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ブラック・スキャンダル

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(原題:Black Mass 2015年/アメリカ 123分)
監督/スコット・クーパー 製作/ジョン・レッシャー、ブライアン・オリバー、スコット・クーパー、パトリック・マコーミック、タイラー・トンプソン 原作/ディック・レイア、ジェラード・オニール 脚本/マーク・マルーク、ジェズ・バターワース 撮影/マサノブ・タカヤナギ 美術/ステファニア・セラ 編集/デビッド・ローゼンブルーム 音楽/トム・ホルケンボルフ
出演/ジョニー・デップ、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ、ロリー・コクレイン、ジェシー・プレモンス、デビッド・ハーバー、ダコタ・ジョンソン、ジュリアンヌ・ニコルソン、ケビン・ベーコン、コリー・ストール、ピーター・サースガード、アダム・スコット、ジュノー・テンプル、ジェレミー・ストロング、ブラッド・カーター、W・アール・ブラウン

概要とあらすじ
ジョニー・デップがFBI史上最高の懸賞金をかけられた実在の凶悪犯ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを演じたクライムドラマ。1970年代、サウス・ボストン。FBI捜査官コナリーはアイルランド系マフィアのボスであるホワイティに、共通の敵であるイタリア系マフィアを協力して排除しようと持ちかける。しかし歯止めのきかなくなったホワイティは法の網をかいくぐって絶大な権力を握るようになり、ボストンで最も危険なギャングへとのし上がっていく。これまでも作品ごとに全く異なる顔を見せてきたデップが、本作では薄毛オールバックに革ジャン姿で冷酷なギャングを怪演。共演にも「華麗なるギャツビー」のジョエル・エドガートン、「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」のベネディクト・カンバーバッチら豪華キャストがそろう。監督は「クレイジー・ハート」「ファーナス 訣別の朝」のスコット・クーパー。(映画.comより



友達はじっくり選ぼう

実在の犯罪王、
ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー
史実に基づいて描いた『ブラック・スキャンダル』
原題の『Black Mass』とは黒ミサです。

「ジミー」ことジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーに
扮するのはジョニー・デップ
ジョニデの扮装演技はおなじみですが
おそらく、こんなにきれいなハゲになったのは
『ラスベガスをやっつけろ(1998)』以来でしょうか。
本作ではカラー・コンタクトまで入れて
キャラづくりに精進しておられます。
もしかしたらこの変身ぶりは
ふざけすぎて邪魔になるんじゃないだろうかと心配になりますが
ジミーの非人間性を表現するのに
効果を上げているような気もします。
ていうか、ジョニデはこの役を演じることよりも
ハゲヅラをかぶれることを喜んだはずです。(邪推)
脇を固める俳優陣も渋くて豪華です。

まあ、事実に基づく物語には
これ本当にあったのかよ!? といつも驚かされますが
ジミーが「ウィンターヒル」という
アイルランド系アメリカ人のギャングのトップで
ジミーの弟ビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)
州の上院議員を務める有力政治家
幼なじみのジョン・コノリー(ジョエル・エドガートン)
FBI捜査官って……
フィクションだとしたら、あまりにも都合よすぎて白けるほど
恐ろしい組合せなのですが
ほんとにそうなんだから、現実は小説よりなんとやら。

地元サウスボストン=サウシーに赴任してきたジョニーは
真っ先にジミーにコンタクトをとろうとします。
ジミーを情報屋として勧誘し、協力関係を持つことで
自らの出世を果たそうとしていたのは間違いありませんが
ジョンのジミーに対する執着は
どうもそれだけではなさそうです。
幼いころ、ジミーに助けられたことがあるというジョンは
ジミーに対してある種の憧れすら抱いていたのではないでしょうか。
ジョンがお調子者であることが随所に現れていましたが
ジョンはもともと子分体質なのでしょう。

司法取引をしたジミーの仲間たちの証言を
再現するかたちで進む本作は
冒頭でウィークス(ジェシー・プレモンス)
「これは密告じゃないということを記録してくれ」と念を押すように
仲間=家族に対する忠誠心こそがもっとも重要で
裏切りに対する嫌悪感は尋常ではありません。

ウィークスが語る
「サウシーのガキどもは悪党と警官ごっこで育ち、
 大人になっても同じだ。
 しかも、悪党と警官の区別がつかない」

とは、本作のほぼすべてを物語っています。

ジェンナーロ・アンジューロ率いる
イタリアン・マフィア「コーサ・ノストラ」を壊滅すべく、
ジョンとジミーは手を組んだのですが
FBIが悪事を大目に見るかわりにジミーが情報を流すはずが
ジミーはまったくFBIの役に立つ情報を持ってこないのでした。
アンジューロのアジトの場所こそ、ジミーからの情報でしたが
それ以外はほかの情報屋から仕入れた情報を
ジミーからのものとしてジョンがせっせと捏造していたのでした。
ジョンとジミーでは役者が何枚も違うのです。

同族意識を基盤としたファミリーとは別に
ジョンやジミーの本当の家族が対照的に描かれているのは
好印象でした。
それぞれ、妻との関係は崩壊していきますが、
同族意識を基盤としたファミリーが
しがらみによって切りたくても切れない関係であることと
信頼関係を損なえば別れが訪れる妻との関係は対照的です。

とにかく、信用できないやつは
次々に殺してしまうジミー。

しかも、自分で殺すから凶悪極まりない。
(後始末は子分にやらせるけども)
マフィア映画ではよくあるシーンですが
食事中、ジミーがFBI捜査官に対して
ステーキのレシピを聞くシーンは最悪です。
「家族の秘密だから教えられないな〜」と答えると
「いいじゃないか、教えてくれよ」としつこいので
「おろしたニンニクと醤油だよ」と答えたら、
(↑失念していましたが、ヒサゴリオンさんに教えていただきました)
「なんだ、お前はそんなに簡単に家族の秘密をバラすのか」
とくるわけです。
どう答えるのが正解なのか、さっぱりわかりません。

意外にも出番が少なく、
悪徳政治家というほどの悪党ではなかった弟ビリー。
善人と言い切れるほどではありませんが
ビリーにとって犯罪王ジミーは
やっぱり目の上のたんこぶだったのではないでしょうか。
さりとて、この兄弟はともに
人心掌握術に長けていたのではないでしょう。

まったく能力を発揮するベクトルは正反対だけれども。
(いや、もしかしたら同じかもしれないけれど)

終盤で二人の記者が登場しますが、
あの二人は本作の原作の
『密告者のゲーム FBIとマフィア、禁断の密約』を書いた
ディック・レイアジェラード・オニールでしょうか。

結局、ジミーに関わった人々は
投獄されたり、立場を失墜したりしました。
当の本人はといえば、16年間も姿を消し、
見つかったときには80歳を越えていた
とか。

友達はじっくり選びたいものですね。





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