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DEAD OR ALIVE 犯罪者

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(1999年/日本 105分)
監督/三池崇史 アクション監督/辻井啓司 脚本/龍一朗 脚本協力/橋本浩介、東龍志 製作/黒澤満、土川勉 撮影/山本英夫 美術/石毛朗 音楽/遠藤浩二 録音/沼田和夫 照明/高屋齋 編集/島村泰司 特殊効果/鳴海聡、船橋誠、鈴木豊 CGI/デジタル遊戯団
出演/哀川翔、竹内力、柏谷みちすけ、石橋蓮司、寺島進、ダンカン、小沢仁志、甲賀瑞穂、山口祥行、やべきょうすけ、杉田かおる、倉沢桃子、鶴見辰吾、本田博太郎、平泉成、大杉漣、田口トモロ、塩田時敏

概要とあらすじ
欲望の街・歌舞伎町を舞台に、刑事とギャングの壮絶な闘いを描いた活劇アクション。監督は「サラリーマン金太郎」の三池崇史。脚本は「日本黒社会 LEY LINES」の龍一朗。主演は「Nile」の 哀川翔と「難波金融伝 ミナミの帝王劇場版PART8 リストラの代償」の竹内力。セックス、金、ドラッグ、暴力…欲望の渦巻く街・歌舞伎町で、チャイニーズ・マフィアのボスとホモのヤクザが殺される事件が発生。単なるヤクザ同士の喧嘩ではないと睨んだ新宿署の刑事・城島は、事件の裏に歌舞伎町支配を狙う若きギャング団の存在を知り、捜査を開始する…(映画.comより抜粋



ラストで爆発する壮大なあっかんべー

とにかく、ラストシーンがとんでもない
『DEAD OR ALIVE 犯罪者』
公開当時のキャッチコピーで
「フツーに生きたいなら、このクライマックスは知らない方がいい。」
っていってるくらいですから、
作っている側も本作のラストシーンがフツーじゃないという
自覚はあるんでしょう。

ヤンキー座りの哀川翔と竹内力が
「1、2、1・2・3・4。」と
カウントして始まるオープニング
からして
ふざけたメタな構造になっています。
激しい音楽にのせた激しい編集で
舞台となる歌舞伎町が、欲望が渦巻くシン・シティだということを
小気味よく表現していきます。
Vシネマ的オールスターキャストといってもいいほど
出演者はある意味豪華な顔ぶれで、
大杉漣はオープニングでさっさと殺されてしまうほど贅沢。

このオープニングも、いろいろとふざけているのですが
中国マフィアが殺された現場に到着した城島刑事(哀川翔)
被害者が死に際に大量に吐いた麺を箸でつまみ上げ、
「スーチールーバン麺か‥‥。チャン・ファンケンに間違いない」
というあたりで、
やっぱりふざけているね♡ と確信します。

警察と中国マフィア&ヤクザ、
そして中国残留孤児3世の龍一(竹内力)のグループとの
三つ巴の抗争を描く物語は
城島に難病の娘がいたり、
(献身的にみえる妻の杉田かおるもじつは浮気していたり)
龍一には親代わりになっている弟がいたり、
意外にも湿っぽいドラマになっていて、
テンポはスローダウンします。

とはいえ、
龍一たちが訪れる墓地が干潟のような場所だったり、
警察署長の平泉成は、なぜか屋上で笛を手作りしていたり、
情報屋のダンカンが獣姦のエロ本カメラマンだったり、
レイプされたストリッパー(ホステス)が
ウンコまみれで殺され
たり、
要所要所でふざけていて、飽きさせません。
中国マフィアとヤクザのパーティに
「トキくん」という謎の着ぐるみが登場しますが、
あれはその後の銃撃戦でジョン・ウーの鳩の羽根が舞うやつを
やりたかったためじゃないかと邪推します。
厨房に逃げ込んだ本田博太郎が殺される直前に
左手がからっと揚げられるシーンで
卵→パン粉→油と順番に手をつけていくあたりは
とっても律儀です。

哀川翔の、ものすごくウエストの位置が高いスーツの着こなし
気になるポイントですが
そんなことはどうでもいいのです。
城島の部下(寺島進)に弟を殺され、
麻薬の密輸も邪魔されて逆恨みした龍一は
城島を殺すべく、城島の車に爆弾をしかけますが
その車に乗り込んだのは城島の妻と娘。
ふたりを見送る城島の目の前で車が爆発します。

ふたりの葬儀のあと、
なぜか赤い遺灰を握りしめて、怒りと哀しみに震える城島。
目の前に現れた城島をみた龍一は
「いよいよ、ラストシーンってわけか」とつぶやきます。
チキンレースのあと、
(いまでいうなら、『マッドマックス 怒りのデスロード』で
 ウォーボーイズが「Witness me!」と叫びながら
 敵の車に飛びかかるように)
手榴弾を両手にした龍一の子分が自爆攻撃。
舞い上がった城島の車が、間を置いて垂直に落ちてくるカット
ケレン味たっぷり。

それでも生きてる、城島はどっこい生きている。
あの状況でなんで腹をナイフで刺されているのか
さっぱりわかりませんが、
なんとか車から這い出て立ち上がった城島は
負傷した左腕を自らもぎ取ります。
ここで、一回「え?」ってなりますが、まだまだです。
一対一で激しく撃ち合った城島と龍一は
お互いバタッと倒れ込む……かと思いきや、
ふたりとも「ぬお〜〜〜!!」と堪えて持ち直します。

すると、城島は
突然背中からロケットランチャーを取り出し、
龍一に照準を合わせます。
一方、龍一はどくんと強い鼓動を感じたかと思うと
なにやら謎の光る球体を胸から取りだし、
城島に向かって投げつける
のです。
飛んでくる謎の球体目がけて、ロケットランチャーを発射する城島。
どーーん!! びやーーん!!
日本列島、ずがーーん!!
おしまーーい!!


誰もが唖然とするラストシーン。
普段から文句の多い僕ですが
これほどまでに度を超した逸脱には
文句をつけるというよりも、
三池監督がなんでこんなラストシーンにしたのかに興味津々です。

あえて自分なりに考えを巡らせてみると、
ロケットランチャーや謎の球体そのものには
なにかを象徴するような意味はないのではないでしょうか。
あのラストシーンの意図は
映画を観るという行為にあらかじめ含まれている前提を
破壊することではないか
と考えてみます。
映画の構造に慣れ親しんでいる観客は
映画の中には物語世界が存在していて、
起承転結を経て、ラストでなにかしらのかたちで
物語が結実するはずだと予測して観ているし、
ほとんどの映画はそのような前提で作られているでしょう。
そんな、ある種の予定調和ななれ合い、
すでに確立された物語の文法とそれを期待する観客の態度に対する
壮大なあっかんべー
だったような気がします。

理解なんかさせるもんかというわけですから、
理解なんてできるわけないんです。
問題は、それを面白がれるかどうかなんでしょう。





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