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顔のない眼

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(原題:Les Yeux Sans Visage 1959年/フランス・イタリア合作 91分)
監督/ジョルジュ・フランジュ 脚本/ボワロー・ナルスジャック、ジャン・ルドン、クロード・ソーテ 原作/ジャン・ルドン 製作/ピエール・ローラン 撮影/ユージン・シュフタン 音楽/モーリス・ジャール
出演/ピエール・ブラッスール、アリダ・バリ、エディット・スコブ、ジュリエット・メニエル、ベアトリス・アルタリバ、アレクサンダー・リニョオ

概要とあらすじ
今までの怪奇映画とは違い、新聞の三面記事的な事件の設定から、恐怖の本質をつこうとするもの。「白い少女」のジョルジュ・フランジュが、ジャン・ルドンの同名小説にもとづく、ボワロー・ナルスジャック、ジャン・ルドン、クロード・ソーテの共同脚本を監督した。パリに住む皮膚移植手術の権威ジェネシェ博士(ピエール・ブラッスール)には、自動車事故で顔をめちゃめちゃにされた娘クリスチアヌがあった。世間には娘は死んだと偽り、彼は助手のルイーズ(アリダ・ヴァリ)を使って若い娘を誘拐し、その顔の皮膚を娘に移植しようと努力していた……(映画.comより抜粋



醜い「顔」、美しい「仮面」

『顔のない眼』
気になって仕方がなかったのですが
なかなか気軽にレンタルできる状況ではないので……
とうとうBru-rayを買っちゃったじゃねえかよ!!
ってまあ、怒ることじゃないんですが。

本作に興味を持ったのは
レオス・カラックスの『ホーリー・モーターズ(2012)』
リムジンの運転手役として出演したエディット・スコブ
終盤で顔に仮面を着けるシーンが
この『顔のない眼』へのオマージュだと知ったからです。
身銭を切ったかいあって、
Bru-rayのクリアな映像を楽しむことができました。

皮膚移植手術で高名な整形外科医の
ジェネシェ博士(ピエール・ブラッスール)
交通事故で顔がぐちゃぐちゃになった娘、
クリスチアヌ(エディット・スコブ)
美しい顔を取り戻すために
若くて美しい女性をさらっては顔の皮を剥ぎ、
クリスチアヌに移植する
ということを繰り返していますが
なかなか皮膚が安定せず、失敗に終わっています。

おそらく重要なのは、
若くて美しい女性を誘拐するのがジェネシェ博士自身ではなく、
助手で看護婦のルイーズ(アリダ・ヴァリ)だという
悲しい共犯関係なのではないでしょうか。
ルイーズは、傷を隠すために
いつも大きな真珠のネックレスを身につけていて、
彼女もかつて顔の皮膚の移植手術をうけた過去があることも
明かされます。
ルイーズの過剰に献身的な行動からは
ジェネシェ博士に対する恋愛感情も見受けられます。
被害者となった女性の死体を
真夜中にふたりで墓の中に隠すシーンなどは
クリスチアヌそっちのけで
ふたりだけが共有する「秘め事」感が漂っています。
(当然、やってること自体が凶悪犯罪なんだけど)
神様は見ているよといわんばかりに
上空を飛び去る飛行機がシュール。

クリスチアヌの「助清」ちっくな仮面は
まさに「顔のない眼」と表現して然るべきで、
眼だけが以上に生々しく生気を帯びています。
鼻や口の部分があまりにも精巧に作られているので
そのいびつな美しさが際だっています。

50年以上前に作られた作品にもかかわらず、
誘拐した女性の顔の皮膚をはぎ取るシーンは
思いがけずリアルでグロく

当時の観客はさぞかし腰を抜かしたことでしょう。

一度は皮膚移植に成功したかにみえたクリスチアヌが
一応、喜んでいるのを見ると
やっぱり顔が元通りになるのは嬉しかったんでしょう。
それでも移植が失敗に終わり、
自分のために犠牲になった女性がいることを知ると
クリスチアヌの自我が揺らぎ始めます。

父親とルイーズによって守られているはずが
じつは囚われていたと感じ、
または自らも「仮面」に閉じこもっていたと悟った
(であろう)クリスチアヌは
自分と同じように囚われていた犬と鳥を逃がし、
屋敷を去る
のでした。

ひとは見かけじゃない、なんてことを申しますが
他人に自分を認識してもらうための「顔」こそ、
ある意味、自我と呼べるものなのかもしれません。





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