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ビースト・オブ・ノー・ネーション

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(原題:Beasts of No Nation 2015年/アメリカ 136分)
監督/キャリー・ジョージ・フクナガ 製作/エイミー・カウフマン、キャリー・ジョージ・フクナガ、ダニエラ・タップリン・ランドバーグ、リバ・マーカー、ダニエル・クラウン、イドリス・エルバ 原作/ウゾディンマ・イワエラ 脚本/キャリー・ジョージ・フクナガ 撮影/キャリー・ジョージ・フクナガ 美術/インバル・ワインバーグ 衣装/ジェニー・イーガン 編集/ミッケル・E・G・ニルソン、ピート・ボドロー 音楽/ダン・ローマー
出演/イドリス・エルバ、エイブラハム・アッター

概要とあらすじ
「闇の列車、光の旅」「ジェーン・エア」などを手がけてきたキャリー・ジョージ・フクナガ監督が、西アフリカの某国を舞台に、内戦によって家族を引き裂かれた少年が、やがて少年兵へと変貌していく過程を描いたドラマ。内戦が勃発したものの、まだ平穏に毎日を過ごすことができていたある日、少年アグーの暮らす村に、反乱軍を弾圧すべく政府軍がやってきたことから、ささやかな日常は崩壊する。アグーは命からがら逃げ出すが、武装集団の指揮官に見つかり、強制的に一味に加えられてしまう。弾薬を運ぶ係として否応なしに戦闘に参加させられたアグーは、いつしか機関銃を掲げる兵士へと変わり、その手を血に染めていく。動画配信サービス「Netflix」が初めて製作したオリジナル映画で、全米劇場公開と同時にNetflixでも配信された。2015年・第28回東京国際映画祭パノラマ部門上映作品。(映画.comより



何のために、誰と戦っているのか

Netflix製作のオリジナル作品
『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
です。
これまでのネット動画配信サービスは
基本的に既存のコンテンツを観ることができる、
ま、気易いレンタルビデオの枠に収まっていたように思いますが、
劇場公開する映画と比べてまったく遜色のないオリジナル作品を
ネットを通じて全世界に同時公開するとなると
これからますます、映画鑑賞の方法が変化していくような気がします。

内戦に巻き込まれて家族を殺された少年が、
生き延びるために反政府ゲリラの一員となり、
やがて心を失ってしまうという本作の物語は
『魔女と呼ばれた少女』の男の子版といった感じ。
主人公アグーを演じたエイブラハム・アッター
演技経験がないのも同じです。

内戦が続く「西アフリカの某国」
中立地帯で暮らすアグーとその家族たち。
アグーは、子どもらしくバカなことをやって遊んでいますが
学校で習った英語をマスターしています。
元教師の父親は自分の土地を解放して
難民を受け入れるような慈善家であり、
この家族の教育的水準は決して低くないと思われます。
また、家族は敬虔なクリスチャンでもあります。

ところが暫定政権が立ち上がり、国内は混乱状態に。
中立地帯のはずの街にも軍隊が押し寄せます。
母親と幼い弟が避難して離ればなれになったあと、
市街で繰り広げられる無差別な銃撃シーン
手に汗握る恐ろしさ。
あたりまえだけど、銃弾ってさ、
ちょっとかすっただけでも大怪我になるよな……

ついに軍に捕らえられた家族が
無実を訴えているところに現れたのが近所のキチガイばばあ。
日頃から、呪いだの陰謀だのといっているようなばあさんです。
(こういう人、リアルにいる)
このばあさんがいつものように
「あああ〜、こいつらはスパイよ〜!」と言ったおかげで
父親は銃殺。

かろうじて逃げ出したアグーと兄でしたが
兄も殺されてしまいます。

たったひとりになったアグーがジャングルの中を彷徨っていると
NDFと名乗る反政府ゲリラが現れ、
脅されたアグーに選択の余地もなく、
ゲリラの一員となるのです。
国連軍、政府軍、反政府ゲリラの三つ巴の戦闘が繰り広げられますが、
正直にいうと、このあたりから
彼らは一体何を目的として、誰と戦っているのか
わからなくなってきました。

それぞれがそれぞれの正義に基づいて行動し、
敵対者を殺戮する大義があると考えている状況では
とにかく目の前の敵を殺すほかに生きる術はなく、
闘いに勝つにしろ負けるにしろ、
いい結果がもたらされるとは思えないのです。

子どもを集め、お山の大将として君臨していたコマンダー(司令官)
所詮は、クソみたいな大人のコマでしかなく、
なおさら戦闘の無益さを際立たせます。

アグーを演じるエイブラハム・アッターも熱演でしたが
本作のナイスキャラはストライカという、
アグーと年齢が変わらない少年。
ちょっとイウォークちっくな風貌のストライカは
(おそらく衝撃的な体験によって)言葉を喋りませんが
近づいたり離れたりするアグーとの関係を見事に表現し、
独特の表情やややずまいが魅力的でした。

コンゴ共和国を舞台にした『魔女と呼ばれた少女』
ヒロインが辿ることになる凄惨な人生だけでなく、
コンゴ共和国の産業や国が置かれている状況など
具体的なディティールが背景に描かれていましたが、
本作の舞台は「西アフリカの某国」という設定で、
(あきらかにモデルとした地域はあるはずですが)
幾分物語の膨らみに欠けるような気がしましたが
十分に見応えのある作品です。





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