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セーラー服と機関銃

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(1981年/日本 112分)
監督/相米慎二 脚本/田中陽造 原作/赤川次郎 製作/角川春樹、多賀英典 撮影/仙元誠三 美術/横尾嘉良 音楽/星勝 照明/熊谷秀夫 編集/鈴木晄
出演/薬師丸ひろ子、渡瀬恒彦、風祭ゆき、大門正明、林家しん平、酒井敏也、柳沢慎吾、岡竜也、光石研、柄本明、佐藤允、北村和夫、寺田農、藤原釜足、円広志、斉藤洋介、三國連太郎

概要とあらすじ
遠い血縁関係にあるヤクザの親分が死んで跡目を継ぐことになった女高生が四人の子分と、対立する組織に戦いを挑む。赤川次郎の同名の小説の映画化で、脚本は「陽炎座」の田中陽造、監督は「翔んだカップル」の相米慎二、撮影は「獣たちの熱い眠り」の仙元誠三がそれぞれ担当。四人しか子分のいない小さなヤクザ、目高組の親分が跡目は血縁者にと遺言を残して死んだ。その頃、女高生の星泉は、成田空港の前で車に轢かれて死んだ父・貴志と火葬場で最後の別れを惜しんでいた…(映画.comより抜粋



やっぱり、俺さまマスターピース

むかぁしむかし、
そりゃあもう、熱狂した『セーラー服と機関銃』
正確に言えば、熱狂していたのは映画そのものではなく、
薬師丸ひろ子なわけですが。
当時、「ヒロコ」が放つオーラは半端なく、
ご多分に漏れず、ヒロコにメロメロだった僕は
写真集を買い、壁にポスターを貼り、似顔絵を描きまくり、
本作を映画館で9回観ました。

でまあ、超久しぶりに観てみると
薬師丸パンデミックにうなされていた当時の熱量を差し引いても
確かにヒロコのオーラがそこにありました。
しかし、アイドル映画というにはあまりにもヘンテコな映画だと
改めて気づかされた次第です。

相米慎二監督は長回しが好きな監督なのは有名ですが
本作では魚眼レンズなども使って大いに遊んでおられまする。
なにしろ、本作にアイドルかつヒロイン星泉が初登場するときには、
意味不明なブリッジをしながら『カスバの女』を口ずさみ、
スカーフで顔が隠れてしまっています。
父の遺骨を抱えた星泉が踏切の手前でしゃがむと
遮断機で目線が隠されます。

その後、クレーンに吊されて
コンクリートに漬けられたりするのをみれば
アイドル薬師丸ひろ子をもてはやすつもりなど毛頭なく、
むしろいじめ抜こうとしています。

それにしても今更ながら、
脇を固める俳優陣の豪華さ&シブさには驚かされます。
冒頭で寝てるだけの藤原釜足に始まり、
佐藤允、寺田農、北村和夫などなどの配役が妙。
高校生役で光石研が出ていたのは初めて知りました。

昔はそんなことちっとも思わなかったけど
物語的には首をかしげるところが多く、
父親を亡くしたばかりの星泉が
校門にずらっと並んだヤクザの組員にひとり毅然と立ち向かうという
ヤクザの血を引くものゆえの気の強さを持ち合わせていたとはいえ、
突然、瀕死のメダカ組の組長になってくれといわれ、
さほど逡巡することなく、退学覚悟で組長就任を承諾するのは
ファンタジーといえどもかなり強引。

でも、もっとわけがわからないのは
影の支配者「太っちょ(三國連太郎)」で、
ヤクザのみならず刑事(柄本明)も牛耳っている太っちょは
なにやらカルト宗教的なものもやっていて
さらには自らメスをふるうマッド・サイエンティストという、
なんか悪いやつのイメージをごった煮にしたような
キャラクターです。

「カイ…カン」で有名な
星泉が機関銃をぶっ放すシーンには派手な印象があったのですが
いまみると意外にコンパクト。
割れた瓶の破片が頬に当たり、出血するアクシデントがありながらも
芝居を続けているヒロコにはデレっとしてしまいますが、
やっぱり冷静に考えると、
主演女優の顔に傷を負わせるなんてありえないでしょ。
その後、ヒロコが歌う主題歌のレコード・ジャケットでは
この傷をメイクで再現しているのですから
よくいえば大らか、悪く言えばデタラメな時代だったのかもしれません。
とはいえ、星泉が「カイ…カン」とつぶやく背後で
ひゃっほうとはしゃぐ子分の政(大門正明)の表情が
どうしようもなく好きです。
そういえば、佐久間(渡瀬恒彦)に想いを寄せるBL政に対して
「ひょっとしてオタク、クルージング?」と星泉がいうのは
アル・パチーノの『クルージング』があったからで
時代を感じて涙が止まりません。
ついでにそういえば、本作のなかで
星泉が「オタク」「オタクたち」とよくいいますが、
いまでいうところの「オタク」の意味がまったく含まれていないのも
やっぱり、時代を感じて鼻水が止まりません。

ラストの新宿ゲリラ撮影のシーン
よく考えたら、住宅街でもない伊勢丹前で
道路に落書きして遊ぶ子供はいないだろと思うものの、
それまでと違うセーラー服に赤いハイヒールを履いた星泉
少女から大人の女への過渡期を描いているというのは
わかります。
通行人に扮したスタッフのなかに
当時助監督だった黒沢清監督が写り込んでいると知って
繰り返しみてみましたが
なんせ35年前なので、どの人が黒沢清監督なのか
さっぱりわかりませんでした。わはは。

本作に対する評価はさまざまでしょうが
作品の善し悪しとは関係なく
思春期の自分に大きな影響を与えた作品として
やっぱり俺さまマスターピースなのです。







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