" />

REC レック3 ジェネシス

ill566.jpg



(原題:[Rec]3 Genesis 2012年/スペイン 80分)
監督/パコ・プラサ 製作/フリオ・フェルナンデス 脚本/ルイソ・ベルデホ、パコ・プラサ 撮影/パブロ・ロッソ 編集/ダビ・ガラルト 音楽/ミケル・サラス
出演/ディエゴ・マルティム、レティシア・ドレラ、イスマエル・マルティネス、アレックス・モネール、エミリオ・メンチェータ、クレア・バシェット

概要とあらすじ
ドキュメンタリータッチの主観映像で登場人物が遭遇する恐怖を描くスペイン製ホラー「REC レック」のシリーズ第3作。晴れて挙式の日を迎えたコルドとクララは幸せの絶頂にいたが、感染すると人を襲う謎の伝染病に侵された新郎の叔父が発病し、披露宴の出席者を襲い始める。混乱のなか離ればなれになってしまった2人は、それぞれ愛する人と再会するため、感染し変わり果てた友人や親族に立ち向かうが……。前2作でジャウマ・バラゲロとともにメガホンをとったパコ・プラサ監督が手がけた。(映画.comより



あ、POVをやめちゃえばいいじゃん!

「RECシリーズ」3作目の
『REC レック3 ジェネシス』です。
これまでジャウマ・バラゲロとパコ・プラサの
共同監督でしたが、本作の監督は
パコ・プラサ監督ひとりとなっております。

前作「2」「1」と場所的にも時系列的にもつながっている
律儀な続編でしたが、
本作はまったく別の物語です。
一応、前作までの舞台であったアパートを報道するニュース映像が
ちらっと出てきたりするので
前作の物語と同時刻の別の場所で起きたこと
ということなのかもしれません。

舞台はうふふおほほな結婚式。
花嫁のクララ(レティシア・ドレラ)も美しい。
(このシリーズ、結構女性の趣味がいいと思うのは僕だけか?)
しかも結婚式当日に妊娠が発覚するという、
この上なく幸せな状況なのであります。
でも、結婚式の映像ほどクソつまらないものはこの世にありません。
それでもなんとか耐えられるのは
この浮かれきった連中がこのあと地獄に落とされると
わかっているからです。

なにしろPOVが売りのこのシリーズですから
まだ10代とおぼしき甥っ子がビデオを回しているのですが
さらに今回は、結婚式業者のステディカムまで登場。
ああ、今回はそういう手段で
POVで制限された表現の幅を拡張する構えかと
思いましたし、実際序盤はそのような構成になっていました。
ま、観客が観ている映像が甥っ子のデジカメだったり、
ステディカムだったりする編集は
だれがやったんだということが気になりはするけれど
そんなことはどうでもいいのです。
なぜなら、
ゾンビが発症して結婚式場が大パニックとなり、
クララと離ればなれになってしまった新郎の
コルド(ディエゴ・マルティン)一行が
わけがわからないままに厨房に逃げ込んだあたりから
完全にPOVを放棄するからです。

なにしろ、「REC」というタイトルのシリーズですから
観客が観る映像はリアルタイムで録画中でなければならず、
すなわちPOVでなければならないはずで、
POVを放棄したことに「これじゃない!」と
憤慨するひともいるかもしれませんが
僕はわりと、寛容な気持ちです。えへん。

POVの手法を採用するにあたって
必ずやクリアしなければならないのは
「カメラなんか捨ててとっとと逃げろよ」問題でしょう。
POVでは、どんなに最凶最悪な状況でも
カメラで撮影し続けなければならないという必然性を
できるだけ説得力をもった設定にする必要があり、
おそらく制作者はそこに頭を悩ませているはずです。

このシリーズの「1」のような
ジャーナリストというのがもっとも自然な設定のように思いますが
作品によっては、眼鏡やヘルメットに
カメラが装着されている(撮影というより撮れちゃってる)などの
離れ業もあるものの、
シリーズ3作目ともなれば、
説得力のある新しいアイデアを産み出すのはなかなか難しいでしょう。
もしも、なにか画期的なアイデアが浮かんだとしても
こちとら観客も、なるほどそういうフォローの仕方ね、
と思ってしまうし、
そもそもなんでそんなことで悩まなければいけないのかというのは
POVという手段を採用しているからであって
それならいっそのこと、POVをやめちゃえばいいじゃん!
あ、おれたち、POVをやめちゃえばいいじゃん!

という考えに到ったのではないでしょうか。
そう考えたパコ・プラサ監督およびスタッフたちは
まるで、ギリギリでトイレに駆け込んで放尿するときのような
果てしない開放感を味わったことでしょう。
(完全なる憶測)
そして、POVという諸刃の刃を軽やかに投げ捨てた結果、
わりとフツ〜のスプラッター・ホラーが出来上がった
のです。

ホラー映画シリーズの3作目ともなれば
コメディ要素が前面に出てくるのはよくある話で
本作でも、スポンジ・ボブならぬスポンジ・ジョンが登場したり、
新郎コルドが聖ゲオルギウスという伝説の騎士に扮して
新婦クララ救出に向かったりします。

とはいえ、本作のいちばんキャッチーなところは
ウェディングドレスを着たクララがチェーンソーで戦うという
ビジュアルでしょう。
クララは突然アクションまでこなすようになり、
これみよがしのゴアシーンも増えます。

なんやかんやありながら、
めでたく再会した新郎新婦は
なぜそれをいままでやらなかったのか不思議な神父の説教放送
身動きが取れなくなったゾンビたちの間を抜けて
脱出を試みます。
ゾンビになってしまうプロセスが
ウイルス感染なのか、悪魔に憑依されたのか
あいかわらずうやむや
なままですが
それよりも、身動きが取れなくなったゾンビたちの間をぬって
逃げるコルドとクララの動きが
スローモーなのに苛立っていると
案の定、耳が悪い(=神父の説教が聞こえない)じじいのゾンビが
クララをガブリ。
切ないラブストーリー的な結末でジ・エンドとなるのでした。

POVのシリーズものだとか考えずに
単に独立したスプラッター・ホラーとして観れば
充分に楽しめる作品です。





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ