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ヒステリア

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(原題:Hysteria 2011年/イギリス・フランス・ドイツ合作 100分)
監督/ターニャ・ウェクスラー 脚本/スティーブン・ダイヤー、ジョナー・リサ・ダイヤー 撮影/ショーン・ボビット 美術/ソフィー・ベッヒャー 衣裳/ニック・イード
出演/マギー・ギレンホール、ヒュー・ダンシー、ジョナサン・プライス、フェリシティ・ジョーンズ、ルパート・エベレット

概要とあらすじ
「大人のおもちゃ」として広く愛用されている電動バイブレーターの知られざる誕生秘話を描いたドラマ。第2次産業革命真っ只中の19世紀ロンドンで、若き美男子医師のモーティマー・グランビルが、女性たちを悩ませるヒステリーを治療する医療用電気器具として世界初の電動バイブレーターを開発した逸話を、軽快なテンポで描き出していく。主演は「クレイジー・ハート」のマギー・ギレンホールと「お買い物中毒な私!」のヒュー・ダンシー。(映画.comより)



加藤鷹って、元気かな?

ぼかぁ、かねがね疑問に思っていることがございましてね。
セックスやオナニーの話を、男性はわりと平気でするもんですが
女性はあまり積極的には話したがりません。
なんででしょう?
おそらく女性は、セックスに関する話を出し惜しみすることで
自分のメスとしての商品価値に対する男性の判断を
できるかぎり長期間先送りにし、
ぎりぎりまで価格をつり上げる市場原理に基づいた
自己防衛本能によって
自らの口を硬く閉ざしているのではないか!
という暫定的な結論で自分を納得させているのですが
ちょっとした下ネタでも眉をしかめていた女性が
妊娠した途端に、はちきれんばかりの腹を突き出して
中出しセックスを公衆の面前でアピールし、
勝ち誇った表情で街を闊歩するというのは、一体どうゆうことか!
解せぬ! 解せぬぞ!
(いろんなとこから矢が飛んできそうなのでこのへんにして)
ま、女性が下ネタをあんまり明け透けに話すのも
それはそれで、男はつまらなかったりするもんです。
(じゃあ問題ないがな)

しかし、電動バイブがこんなふうに生まれたとは驚きです。
19世紀のロンドンでは、女性特有の病気「ヒステリー」
治療するために陰部をマッサージしていたのです。
いわゆる「手マン」ですな。
ヒステリーと診断される症状は
①すぐに泣く、②異常性欲、③不感症、④鬱病、⑤心配性
とされていたそうですが
これらが、なんで陰部をマッサージすると治るのかわかりません。
わはは! ま、この時代は細菌の存在も認められておらず
患者の包帯も不潔なままで放置されていたそうですから
このくらいの勘違いがあっても不思議ではありません。
なにしろ実話を元にしているのでしかたがない。

そんなヒステリー治療のエキスパートである
医師ダリンプル(ジョナサン・プライス=未来世紀ブラジル!)の元に
若き医師モーティマー(ヒュー・ダンシー)が弟子入り。
腕も頭もいいイケメン医師モーティマーが入ったことで
治療院にはヒステリーの症状を抱える女性たちが
列を成して訪れるようになるのです。
とはいえ、やってることは「手マン」なわけで
治療院とはいえ、完全に「女性版ヘルス」です。

性的なマッサージを目的とした女性たちが
嬉々として治療院に足を運ぶ姿は
性に対して現代よりもむしろオープンなように見えます。
『ヒステリア』の舞台となっている時代は
産業革命真っ只中で、古い因習と新しい価値観が
火花を散らしていた時代だと思われ、
女性には参政権すらなかったようですから
当時の社会が女性の性に対してオープンだったとは考えにくいでしょう。
こんな題材の作品なのに「エクスタシー」という言葉も登場しませんし、
おそらく「イク」を意味する言葉も「痙攣する」と表現していることから
むしろ「女性の性欲」なんてものがよく理解されていなかったからこそ
恥ずかしがることもなく治療院に足繁く通えたんじゃないか?
と推測してみますが、どうでしょう。

治療を施すダリンプルとモーティマー(ふたりはもちろん男)のほうも
鼻の下を伸ばしたり、拒否反応を示したりすることはありません。
でもねぇ、ヤルことはヤってたはずですからねぇ……
ちょっと不思議。

治療院が、行列の出来る「女性版ヘルス」となったおかげで
モーティマーの右手はイカレてしまいます。
腱鞘炎になるわけです。手マンのやりすぎで。
モーティマーは右手がイカレるほど頑張って手マンしたにも拘わらず
たった一度の失敗でクビにされてしまうのです。
ダリンプルの娘エミリー(フェリシティ・ジョーンズ)との
婚約まで破棄されてしまう哀れなモーティマー……
「手マンはモーティマーせん!」なんてことは言っティマーせん。

そして、ついに!
機械いじりが大好きな金持ちでモーティマーの盟友、
エドモント(ルパート・エベレット)が開発中だった
「電動ホコリ払い機」をいじっていたモーティマーがひらめき、
「電動マッサージ機」を思いつくのです!
これで手マンともおさらばです! おめでとうモーティマー!

僕が『ヒステリア』を観に行ったヒューマントラスト渋谷では
当時の電動マッサージ機の実物が展示されていたので
映画館スタッフの許可を得て、撮影させてもらいました。
こんなかんじ。

hysteria_img01.jpg
hysteria_img02.jpg

まさにマシンといった印象……無骨です。
そして2013年、現代の「電動マッサージ機」はこちら。

hysteria_img-iroha.jpg

うーん、これぞ洗練。
いやらしさに対して完全にしらばっくれるスタイリッシュな造形。
ちなみに映画とタイアップしているご様子。

有害サイトに指定されそうなほど下ネタに夢中で
大事なことをすっかり忘れていましたが、
モーティマーが婚約していたエミリーには
シャーロット(マギー・ギレンホール)という姉がいて
女性の権利を獲得し、古い因習にまみれた社会を変革するべく
地道な社会活動をしています。
シャーロットの活動は急進的で次々にトラブルを巻き起こし、
父親であるダリンプルからも疎ましく思われているのですが
シャーロット自身も自分の信じる正義に反する相手に対して
即座に否定するような強硬な態度を見せるのです。

もともと、最先端の科学的思考を尊重するモーティマーは
シャーロットの振る舞いに困惑しながらも
徐々に惹かれていくのです……ということなんですが
その「徐々に惹かれていく」感じが
いまひとつ表現できているとは思えず、
モーティマーがシャーロットに対して
思想的な敬意を払っているのはわかるものの
その敬意がどのように愛情へと変わるのかが
描かれているとは言い難いのです。
あらかたの予想通り、ふたりは最後で結ばれるのですが
シャーロットのモーティマーに対する心の動きも
いまひとつ掴めず、物語的にないがしろにされた感は否めません。

そんな、惜しいところもありながら
当時を再現したセットや衣裳は美しく
軽快なコメディとして観れば、よろしいんじゃないかと。







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