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空中庭園

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(2005年/日本 114分)
監督・脚本/豊田利晃 原作/角田光代 企画/孫家邦、森恭一 プロデューサー/菊地美世志 撮影/藤澤順一 美術/原田満生 音楽/ZAK 編集/日下部元幸 衣装デザイン/宮本まさ江
出演/小泉今日子、板尾創路、鈴木杏、広田雅裕、國村隼、瑛太、勝地涼、ソニン、永作博美、大楠道代

概要とあらすじ
隠し事をしないと言うルールの下で暮らす家族の、崩壊と再生を描いたブラック・コメディ。監督は「ナイン・ソウルズ」の豊田利晃。角田光代原作の同名小説を基に、豊田監督自身が脚色。撮影を「2/2」の藤澤順一が担当している。主演は、「照明熊谷学校」の小泉今日子と「ワースト☆コンタクト」の板尾創路、「春の雪」の大楠道代、「頭文字D THE MOVIE」(アンドリュー・ラウ、アラン・マック監督作)の鈴木杏、映画初出演の広田雅裕、「あゝ!一軒家プロレス」のソニン。第79回本誌日本映画ベスト・テン第9位、第48回ブルーリボン賞主演女優賞(小泉今日子)受賞、第27回ヨコハマ映画祭2005年度日本映画ベストテン第8位、第18回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞(小泉今日子)受賞作品。(映画.comより



先におまえの隠し事がばれてどうする

「何事も包み隠さず、タブーをつくらず、
 できるだけすべてのことを分かち合う。
 それが私たち家族のルール。」

……というナレーションで始まる『空中庭園』

豊田利晃監督は、阪本順治監督作品で脚本を手がけていたそうですが
メガホンを取った本作の公開直前に
覚せい剤取締法違反で逮捕されて公開が危ぶまれた、というのは
先におまえの隠し事がばれてどうするという意味で
かなり恥ずかしいですね。ハズいね。
あ、でも、炎上商法としてはこれでいいのか? 宣伝としては最適なのか?
むしろ狙ってたのか? どうなんだ、おい。

ナレーションの声の主、絵里子(小泉今日子)
いそいそと朝食の支度をしていると、
わらわらと食卓に集まってくる家族たち。
長女のマナ(鈴木杏)がおはよーついでに
「ねえねえ、パパとママが私を仕込んだのってどこ?」と聞いてくること自体、
完全に狂った家族としかいいようがありませんが
かようにこの家族はなんでもあけすけに話すというわけです。
隠し事がないというのは悪いことではありませんが、
時と場所を選ばないというのは、あまり褒められたことではありません。

『空中庭園』というタイトルに準じて
地に足のついていない浮遊感を演出するためか、
本作はやたらとカメラが揺れたり、ぐるぐる回ったりします。
そういう演出自体は、まぁ構わないのですが
どれもこれも、これみよがしで邪魔ですらあるのです。
しかも、突然ホラーのような演出になったり、
細かいカットでアクションを見せたりと、
一貫性のなさにうろたえます。
紹介文によると本作はブラックコメディだそうですが、
笑わしにかかっていると思えるシーンは一切ない
ので
なおさら混乱するのです。

最初に「何事も包み隠さず……」というからには、
当然、じつは包み隠していたものが露見していくわけですが
京橋家が暮らす「ダンチ」の部屋と
マナ(鈴木杏)が仕込まれ「ずっとここにいたい」といわしめる
ラブホテル「野猿」の部屋番号は同じ609号室なのは
いかにもやっぱりあざとく、
この家族の隠し事がエロ方面だけに偏り
バランスを欠いている原因にもなっています。
原作がどうだか知りませんが、
監督は自分がクスリをやっていることを隠してたんだから
エロ以外の隠し事が存在することを知っていたはずなので、
隠し事にもバリエーションを持たせてほしかったところ。
しかも、「ラブホの部屋には窓がない」ということが
そこが秘め事が行なわれる場所であり、
あきらかに子宮を暗示しているのですが……窓あったし
閉めきられてるだけで。ばばあ(大楠道代)開けたし。

幼少期のキョンキョンが引きこもっていた「ERIKO'S ROOM」と
ダンチの「ERIKO'S GARDEN」の対比も露骨で
むしろ興醒め。
ていうか、本作はこのほかにも
バビロンの空中庭園、クマのぬいぐるみ、誕生日、
チョロキュー、ひきこもり……など
わかりやすくもあからさまなサインだらけ。
はっきり言って、やりすぎです。

キョンキョンが最初に脳内殺人を犯すときや
ぶっちゃけ大会になった誕生日パーティシーンのモザイク処理とか、
フィルタかけました的な映像が安っぽいのも気になりました。
キョンキョンが抱いている幻想が崩壊することを示すには
「ERIKO'S GARDEN」の花が枯れるだけで十分なのに。
終いには血の雨が降ってきます。
キャリーかよ。

このシーンで、キョンキョンに叫ばせているのにもがっかり。
少なくとも叫ぶ声はいらないでしょ。
呪詛をはくときのセリフも「死ねよ」ばっかりでバリエーションがなく、
子供の口げんかのようです。

で、最後にたどり着くのは、
やっぱ家族っていいよねーという
毒にも薬にもならない結末。

むしろこの映画、ひとの日々の営みをバカにしてんじゃないかとすら
感じました。

いくら頭をひねっても、
いいところが浮かんでこない作品でした。





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