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ほとりの朔子

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(2013年/日本・アメリカ合作 125分)
監督・脚本/深田晃司 プロデューサー/杉野希妃 脚本/深田晃司 撮影/根岸憲一 音楽/Jo Keita
出演/二階堂ふみ、鶴田真由、太賀、古舘寛治、大竹直、杉野希妃、小篠恵奈、渡辺真起子

概要とあらすじ
「ヒミズ」「地獄でなぜ悪い」の若手演技派・二階堂ふみが主演する青春映画。監督は、第23回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門作品賞を受賞した「歓待」(2010)で注目を集める深田晃司。大学受験の浪人中、叔母の海希江から誘われて海と山のほとりの避暑地を訪れた朔子は、そこで海希江の幼なじみの兎吉と、その甥で福島から避難してきている同年代の孝史と出会う。朔子と孝史は何度か会ううちに次第にひかれあっていくが……。海と山のほとり、そして大人と子どものほとりで揺れ動く18歳の朔子の淡い恋心を描く。フランスのナント三大陸映画祭で最高賞の「金の気球賞」と「若い審査員賞」をダブル受賞。(映画.comより



二階堂ふみのロメール風アイドル映画

「私はロメールに狂っていると言っていい」
公言して憚らない深田晃司監督
『ほとりの朔子』
まさにエリック・ロメール的な
少女のひと夏の体験物語です。
深田晃司監督の過去作は観ていないし、
どういう方なのか知らないけれど
現代の日本映画の文脈には属さない作り手だということは
わかりました。

浪人中の朔子(二階堂ふみ)
叔母の海希江(鶴田真由)に連れられて
やっぱり叔母の水帆(渡辺真起子)が暮らす海辺の家にやってきます。
水帆がヨーロッパ旅行をしているあいだ、
朔子と海希江が留守番をするという設定なのですが
全体に漂う「バカンス感」
やっぱり日本人にはなじみがなく、
また、水帆が陶芸家で、海希江がインドネシア研究家、
近所のおしゃべりなおばちゃんですら
グループ展をやるような水彩画家と
妙にハイソでアカデミックな感じが鼻につきます。
登場人物たちはみな、夏休み中の小学生のような暮らしぶり。
そんな浮世離れした世界観の中で
下世話な日常を一手に引き受けているのは
(ラブ)ホテルの支配人である兎吉(古舘寛治)です。

「自然な会話」を意識しているのはわかりますが、
海希江は朔子の祖父が再婚したときの連れ子で
兄弟になった朔子の母親ミキエとは偶然名前が一緒で……

みたいな設定が非常にややこしく、
浜辺を散歩しながら交わす会話としては重すぎて
いくら自然に振る舞っても説明的に聞こえてしまいます。
また、「○○だよね」「え?」「○○なんだよ」みたいな、
一度で相手の言葉が聞き取れずに聞き直すくだりが多く、
たしかに日常会話ではそんなことはよくあることだけど、
あまりにも繰り返されるので、かえってわざとらしく感じます。

ま、そんなことより、
本作を観たひとなら誰しも感じるであろうことは
本作が二階堂ふみの「アイドル映画」だということです。
シーンごとにお色直しをするかの如く、
カラフルな衣裳を纏ってコスプレを披露する二階堂ふみを
愛でるのが、まっとうな見方のように思います。
ただのプーである浪人生とは思えない真っ赤なワンピース。
水着からこぼれるお尻。ほぼ半裸のチューブトップ。
むっちむちのエロスを放っておられます。
ありがとうございます。

兎吉の娘・辰子(杉野希妃)の誕生日パーティーのシーン
ほとんどアドリブだそうですが
エロ教授を巡ってのやりとりは
そこにいる全員が腹に一物抱えながらヘラヘラと会話する姿には
ただならぬ緊張感があり、
そんな大人たちの醜態を
にやにや笑いながら眺めている朔子という構図は素晴らしかったです。

そして、やっぱり気になるのが
東日本大震災と原発事故に関するくだり。
おそらくは本作のテーマのひとつであろう、
「ものの見え方の違い」を客観的に表現しようとしているのは
充分理解できますし、
本作が撮影されたのが、東日本大震災から1年後ということを考えれば
映画の作り手として、それを盛り込まないのを
むしろ不誠実に感じるのもわかります。
しかし、東日本大震災と原発事故の話題はあまりにも生々しく、
関心が薄れつつあるとはいえ現在進行形でもあり、
普遍的な題材として咀嚼するのが難しく、
ひと夏の体験を描く本作においては
突然放り込まれたリアリティに対する違和感のほうが
強く残ってしまいました。

朔子と孝史(太賀)のプチ家出
『スタンド・バイ・ミー』というには
ふたりが歳をとりすぎていて
あまりワクワクしませんでしたが
「自分のことは自分が一番分かっている」と思っている人々による
なかなか考えが本質に至らないさまを描いている
作品なのではないでしょうか。
もうちょっと、
ピリッとしたところも欲しかったというのが本音ですが
ロメール風だから仕方ないか。





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