" />

ブリッジ・オブ・スパイ

ill626.jpg



(原題:Bridge of Spies 2015年/アメリカ 142分)
監督/スティーブン・スピルバーグ 製作/スティーブン・スピルバーグ、マーク・プラット、クリスティ・マコスコ・クリーガー 脚本/マット・シャルマン、イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン 撮影/ヤヌス・カミンスキー 美術/アダム・ストックハウゼン 衣装/カシア・ワリッカ=メイモン 編集/マイケル・カーン 音楽/トーマス・ニューマン
出演/トム・ハンクス、マーク・ライランス、スコット・シェパード、エイミー・ライアン、セバスチャン・コッホ、アラン・アルダ、オースティン・ストウェル、ミハイル・ゴアボイ、ウィル・ロジャース

概要とあらすじ
スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演、ジョエル&イーサン・コーエン脚本と、いずれもアカデミー賞受賞歴のあるハリウッド最高峰の才能が結集し、1950~60年代の米ソ冷戦下で起こった実話を描いたサスペンスドラマ。保険の分野で着実にキャリアを積み重ねてきた弁護士ジェームズ・ドノバンは、ソ連のスパイとしてFBIに逮捕されたルドルフ・アベルの弁護を依頼される。敵国の人間を弁護することに周囲から非難を浴びせられても、弁護士としての職務を果たそうとするドノバンと、祖国への忠義を貫くアベル。2人の間には、次第に互いに対する理解や尊敬の念が芽生えていく。死刑が確実と思われたアベルは、ドノバンの弁護で懲役30年となり、裁判は終わるが、それから5年後、ソ連を偵察飛行中だったアメリカ人パイロットのフランシス・ゲイリー・パワーズが、ソ連に捕らえられる事態が発生。両国はアベルとパワーズの交換を画策し、ドノバンはその交渉役という大役を任じられる。(映画.comより



大いなる建前、損得を制す

「真顔」のスピルバーグ監督による
『ブリッジ・オブ・スパイ』
あまりにも堂々と「よきこと」が描かれているような気がして
正直乗り気ではありませんでした。
そんなわけで、これまでのスピルバーグの真顔作品も
ちゃんと観ていないのですが
いつまでもそんなことではいかんだとう、と。
首チョンパやエロシーンがない映画も観なきゃならんだろう、と。
いい年なんだから。

逮捕されたソ連のスパイ、
ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)の弁護に駆り出された
弁護士ジェームズ・ドノバン(トム・ハンクス)
もともと実直な男だったのかわかりませんが
憲法原理主義とでもいうようなシンプルさで
スパイであるアベルの人権を守るために尽力します。
あくまでドノバンは根源的な人権を擁護しようとしていたはずですが
アベルの死刑を望む多くのアメリカ人の反撥に耐えながら、
「特別な事例だから」と司法をないがしろにする判事を
説き伏せるときには、
「アベルを生かしておいたほうが国益になる」
損得勘定に還元して交渉するところが巧みです。

「悪人をかばうやつは悪人」という
短絡的な排外主義に陥った多くのバカどもは
アベルを弁護するドノバンを攻撃し始めます。
用があるなら普通に話しかければいいのに、
サスペンス満載で後を付けてきたCIAの男が
「アベルはアメリカ人じゃないんだから、
 アメリカの法律で守る必要はない」てなことをいうと、
「君はドイツ系、僕はアイルランド系。
 我々がアメリカ人なのは法律で認められたおかげだよ」

ドノバンが返すシーンは痛快です。

アベルの飄々としたキャラクターも魅力的でしたが
それだけに腹が据わった怖さも漂います。

「U-2撃墜事件」と呼ばれるアメリカ偵察機の墜落によって
パワーズ(オースティン・ストウェルフ)
ソ連の捕虜になり、
アベルとパワーズの交換を目的とした交渉が始まり、
ドノバンの主張が正しかったことが証明されたわけですが、
国同士が交渉すると、
スパイを送り込んでいたことを証明することになるから
ドノバン、民間人としておまえがやれ、と。
しっかりやれ、と。
頭がおかしいんでしょうね、国家って。

さらには、ベルリンの壁を建設中に
東ベルリンに入っていたアメリカ人学生
プライヤー(ウィル・ロジャース)が囚われて
話がさらにややこしくなるのですが
本作で描かれるベルリンの壁が建設させるシーン
性急さというか粗雑さが恐ろしいですね。
「乗り越えられない壁」なんて比喩的表現がありますが
ベルリンの壁は比喩的表現の具体化であって
「二人のあいだには溝がある」からって本当に溝を掘ったり、
「燃えるような熱い想い」だからって体に火を付けるような、
抽象が現実を凌駕したいびつさがあるのではないでしょうか。

結果的に、ドノバンはアベルひとりに対して
ソ連のパワーズと東ベルリンのプライヤーのふたりを交換する
という
超難題をクリアして見せました。
ドノバンが人道的な考えから行動していたのは確かですが
先にもいったように、交渉においては
相手に利益をもたらすことを手段にしています。
交渉術としては見事ですが、
結局、損得勘定でしかひとは動かないのかと思うと
ちょっぴりやるせない気分に……
また、自爆装置を装備した偵察機で
毒針を仕込んだコインをパイロットに渡していたアメリカ国家が
パワーズ奪還を図るのは
国民の生命を守るためなどではなく、
パワーズが持っていた情報を守るためなのは明らかで、
改めて、国家ってなんなのよと思わざるを得ません。

偵察機の墜落シーンを除けば
本当に地味〜な映画です。
いろんなところで言われていることですが
ときおり登場するコメディセンスは
やっぱりコーエン兄弟の力量によるところが
大きいのでしょうか。
ま、どう考えても、
本作におけるアメリカとソ連の国どうしのやり取りは
お粗末かつ滑稽なので
それを揶揄する意味でもコミカルなシーンは効果的でした。

近頃、我が国の政府も
憲法ガン無視で好き放題やっていますが
理想的もしくは牧歌的理念のような大いなる建前が
人間がケモノにならないための
抑止力にあるってことはあると思いますよ。





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

広告掲載のお問合せ

なぜ犬は尻尾を振るのか。  
運営者様

突然のご連絡失礼致します。
初めまして、アドバンスエッジ広告担当の朝倉と申します。

弊社はインターネット広告案件を主に扱っている、広告代理店でございます。

今回は、新規ポップアンダー案件の提案がありご連絡致しました。
下記、ゲームポップ案件の詳細を記載致します。
===========================
【案件名 】ゲーム案件
【保証形態】CPM保証
【単価  】270円/CPM固定
【備考  】同一端末(cookie)に対して12時間以内は広告を表示させません。
※同一端末(cookie)に同じ広告が連続で出ないようになっております。
【参考サイト】http://ghoul.tonblo.com/
※アダルト・非アダルトのどちらで掲載して頂いてもOK
※OCTOPUSシステムとの併用もOK
===========================
■10万PVの予想収益
100,000×50%(CTR)×0.27(CPC)=13,500円/日
13,500円×30日=約400,000円/月

一度ご検討して頂きご返信して頂けますと幸いです。

以上、用件のみで誠に恐縮ではございますが
今後とも、何卒宜しくお願い致します。

2016/02/22 (月) 13:44:11 | URL | 朝倉 #- [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ