" />

ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女

ill557.jpg



(原題:A Girl Walks Home Alone at Night 2014年/アメリカ 99分)
監督/アナ・リリー・アマポアー 製作/シーナー・サッヤフ、ジャスティン・ベグナウド、アナ・リリー・アマポアー 脚本/アナ・リリー・アマポアー 撮影/ライル・ビンセント 美術/セルジオ・デラベガ 衣装/ナタリー・オブライエン 編集/アレックス・オフリン
出演/シェイラ・バンド、アラシュ・マランディ、マーシャル・マネシュ、モジャン・マーノ、ドミニク・レインズ、ミラド・エグバリ、ロメ・シャダンルー、レザ・セィクソ・サファリ

概要とあらすじ
俳優のイライジャ・ウッドが製作総指揮を務め、イランの架空の町を舞台に、孤独な吸血鬼の少女と人間の青年の運命的な出会いを、新人女性監督アナ・リリー・アマポアーがモノクロ映像の独特な世界観で撮りあげたバンパイアホラー。死と絶望に満ちたゴーストタウン、バッドシティに夜ごと現われる黒衣の美少女。バンパイアである彼女は、町で見つけた悪人やホームレスの血を吸って生き続けていた。ある夜、孤独な青年と運命的な出会いを果たした彼女は、次第に彼と心を通わせていくが……。美しくも残酷なバンパイア役に「アルゴ」のシーラ・バンド。シッチェス国際映画祭で審査員賞を受賞するなど、世界各地のインディペンデント系映画祭で高い評価を得た。(映画.comより



レオーネ+リンチ×ジャームッシュ=???

またひとり、映画界にややこしい人が現れました。
デビッド・リンチとブルース・リーを敬愛するという
イラン系女性監督、アナ・リリー・アマポアー

「バッド・シティ」という、
「シン・シティ」みたいな悪徳の町を舞台にした
『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』
ノワール調でどことなくマカロニ・ウェスタン的でもあります。
「セルジオ・レオーネとリンチが
 イラン・ロックを奏でたようにしたかった」
と語るアマポアー監督は
自身の映像のアイデアの元ネタを公言する
ヒップ・ポップなサンプリング監督です。
とはいえ、ああ、あのシーンはあの映画のパロディだね、みたいな
マニアが鼻を鳴らすためだけに用意されたようなシーンは
ひとつもありません。

悪党がはびこる「バッド・シティ」といえども登場人物が少なく、
ボス気取りのヤクの売人兼ポン引きサイード(ドミニク・レインズ)
羽振りの良さそうなチンピラ程度で、大物感はないので、
セルジオ・レオーネ的なバイオレンスとか、
リンチ的な超現実的世界とかいうよりも、
もう少し気楽な初期ジャームッシュっぽさを感じてしまいました。

チャードルを纏ったヴァンパイヤ少女(シェイラ・バンド)
夜のバッド・シティをふらふらと彷徨っていますが
彼女が牙をむくのは、横暴でふがいない男たちばかり。
それは、男性社会で虐げられているイラン人女性の
復讐を意味しているのかもしれません。
チャードルの下にボーダーシャツを着ている少女
ゴダールのミューズ、アンナ・カリーナを思わせますが
女の子らしく、大量の切り抜きを壁に貼っていたり、
スケボーに乗ったりするミスマッチが
既存のヴァンパイヤらしからぬ魅力があります。

かたや、うだつの上がらないチンピラの
アラシュ(アラシュ・マランディ)
ヤク中の父親の世話をするのに辟易していてましたが、
少女がサイードを餌食にしたおかげで
借金のカタに取られた車も取り戻し、
ついでに大量のヤクと現金も手に入れるのです。

やがて出会った少女とアラシュは恋に落ちます。
アラシュはともかく、少女がアラシュに恋をした理由は
いまいちよくわかりませんでしたが
(まさか、アラシュがヴァンパイヤのコスプレをしていたから
 じゃないよね)
ふたりはバッド・シティを脱出して
ここじゃないどこかへと逃避行を決意します。
アラシュは、かつて自分が飼っていた猫を少女が携えているのを見て
少女がヤク中の父親を殺したことを悟り、
わずかに葛藤しますが現実を受け入れ、
いや、もしくは自分を束縛していた父親に対する憐憫をすべて捨て去って
ふたりで旅立つのでした。

前篇モノクロの映像は美しいし、
ベタな表現ですが、スタイリッシュな画面構成は
かっこいいのですが
期待していたほどには強烈なビジュアルがあるわけではなく、
物語的な高揚感もいまいちで、
全体的にふわ〜っとした印象でした。
なんじゃこりゃ〜という画が少しでもあると
一気に虜になった可能性はありますが
意外にもキチンと作られているうえに、
わりと内省的だったのは
ちょっぴり残念ではありましたが
アートっぽい映像にジャンル映画の要素をぶっこんでくる
確信犯的な節操のなさ
が素晴らしいので
今後も要チェックな作家性は充分に感じましたとさ。
(↓なんか、予告編のほうが本篇よりかっこいい気がする。。。)





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ