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海にかかる霧

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(原題:海霧 Haemoo 2014年/韓国 111分)
監督/シム・ソンボ 製作/ポン・ジュノ、チョ・ヌンヨン、キム・テワン 製作総指揮/キム・ウテク 脚本/シム・ソンボ、ポン・ジュノ 撮影/ホン・ギョンピョ
出演/キム・ユンソク、パク・ユチョン、ムン・ソングン、キム・サンホ、イ・ヒジュン、ユ・スンモク、ハン・イェリ、チョン・インギ、ユン・ジェムン

概要とあらすじ
「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」のポン・ジュノが製作を務め、「殺人の追憶」の脚本を担当したシム・ソンボが監督デビューを果たしたサスペンス。2001年に韓国で実際に起こった「テチャン号事件」を題材にした舞台劇「海霧(ヘム)」を映画化した。不況にあえぐ漁村の漁船チョンジン号の船長チョルジュは、中国人の密航者を乗船させるという違法な仕事に手を出してしまう。沖合で密航船と合流し、密航者たちを乗り換えさせて陸まで運ぶという簡単な仕事のはずだったが、海上警察の捜査や悪天候に阻まれ、思いもよらない事態へと発展していく。人気グループ「JYJ」のユチョンが映画本格初出演し、「チェイサー」「哀しき獣」の実力派キム・ユンソクと共演。(映画.comより



一定の満足感はあるっちゃある

韓国映画を観るにあたって、
ま、人物の名前が覚えられないという個人的な問題はあるけれど
いかなる障壁も持ちません。
政府のテコ入れもあってか、
アメリカ映画を意識したルックは
重厚かつエンターテイメントとして上質で
こじんまりとした作品になりがちな日本映画を鑑みるに
うらやましい気持ちもございまする。

まあ、一口に韓国映画といっても
いろんな作品があるのは承知していますが
ことクライム・サスペンス系の作品になると
やっぱり似たようなテイストを感じとってしまうのも事実。
で、『海にかかる霧』です。

てなことをいいながら、別に否定しているわけではありませんが
民族問題や貧困を背景にした物語には
やっぱり既視感を覚えてしまいます。
本作でも朝鮮族が登場しますが、
かといってそのような社会的問題はあくまで背景であって
本作は海に浮かぶ船という密室で繰り広げられる
クライム・サスペンスなのです。

『哀しき獣(2010)』の頼れる男、
ミョン社長を演じたキム・ユンソク
本作では、金欠にあえぐカン船長に。
カン船長がボロボロになった自分の船に固執しているのは
やっぱり愛着なんでしょうか。
漁が思うようにいかず、金策尽きたカン船長は
違法な朝鮮族の密航に手を染めることに。

海上で待ち合わせた船からカン船長の船に
次々と密航者たちが乗り移るとき、
ひとりの女性ホンメ(ハン・イェリ)が海に落ちてしまいます。
とっさに荒れる海に飛び込み、
助けに行くドンシク(パク・ユチョン)
ドンシクはすでにホンメに惹かれていたのでした……
てことなんだけど、
ドンシクがホンメに惚れてしまう動機はわりと唐突。
まあ、船乗りたちは
基本的に女に餓えているってことかもしれないけれど……
本作、このような微妙な心理描写を
すっとばしている印象
はあります。
ホンメは、思わずはっとするような美女ではないので
一目惚れってのも説得力に欠けています。

とはいえ、ホンメに扮するハン・イェリの
「美女ではない」ところが魅力的だったりするのです。
意志が強くて、どこか知性的。
ドンシクをリードするお姉様的エロさもあります。
あーそうか。ドンシクは船を飛び移る瞬間に
ホンメの魅力を感じとっていたのかー。そうかそうか。

本作のモデルになっている「テチャン号事件」と同様に
機関室に隠れていたホンメを除いて、
漁槽に隠された密航者たちはフロンガス中毒で全員死亡。
証拠隠滅のため、カン船長率いる乗組員たちは
魚が寄って来やすいように死体をナタで切り刻み、
海に遺棄してしまいます。

そして、乗組員たちは徐々に狂い始め……るんですが、
このあたりにもやっぱりじわじわ感はなく、
みな急激にトチ狂っていきます。

良心の呵責に耐えかねた機関長(ムン・ソングン)
精神崩壊するのはわからないでもないけれど、
色キチガイを加速させる船員とか、
真面目なのかふざけているのかよくわかりません。
船に狂気が蔓延するなか、
ドンシクとホンメは互いを求め合い、エッチ……

するかな〜? この状況で。

ものすご〜く感動を煽る劇判が耳につきましたが
ドンシクとの格闘の末、カン船長は海のもくずに。
船から脱出したドンシクとホンメは浜辺に流れ着きましたが
ドンシクが眼を覚ますとホンメは消えていたのでした。

で、完全に蛇足だと思われる「6年後」。
船を下りて陸で働くドンシクが入った食堂で
ホンメと思しき子ども連れの女性と出会います。
もしかして、あの子どもはドンシクの子どもかしらん。

最終的に、ドンシクとホンメの悲恋に重心が置かれたためか、
狂気が渦巻く密室劇としては物足りなさが残りましたが
一定の満足感はあるっちゃありますよ。





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