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愛と誠

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(2012年/日本 134分)
監督/三池崇史 製作/池田宏之、藤岡修、遠藤茂行、平城隆司、奥野敏聡、阿佐美弘恭、木下直哉、伊藤秀裕、堀義貴 原作/梶原一騎、ながやす巧 脚本/宅間孝行 撮影/北信康 照明/渡部嘉 録音/中村淳 美術/林田裕至 装飾/坂本明 編集/山下健治 音響効果/柴崎憲治 音楽/小林武史
出演/妻夫木聡、武井咲、斎藤工、大野いと、安藤サクラ、前田健、加藤清史郎、一青窈、余貴美子、伊原剛、市村正親

概要とあらすじ
1970年代に人気を博し、西城秀樹主演で映画化もされた梶原一騎原作の同名コミックを、「十三人の刺客」「クローズZERO」の三池崇史監督のメガホンで新たに映画化。主演は妻夫木聡と武井咲。1972年の新宿。良家の令嬢・早乙女愛は、幼い頃に危機を助けられた少年・太賀誠と運命的な再会を果たす。札付きの不良となっていた誠を更正させようと献身的に尽くす愛は、誠の後を追って不良の掃き溜めといわれる花園実業に転入。誠が心を通わせていく由紀や、愛を追いかけて花園にやってきた優等生の岩清水、スケバングループのガムコら、それぞれの思いが交錯し、やがて学校全体を巻き込んだ大乱闘へと発展していく。(映画.comより



狂気はやがて愛となる(かも)

いやぁ、さすがにこれは観なくてもいいだろうと思っていた
『愛と誠』を試しにちょいと観てみたら、
ゲロ吐きながらババちびるほどの傑作じゃありませんか。
本作を観ないで過ごした数年間を無意味に感じます。

原作マンガの『愛と誠』は読んだことはあるものの、
金持ちお嬢とどん底不良の格差恋愛ということ以外、
200%覚えておりません。

オープニングとエンディングで挿入される
FLASH的チープ感ありありなアニメはさておき、
(あのチープさがいいんだけど)
なんちゃってミュージカル・シーンが
これほどまでにグっとくるとは思いませんでした。
誠(妻夫木聡)が謳い踊るのが
かつての実写版『愛と誠」の誠役である西城秀樹のナンバーなのは
そりゃあやっぱりオマージュってことでしょうが、
ほかの曲に関しても、基本的にフルコーラスってのが
あきれながら感心するところ。

妻夫木聡は、おまえいくつになるまで高校生演るの? という
誰もが感じる違和感をフィクションに変え、
妻夫木聡のさらに上を行く
伊原剛志という正真正銘のおっさんを
「おっさんに見える病」の高校生役に抜擢することで
妻夫木聡が高校生なのはむしろ当然な感じを漂わせるあたり、
馬鹿馬鹿しくも見事です。

ガリ勉役を演じる斎藤工を除けば
(「眼鏡を笑うものは、眼鏡に泣く!」には笑ったけど
 ちょっとイケメンすぎる気が)
本作のキャスティングは見事と言うほかなく、
早乙女愛に扮する武井咲のいかにも育ちの良さそうな、
しかも他を省みない堂々としたお嬢様感は
代わりになる女優がいるとは思えません。
イオンのお客様感謝デーをお知らせするかのごとく、
ごりごりの積極性で誠への無私の愛を喧伝する早乙女愛
オールマイティ・カードである「愛」の
(それは正義と言い換えてもいいかもしれないけれど)
ある種、傲慢さを伴う純粋さを表現するに
あまりある出来映えでした。

基本的にコメディと思われる本作は
セリフによるボケと突っ込み的な掛け合いも多く見られますが
そのような笑わせにかかる演出がことごとく寒々しい結果に
終わってしまうことが多いのに反して、
本作ではことごとく素直に笑えます。
これはなぜかといいますと、
登場人物たちが基本的に大まじめだからです。
コメディにおいて、ふざけ方が不真面目な場合、
ちっとも笑いにつながらないものです。

安藤サクラがとてもとてもタイプな僕としては
彼女がブス役として登場するのは許容しがたいものがありますが
この役も彼女でしか担えない役でしょう。
逆さづりにされて、パンツ丸出しみたいな演技って
ほかに誰ができるでしょうか。

あとは、余貴美子
さすがに年を重ねて老けましたが、やっぱり色っぽい美人だなと感じます。
余貴美子は誠の母親ですが
自暴自棄な生き方ゆえ、誠への愛が足りず、
ま、そのせいで誠はグレてしまったわけです。
前編を通して馬鹿馬鹿しい展開が続くなか、
母と誠が、線路の上で死ぬの死なないのと言いながら
抱き合うシーン
は思いがけず感動してしまい、落涙。
妙にグッとくるシーンでした。

大乱闘シーンのあと、
フラフラと歩く誠を後ろから包丁で刺すのが
学校の先生(前田健)というのも唐突かつ皮肉です。
これが致命傷となって誠は死ぬ(?)ことになるのですが
「誠」を殺すのが敵対する不良たちではないのは、
もしかしたら、学校の先生が象徴する
管理社会システムに対するアンチなのかもしれません。

誠が瀕死の重傷を負っているとは知らず、
見舞いに来てくれたことに感激して、
誠を抱きしめる早乙女愛の至福の表情に
たとえ歪でも決してブレない愛の強さを見たような気がします。
早乙女愛の「無私の愛」に狂気をはらんだ高貴さを感じました。

なんとなく、褒めすぎたような気がしないでもありませんが
少なく見積もっても、これは傑作です。





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