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トラフィック

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(原題:Traffic 2000年/アメリカ 148分)
監督/スティーブン・ソダーバーグ 脚本/スティーブン・ギャガン 撮影/ピーター・アンドリュース
出演/マイケル・ダグラス、ドン・チードル、ベニチオ・デル・トロ、ルイス・ガスマン、デニス・クエイド、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

あらすじ
メキシコ──メキシコ州警察の警官は、国境付近で大量の麻薬を押収したが、犯人を連行しようとした矢先、連邦警察が押収した麻薬と犯人を引き取ってしまう。オハイオ──麻薬撲滅に奔走するアメリカの麻薬取締最高責任者。だが、彼の娘はすでに麻薬に溺れていた。サンディエゴ──突然自宅に捜査官が押し入り、夫が逮捕されてしまった1人の主婦。彼女の夫は、麻薬王だった……。(映画.comより)



ダメ、ゼッタイ!

2000年度第73回アカデミー賞の監督賞、
助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、脚色賞、編集賞などなど
多くの賞を総なめにした作品。
スティーブン・ソダーバーグ監督といえば、個人的には
『セックスと嘘とビデオテープ』が印象に残っているのですが
アート思考が強い作風から
(こういう言い方、ほんとに嫌なんだけどいい言い方が思いつかない…)
メジャーへと名乗りを上げたというべき作品でしょうか。

「トラフィック」とは「流通」
メキシコで麻薬が作られ、犯罪組織と売人の手を経由して
一般家庭の子供にまで行き渡る過程の全貌を描いているのですが
麻薬だけではなく、人々の「流通」も群像劇として表現しています。

違う場所で起きた出来事が、ある因縁や運命に引き寄せられて
やがて一点に集約するような作品は多々ありますが
『トラフィック』の登場人物たちは
基本的になんの関わりもありません。
それぞれがそれぞれの事情で行動していて
最終的にお互いの関係になにかの因果が生まれることもありませんが
彼らは無意識に麻薬の流通によって繫がっているのです。

映画を観始めて、しばらくしたところで
「いかん! すでに設定を把握できない!」と思い始めました。
つぎつぎと新しい登場人物が出てくるし、
スペイン語の名前が憶えづれぇ〜と思ってると
アメリカのシーンになったり……
理解するのを投げ出しそうになりかけましたが
徐々にわかるようになりました。

この作品は、3つの異なる場所を軸にしています。

1つはメキシコ最北端の都市、ティファナの
刑事ハビエル(ベニチオ・デル・トロ)のシークエンス。

2つめはオハイオ州で
麻薬撲滅担当の大統領補佐官に就任した
ロバート(マイケル・ダグラス)のシークエンス。

3つめはカリフォルニア州サンディエゴで
麻薬密輸を仕切る男の妻ヘレーナ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)
それを捜査する刑事モンテル(ドン・チードル)たち。

この3つが、フィルムの特性を利用して
それぞれ違う撮り方がされているのです。
メキシコでは黄色く粗い画像、オハイオでは異常に青い画像、
サンディエゴではハレーションを起こしたように白い画像。

観ているうちに誰でもわかるような違いを画像に持たせているので
カットが切り替わった瞬間にそれがどこのシーンなのか
わかるようになっているのです。
ときおり、手持ちカメラのぶれで頭がクラッときたりするのですが
撮影の「ピーター・アンドリュース」というのは
ソダーバーグ監督のことのようです。

監督自身がずっとカメラを持って撮影していたわけですな。

それでなくても暑苦しいデルトロの顔は
黄色い画面の中でさらに暑苦しく(色っぽいけどね)、
ダグラスはあいかわらず、いけすかないオッサンだし、
ゼタは妊娠中という設定だからか中途半端に太ってるし、
役者陣の演技もそれぞれ素晴らしかったです。
(褒めてたのか!?)
ドン・チードルは『ホテル・ルワンダ』が好印象の黒人俳優ですが
なんで、黒人俳優って「あー知的だな」って思う顔と
「こいつ頭悪そうだなー」って顔がハッキリとあるんでしょうかねぇ。
ま、何色でも同じか…

そんなこんなで、いろいろあって
(だいたいどんな映画もいろいろあるんだけども)
映画はラストへと向かいます。
麻薬に需要と供給のバランスがある以上、
犯罪組織と警察との攻防はいたちごっこです。
根本的な問題の解決にはなっていないのです。

麻薬撲滅担当のロバート(マイケル・ダグラス)は職を捨て、
家族を見つめ直します。
刑事ハビエル(ベニチオ・デル・トロ)は
アメリカ警察への情報提供との引き替えに
夜でも明るい、野球のできるナイター施設を手に入れ、
子供たちが野球する姿をスタンドから見つめています。

本当に「トラフィック」を遮断したいなら
やるべきことは麻薬犯罪組織を摘発して満足することではなく
麻薬を必要としない生活を取り戻すことなのだというメッセージが
マンモス感じ取れぴー。





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