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ミッドナイト・アフター

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(原題:那夜凌晨,我坐上了旺角開往大埔的紅VAN The Midnight After 2014年/香港 121分)
監督・製作総指揮・脚本/フルーツ・チャン 撮影/ラム・ワーチュン 編集/ティン・サムファ
出演/サイモン・ヤム、ウォン・ヤウナム、ジャニス・マン、クララ・ワイ、ラム・シュー、チョイ・ティンヨー、サム・リー

概要とあらすじ
「メイド・イン・ホンコン」「ドリアン ドリアン」のフルーツ・チャン監督が、2002年の「トイレ、どこですか?」以来12年ぶりに香港で長編映画のメガホンをとったサスペンススリラー。17人の客を乗せて夜の香港を走行中の深夜バス。とあるトンネルを抜けたところで、乗客たちは自分たち以外のすべての人間が消えてしまったことに気づく。バスから降り、誰もいない街中をさまよう彼らだったが……。「10人の泥棒たち」のサイモン・ヤム、「ドッグ・バイト・ドッグ」のサム・リー、「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」のラム・シューら実力派俳優たちが、一癖も二癖もある登場人物たちを個性豊かに演じた。2014年・第27回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映作品。(映画.comより



いくらなんでもデタラメ過ぎだろ!

「シッチェス映画祭 ファンタスティックセレクション 2015」
うちの1本、『ミッドナイト・アフター』
フルーツ・チャン監督の作品を観るのは
たぶん初めてです。

大埔(タイポー)といわれても、
そこがどういう場所なのかさっぱり知らないのですが
とにかくそこまで行く深夜バスにたまたま乗り合わせた17人
大埔に到着するころには
街中からひとっこひとり消えていなくなっている、というお話。
予告編も観て、これはSFスリラー的シチュエーションに置かれた
乗客たちによる群像劇が見どころなんだろうと
大変楽しみにして映画館へと足を運びました。

バスが獅子山(ライオン・ロック)トンネルに入ったところで、
乗客の携帯やスマホが外部と繫がらなくなって異変が始まる……
というのは、
携帯やスマホに依存している現代の生活を
揶揄しているのかもしれません。
本来なら一晩中賑やかなはずの大埔がまったく人影がないと知り、
事態の深刻さを感じた乗客はなかなかバスから降りようとせず、
ここから乗客たちによる諍いや、
奇妙な仲間意識が少しずつ芽生えて、
群像劇となるのだろうと予測していると、
そうそうに乗客たちはそれぞれの目的地へと散らばるのです。

各々が用事を済ませる間に一晩明け、
全員(先に降りた4人の大学生と女性1人は除く)のもとに
謎の電話がかかってきて(みんなiphoneの着信音)
とある「三つ星レストラン」で再び集合することに。
いや、のっぴきならない事情があったわけでもないんだから
また集まるんなら、ずっと一緒にいてくれればいいのに。

で、ガスマスクをかぶった謎の男が現れて
バスの乗客以外にも人間がいたぞってことで
追いかけてとっちめるのです。
そいつがなんと日本人(日本語はカタコト)。
言葉が通じないから「グーグル!」ってのは
ギャグなんでしょうね、きっと。
こういう細かいギャグはそこかしこに散りばめられています。

ガスマスクの日本人は「助けたいんだ!」と言っていましたが
なにをなにから助けたいのかは最後までわかりません。
とにかく、その日本人が残したひと言から
どうやら福島第1原発の爆発が関連しているということに。
こちとら日本人としては、モヤっとした気分です。

じゃあ、放射能の脅威によって
街全体が非難勧告を受けたから誰もいないのかというと
そういうわけでもなく
、というか、
放射能に関するエピソードはこれだけで、
次々に乗客たちが「感染」していくのは、接触感染によるもので
なんらかのウイルスが原因のような設定にもなっています。

「感染」したと思しき人間の感染の仕方もまちまちで、
ひとりの大学生が悶え苦しんだ末にミイラのようになったかと思えば、
高速道路を走っていた大学性のうちふたりは、
突然全身が石のようになって崩れ落ちます。
最後のひとりは顔が膨れあがって破裂。
オタクっぽい男は突然炎にまみれて死に、
マンチェスター utdファンの男は腕が急激に朽ち果てるのです。
もう、さっぱりデタラメなのです。

物語も徹底的にデタラメで、
トンネルを抜ける途中で周りの車が消えたというのが
異変を示すサインにはなっているものの、
放射能にせよウイルスにせよ、車が突然消えることはないので
その理由は闇の中です。
もっとも不可解なのは、
バスを降りたイケメン風が「同じ方向だから」と
ユキという女性を送っていくくだりがあるのですが、
レストランに集まったときにはユキは「送ってもらってない」と
いい始める
のです。
そして、ユキはほかの面々が会話している陰で
思わせぶりに微笑み、髪を逆立てて
あからさまにこの世のものならざる雰囲気を出す
のですが
その後、まったくその件は回収されません。
なんのためのフリだったのか、さっぱりです。

そういえば、全員の電話にかかってきたノイズが
モールス信号で、その内容が
デイヴィッド・ボウイの「Space Oddity」の歌詞そのものだったという、
一見洒落ているようなエピソードがありましたが
アポロ11号のことを歌ったその歌詞の内容が
それでどうした?? というと、どうもしません。

イケメン風の男が、突然彼女と電話が繫がって
彼が6年前に失踪し、その間に母親が心労で亡くなったと知り、
号泣するので、うんうん、それでそれで??
と、そこから展開が開けるのかと思いきや
そのエピソードもそれだけ。
もう、こんなのばっか。

乗客のひとりだった女性をレイプしたガキを処刑するシーン
もしかしたら集団心理の恐怖を描こうとしたのかもしれませんが
乗客たちが順番にナイフを突き立てるとき、
身体にナイフが刺さる瞬間を見せないのはどういうことか。

最終的に、防護服に身を包んだ登場人物たちは
なにやら希望らしきものを求めてどこかへ行くのですが
いかなる感慨もありません。
「雨傘革命」に代表されるような、
いま現在の香港の民衆の気分を反映させているような気が
しなくもありませんが、
それにしても、ことごとくエピソードがやり逃げでデタラメ。
ふざけたコメディと割り切ったとしても、辛い作品でした。

原作は「香港の2ちゃんねる」と呼ばれる
巨大掲示板「香港高登討論區」に掲載されたネット小説だそうです。
しかも、本作で映像化されたのはその小説の前編だけだそうで、
もしかしたら続編が作られて
山ほどある意味不明な謎が全て後篇で解明されるのでしょうか。
「進撃の〜」みたいに。

あ、ラム・シュー(運転手)はあいかわらずよかったです。





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