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映画「立候補」

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(2012年/日本 100分)
監督/藤岡利充 製作・撮影/木野内哲也 音楽/田戸達英
出演/羽柴誠三秀吉、外山恒一、マック赤坂、橋下徹、安倍晋三

概要とあらすじ
落選15回で日本記録の羽柴誠三秀吉、政見放送がYouTubeで150万回再生された外山恒一、会員数ゼロの政治団体・スマイル党総裁のマック赤坂ら、泡沫候補として知られる立候補者たちの独自の戦いを追ったドキュメンタリー。300万円の供託金が没収される結末になってもなお、なぜ立候補するのか。世間からは首をかしげられる彼らが選挙に立つ目的とその原動力に迫る。(映画.comより



出るのはため息ばかりなり

2013年に話題になった
『映画「立候補」』を遅ればせながら観てみたのですが
なんともはや、いや〜な気分になりました。

羽柴誠三秀吉、外山恒一、マック赤坂という人たちに
興味がなかったこともありますが
当初、泡沫候補たちを追った本作のことを
無力で、場合によっては滑稽に見えるかもしれないけれど
自分の夢を実現させるため、もしくは
なんとかしてこの世の中を変えたいと思っている人が
懸命にもがき苦しむ姿を捉えた作品だと
思っておりました。ところが……

登場する泡沫候補たちはあまりにもいいかげん。
「建設的な意見などない!」
「選挙で何かが変わるわけがない!」
という外山恒一は、
ちゃぶ台をひっくり返したいだけのパンクスで
成人式で暴れるガキと同じ。
そもそも戦国武将の名前を借りている羽柴誠三秀吉は
国盗り合戦ごっこをやりたいだけ。
マック赤坂はただの目立ちたがり屋で、
だれもかれもまともな政治的主張がないのには驚きです。
なかには、大阪府知事選に立候補しただけで
まったく選挙活動を行なわない候補者がいて
これにいたってはさっぱり意味がわかりません。
町ゆく人に「よろしく!」と挨拶するだけの候補者は、
偶然幼なじみに出会うと
「これで300万(供託金)なら安いもんや〜」て、いうてはります。
んなアホな。

ま、編集による作為も考慮にいれなければなりませんが
少なくとも本作を観る限り、
いずれの泡沫候補にもまったく具体的な主張がありません。
本作の惹句には
「負ケルトワカッテ、ナゼ戦ウ。」とありますが、
彼らは戦ってすらいないのではないでしょうか。
客観的に考えて、勝ち目がないとわかっていても挑戦し、
最善を尽くすことを目指すなら、
それは戦っているといえるし、
たとえ結果的に、案の定負けたとしても
僕はその人のことを嘲笑する気にはなれません。
しかし、ここに登場する泡沫候補たちは
たとえるならサッカーの試合に水着で現れているようなもので
そもそも試合をやる気がないようにみえます。
お花畑でもいいから、陳腐でもいいから、
なんならこの際、嘘でもいいから
立候補する限りはなんか主張してくれないと
試合になりません。

とくに、多くのシーンで登場するマック赤坂
自分の政見放送を見て爆笑するような、自分大好き男。
騒ぐ→目立つ=人気がある、と思い込んでしまうバカです。
マック赤坂の運転手をしている男は
苦労人そうだし、生まれたばかりの赤ちゃんが
難病を患っていることもあって
わぁ、人生いろいろだなあと同情しかけましたが
マック赤坂と一緒に公職選挙法を盾にとって
迷惑がっている人をチンピラのように恫喝するシーン
には
どん引きです。
選挙区外でも選挙活動がOKなのは知りませんでしたが
紙パックの鬼ごろしをちゅーちゅー飲みながら
権利を盾に嫌がらせをするような人間

政治家になってもロクなことはありません。
車が激しく行き交う車道に飛び出しておどけるマック赤坂を見て、
とっとと車に轢かれて死ねばいいのにと思いました。
(轢いたほうは迷惑だけど)

いたたまれないのは、マック赤坂の息子
彼は父親の選挙活動に批判的な視点を持ちながら
その反面、父親の味方であろうと考えているのでしょう。
東京・秋葉原で、自民党の演説に乗り込んだマック赤坂の
交通整理を買ってでていた息子は
自民党派の観衆から浴びせられたヤジに過剰に反応し、激高します。
「お前に主張があるんなら前に出て言えよ!
 お前ら、ひとりじゃ何もできねえだろ!」
と、息巻く息子。
うちの親父はひとりでも戦ってるんだよってことでしょうが、
それじゃあ、お前の親父の主張ってなんだよと聞き返されたら
息子はなんと答えるでしょうか。
息子が興奮しているのを見たマック赤坂は
「おお、いいねぇ、まあまあ」などと言っています。
まあまあ、じゃねえよ。
息子がモメてんのはお前のせいなんだから。

そして、満を持して安倍晋三が選挙カーの壇上に登場すると
大量の日の丸が一斉に振られます。
これはこれでヘドが出ます。端的に気色悪い。
だからといって、
そもそも安倍晋三に立ち向かうどころか、
政治に茶々を入れているだけのマック赤坂の無念そうな表情に
胸打たれるかといえばそんなはずはなく、
どっちにしろ、暗澹たる気持ちになるのです。

高みの見物で、市民デモを嘲笑する人もいますが
誹謗中傷や他人の権利を侵害するようなものでなければ
なにを主張しようと自由なはず。
それは当然の権利です。
なんにも考えずに立候補するのも自由。
でも、本作に登場する泡沫候補と呼ばれる人たちが
なにかを主張し、なにかと戦っているとは到底思えず、
ひいては有権者をバカにしているような姿には
ため息ばかりが出てくるのでした。





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