭の中を駆けめぐるのだが……。(映画.comより



俺の脳内キャラ、もっと頑張れ

とてもとても評判のいい『インサイド・ヘッド』です。
それぞれの感情を司るキャラクターが脳内にいて……といえば
とってもよく似た設定の『脳内ポイズンベリー』という日本映画が
同時期に公開されていましたけれど、
あいにくこちらは観ておりませんので
気にしないことにします。

主の脳内でせっせと働いているのは、
ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリという
5つの感情たち。
現実(?)の人間の世界は
いつものピクサーらしい精緻な3D描写ですが
脳内のキャラクターたちはかなりデフォルメされていて
正直、あまり好みではありませんでしたが
現実と脳内の世界を差別化する意図があるのでしょう。

11歳の少女ライリーの脳内をリードしているのはヨロコビで、
とにかく元気でいつもポジティブ。
中心的存在となる脳内キャラクターは
人によって(もしくは年齢によって)違うようで、
ライリーの母親の脳内でセンターに陣取っているのはカナシミだし、
父親にいたっては、ヨロコビとカナシミの姿が見えず、
イカリとムカムカとビビリがわめいているのは、さもありなん。

そんな父親が事業を始めた都合で
ライリーは慣れ親しんだミネソタから
サンフランシスコに引っ越すことになって環境が一変し、
ライリーの心が揺れ動くようになって
当然ながら脳内キャラクターたちも
右往左往するようになるのですね。

とにかく、前半のうちは
リーダーであるヨロコビがほかの感情キャラを頼もしく先導します。
それにひきかえ、カナシミは失敗ばかりで
余計なことをしては、楽しい思い出の玉を
悲しい思い出に変えてしまいそうになったりと完全に邪魔者扱い
こちらも素直にいらつきながら観ていると、
ヨロコビが床に円を描いて
「あなたはここから一歩も出ないでね」
カナシミに言うあたりで違和感を覚え、
むしろ、ヨロコビのポジティブさが鼻につくようになります。
そして、このことが最後にがっつり効いてくるんですから
本当によく考えられているなーと、感心するばかり。

新しい生活に馴染めず、
ミネソタでの楽しい思い出が蘇ってくるライリーが
どんどん鬱屈していくのにしたがって
脳内の司令室は大混乱。
ヨロコビとカナシミは記憶の原野に放り出されてしまいます。
その間、司令室では
イカリ、ムカムカ、ビビリがなんとか自体を収束しようと試みるのですが
この3キャラの行動が
癇癪を起こしたり、ふてくされたりするライリーの反応を
見事に表現していて、これまた見事。

自分が頭に来てキーッとなったり、なにもかもが嫌になったりしているとき、
脳の中はこんなことになっているのかと思うと
反省せざるを得ません。ぐぬぬ。

ヨロコビとカナシミが彷徨うあいだ、
近道を通り抜けようとすると
3Dから2次元へ、2次元からさらに抽象的な描写へ

変化していくのが面白いのですが
それよりもなによりも、廃棄されていく記憶の玉が
なんとも切ないのです。
もはや、廃棄された記憶は
忘れたことすら忘れてしまっているでしょう。
忘れたほうがいいこともいっぱいあるけれど……

ライリーのイマジナリー・フレンドだったビンボン
自ら犠牲となってヨロコビを助け、
つねに足手まといだと思っていたカナシミが
すんでの所でヨロコビを救うシーンに眼からガマン汁が。

ヨロコビが必死で守ろうとしていた
ライリーの大事な思い出は楽しいことばかりではなく、
その裏には悲しい体験も含まれていたのです。
前半で、ヨロコビが床に書いた円の中に
カナシミを閉じ込めようとするのは
けっしてライリーにとっていいことばかりではなく、
かえって心を閉ざしてしまう結果に繫がっていたのでした。
悲しい出来事は人間の成長のために必要なものであって、
悲しいときはちゃんと悲しむべきなのです。
なんという、全肯定感。
ここは素直に受け入れようぞ。

すぐにムカムカイライラするし、
楽しくなると調子に乗って顰蹙を買うし、
かと思えばウジウジするし、
大事なことは忘れるのに、
どうでもいいことはいつまでも覚えている僕の
脳内キャラクターたちには
もっと頑張ってくれといいたい。





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