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指名手配〜ホワイティー容疑者を捕まえろ

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(原題:Whitey: United States of America v. James J. Bulger 2014年・アメリカ 86分)
監督/ジョー・バーリンジャー
出演/ジェームズ・ジョセフ・バルジャー

■概要とあらすじ
ドキュメンタリー作家として定評のあるジョー・バーリンジャーがサウス・ボストンを暴力で支配したギャングのボスに挑む。2013年の裁判は全米に衝撃を与えた。(Netflixより



みんな同じ穴のムジナなのね

ジョニデが意気揚々とハゲヅラをかぶって
ジェームズ “ホワイティ” バルジャーを演じた『ブラック・スキャンダル』の
現実の物語を追ったドキュメンタリー、
『指名手配〜ホワイティー容疑者を捕まえろ』がNetflixにあったので
観てみましたさ。

本作は、ジェームズ・バルジャーが
16年に及ぶ逃亡の末に逮捕され、
いよいよ裁判が開かれる
というところから始まります。
『ブラック・スキャンダル』で描かれていた
さまざまな人間関係および事実関係が
史実に即していたことがよくわかります。
『ブラック・スキャンダル』は
本作で描かれる事実を知らなくとも楽しめる
(というと語弊があるかもしれないが)
クライム・サスペンスに仕上がっているのですが
本作を観れば、その実情がより克明に理解できるでしょう。
言うまでもなく、ドキュメンタリーだから
真実を率直に映し出しているなどとは思いませんが。

事実を基にしたフィクションである『ブラック・スキャンダル』が
バルジャーの凶悪なキャラクターを中心に
彼にまつわる人物たちを描写していたのに対し、
本作はまず、被害者の遺族にフォーカスしています。
最初に登場するのは、
サウス・ボストン=サウシーの酒屋の店主。
バルジャーとその子分のウィークスに恐喝された経験を語ります。
また、バルジャーによって家族を殺されたという人々が登場します。

バルジャーは、とにかく気に入らない人間を殺して
問題を解決する男で、
マフィア同士のいざこざならさもありなんで済むところですが、
『ブラック・スキャンダル』でも描かれていた
マイアミのイザコザからひとり離脱した男が殺されるシーンで
その男を車に乗せたのはマフィアでもなんでもなく、
近所の顔見知りで、
たまたまその男と一緒にいたからバルジャーに殺された……

という事実を知るとなんとも沈鬱な気分になります。

『ブラック・スキャンダル』では、
バルジャーと幼なじみでFBIのコナリーの
出世欲にかられた卑小さがクローズアップされていて、
それは確かに間違いないのですが、
本作を観ると、コナリー個人の暴走というより、
当時のFBI全体にも問題があったことがわかってきます。

当時のFBIは、マフィアの存在自体を否定していたところ、
マフィアの一人が司法取引によってマフィアの存在を認めたため、
名誉挽回に躍起になっていたようなのです。
だからこそ、イタリアン・マフィアを摘発すべく、
情報提供者を必要としていたところに、
コナリーがそんならと私欲を交えて乗っかった、というのが
背景にあるようです。

そんなわけで、イタリアン・マフィアを駆逐するために
「小物」のバルジャーに目を付けたのですが
バルジャーはちっとも「小物」じゃなかったのでした。
要するに本作は、バルジャーがいかに凶悪な悪党なのかを描くよりも、
バルジャーの犯罪を黙認&増長させたFBIの腐った体質
告発するという側面が強くなっています。

ま、結論を言ってしまうと
FBIも警察もマフィアも同じ穴のむじなであって、
どれが正しいとかいう存在ではないわけです。
あくまでこの世は覇権争いでしかなく、
仮にFBIや警察ではなく、マフィアが現実を牛耳っていたとしても
どこからも文句が聞こえず、
なんとなくバランスが取れてさえいれば
国家権力だろうが、マフィアだろうが
どちらでもいいのではないでしょうか。

もちろん、いつも肩身の狭い思いをするのは
いかなる権力も持たない一般市民なのですが。





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