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REC レック

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(原題:[Rec] スペイン 2007年/77分)
監督/ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ 脚本/ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ 撮影/パブロ・ロッソ
出演/マヌエラ・ベラスコ、フェラン・テラッツァ、ホルヘ・ヤマン、カルロス・ラサルテ、パブロ・ロッソ

概要とあらすじ
テレビのドキュメンタリー番組を制作中の女性レポーター・アンヘラは、通報を受けた消防隊に同行してとあるアパートを訪れる。そこには血まみれになって立ちつくす1人の老婆がいた。老婆は駆けつけた警察官を突然襲いはじめ……。閉ざされたアパートの中で想像を絶する恐怖に見舞われる人々の姿を、手持ちカメラ目線によるドキュメンタリー・タッチの映像で描き出し、本国スペインで大ブームを巻き起こしたパニック・ホラー。(映画.comより



入念に組み立てられたPOV

おそらく『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の大ヒットによって
POVによるホラーは低予算での映画制作が可能なせいか、
次から次へと作られました。
画面は粗雑だけれど、モキュメンタリーによる臨場感は
ホラー映画にもってこいの手法なのでしょうが、
こんな大変な(ホラーな)状況で
カメラを回し続けるわけねえだろ、という齟齬

前面に出てしまうケースもしばしば。
誰でも動画を手軽に撮影することが可能になったとはいえ、
レジャーの思い出にカメラを回しているひとがゾンビに襲われたときに
ゾンビの顔をクローズアップで撮影していたりすること自体が不自然で
とっととカメラなんか捨てて逃げればいいのにと思った瞬間に
興ざめになってしまうものです。

おそらく、POVを採用する映画制作者たちは
この不自然な点をなんとかクリアしようと苦慮しているわけですが
やっぱり、本作のように
取材をしているテレビクルーとか、自主制作映画の撮影とかのように
カメラを回し続けなければならない動機(条件もしくは使命感)
納得できるシチュエーションが必要なんだろうという気がします。

で、『REC レック』です。
消防署の取材にきたレポーターのアンヘラ(マヌエラ・ベラスコ)
まだまだ駆け出しのぺーぺー感とともに、チャラさもあるけど
結構かわいい。端的に言って、好み。
できればアンヘラが、この仕事に自分の将来を賭けているような説明があれば
なおよかったような気もするけれど
のんびりした消防署員たちの雰囲気とアンヘラのキュートさは
前振りとしては十分。

「できれば火事が起きてほしいわ〜」なんて
呑気にいうアンヘラが、消防署員たちと暇つぶしのバスケに興じていると
「女性がアパートの一室に閉じ込められた」という通報を受けて出動命令が。
当然、現場についていくアンヘラとカメラマン・パブロ。

まあ、当然「部屋に閉じ込められた女性」というのは
ゾンビ化しているわけです。
それはまあ、予想の範囲内なのですが
最初に警官のひとりがその女性にガブリとやられるまでのシーンは
わかっていてもなかなかの緊迫感があります。
その後、わけがわからぬままにアパートが封鎖され、
対ゾンビに対する恐怖にさらに理不尽な脱出不可能な状況を加えているのは
見事だと思いました。
さらには、取り残された住民どうしのお互いに対する不信感まで加味され、
興味がそがれることがありません。

ま、明らかに空気感染を考慮したものものしい防護服を着て入ってきた検査官が
「ウイルスは唾液感染する」といってしまうのはトホホだし、
最初にゾンビに噛まれた警官と消防署員のふたりと
その後に噛まれる人々との「発症」までの時間がいいかげんだったりするけれど、
「上へ行けー!」「やっぱ、1階に行けー!」と右往左往するさまは
恐怖感の盛り上け方としては非常にうまくできているように感じました。

最終的にアンヘラとカメラマン・パブロが逃げ込む部屋の鍵を
なぜアパート住民のひとりである研修医が持っているのかというのは、
裏設定の含みであるような、ただのでたらめのような、
いまいち判然としませんが
とにかく、一息ついたと思ったふたりが
真っ暗闇のなかでの行動を強いられるのも
クライマックスに向けての勢いを損ないません。

新聞の切り抜きが壁中に貼られたその部屋は
どうやら「とりつかれた少女メデイロス」をかくまって
ウイルスの研究をしていたもよう。
アンヘルがテープレコーダーをでたらめに巻き戻したりしているのに、
きっちり大事な言葉の部分から再生されたりする都合の良さは
気にしないとして
誰もいないと思われていた部屋には、じつはパンイチの女性がいたのです。
あれはおそらく、成長したメイデイロスなんでしょう。
(屋根裏の少年に関してはまったく不明)

POVものにはよくあることですが
最終的に部屋に取り残されたカメラは
誰が回収して、いま観客が観ているのか……
という、
あいかわらずの疑問が浮かばないわけではありませんが
いやはや、とても入念に組み立てられた
面白い作品です。





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