" />

キングスマン

ill548.jpg



(原題:Kingsman: The Secret Service 2014年/イギリス 129分)
監督/マシュー・ボーン 製作/マシュー・ボーン、デビッド・リード、アダム・ボーリング 原作/マーク・ミラー、デイブ・ギボンズ 脚本/ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ボーン 撮影/ジョージ・リッチモンド 美術/ポール・カービー 衣装/アリアンヌ・フィリップス 編集/エディ・ハミルトン、
ジョン・ハリス 音楽/ヘンリー・ジャックマン、マシュー・マージソン
出演/コリン・ファース、マイケル・ケイン、タロン・エガートン、マーク・ストロング、ソフィア・ブテラ、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ハミル、ソフィー・クックソン、エドワード・ホルクロフト、サマンサ・ウォーマック、ジェフ・ベル、ビョルン・フローバルグ、ハンナ・アルストロムス、ジャック・ダベンポート

概要とあらすじ
「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したコリン・ファース主演、「キック・アス」のマシュー・ボーン監督&マーク・ミラー原作によるスパイアクション。表向きは高級スーツ店だが実は世界最強のスパイ組織「キングスマン」で活躍する主人公ハリー・ハートをファースが演じ、ハリーに教えをこう若きスパイのエグジーに、新星タロン・エガートンが扮する。その他、マイケル・ケイン、マーク・ストロング、サミュエル・L・ジャクソンらが共演。ブリティッシュスーツを華麗に着こなし、スパイ組織「キングスマン」の一員として活動しているハリー。ある日、組織の一員が何者かに殺されてしまい、その代わりに新人をスカウトすることになる。ハリーは、かつて命を助けてもらった恩人の息子で、密かにその成長を見守っていたエグジーをキングスマンの候補生に抜擢する。一方その頃、頻発する科学者の失踪事件の首謀者ヴァレンタインが、前代未聞の人類抹殺計画を企てていた。(映画.comより



セレブとキチガイは皆殺しでよし!

スパイ映画といえば、やっぱ『007』シリーズで、
その影響なのかどうかわかりませんが
子供の頃はスパイの小道具的なものに憧れて
読まなくなった出来るだけ分厚い本を探しては
ページを拳銃型にくり抜いたりしたものです。
そもそも隠す拳銃を持ってないのに。

というわけで、
マシュー・ボーン監督&マーク・ミラー原作
『キングスマン』です。
この2人と言えば、やっぱり『キック・アス』
『キック・アス』はコミック・ヒーローものでしたが
なにものにも属さない自警団という意味では
本作も同じ発想ではないでしょうか。
大きな期待を抱いて公開を待っていたのですが
その期待のはるか上をいく、大傑作でした。

オープニングで
ダイアー・ストレイツのおなじみ「MTV〜♪」という、
懐メロがカセットテープから聞こえてくるのは
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』
思い出さずにはいられませんが
本作はかつてのスパイ映画に対するオマージュが
盛りだくさんです。
とはいえ、スパイ映画の予備知識があれば
いくらかはにやっとすることができるかも知れませんが
別に予備知識などなくとも十二分に楽しめる
内容になっております。

テーラーメイドのスーツを着込んだ
「キングスマン」こと秘密諜報組織の一員、
ハリー(コリン・ファース)
ありとあらゆる「スパイ小道具」を用いて活躍するさまは
痛快極まりないエンターテイメントに仕上がっています。
ガンブレラ(傘型武器)、毒入り万年筆、ライター型手榴弾などなど
日用品がじつは武器でしたというのが
「スパイ小道具」の魅力です。
子供の僕が真似していた「くり抜いた本」も
登場するかに思われましたが、
「それは時代遅れだから」とハリーに一蹴されました。トホホ。
また、これらのガジェットを
逐一説明する演出の手際も見事でした。
ハリーは、冷静沈着なようにみえて
意外とキレやすく、
自分が関わった事件の記事の切り抜きを壁に貼っているような
自己顕示欲の持ち主でもあります。

物語の本筋とはかけ離れているんだけど
エグジー(タロン・エガートン)たちキングスマン候補生の
特訓シーンは
超人的なキングスマンの判断力&身体能力に
説得力を持たせるに充分でした。
キングスマンのボス、アーサー(マイケル・ケイン)
エグジーが犬(パグ)の名前を聞かれるシーンで
 エグジー「JBです」
 アーサー「ジェームズ・ボンドか? ジェイソン・ボーンか?」
 エグジー「ジャック・バウアーです」
 アーサー「あ〜」

というくだりは、
「わかってるよ。ジェームズ・ブラウンだろ?」
なんていう無粋なことをつけ加えないのが素晴らしいのです。
これこそ紳士が身につけるべき、笑いの「マナー」でしょう。
(そういうオレがつけ加えてどうする)

楽しいスパイ・アクションだけでなく、
本作には、自分の父親が俳優だと思っていたら
じつは貴族出身の別人だった
という
マシュー・ボーン監督の生い立ちが少なからず投影され、
父と子の対立やイギリスの階級制度に対する反撥などが
全編にわたって貫かれています。
ボスの名前がアーサーであるように
ハリーのコードネーム、ガラハッドは円卓の騎士の名前で
ランスロット(ジャック・ダベンポート)
マーリン(マーク・ストロング)
アーサー王の物語に由来しています。

「地球にとって人間はウイルス」が持論の
IT富豪ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)の発想は
明らかにおぞましい優生思想です。
そのくせ、血をみるのが嫌いだったりするのが
さもありなん。
客にビッグマックを振る舞うあたり、バカ丸出し。

で、そのようなキチガイを
皆殺しにするのが教会のシーン。
この教会のモデルは、
実在するウェストボロ・パブティスト教会だそうで
あらゆる偏見で脳みそが腐った連中の集まりなのです。
辟易したハリーが退場しようとするのを引き留めた
キチガイばばあに対してハリーは
「私はカトリックの売春野郎でしてね。
 黒人でユダヤ人のボーイフレンドと
 婚外セックスを楽しむ日々です。
 彼は陸軍の妊娠中絶クリニックで働いてるんですよ。
 では、ヘイル・サタン。」
(映画秘宝2015年10月号より)
という、素晴らしい捨て台詞を吐きます。
ワンテイクで撮影されたこの大殺戮シーンは
殺陣を考えるだけでも恐ろしく大変だと思いますが
ハリーによって文字通りちぎっては投げされる
キチガイどもの死に方が、
これまたいちいち詳細にグロくてエゲツなく、

最高としかいいようがありません。
アクション自体にメッセージ性が強いこのシーン以外でも
本作のアクションシーンには強いケレン味が感じられ、
マシュー・ボーンが監督しなかった『キック・アス2』
欠けていたものを再確認できます。

ところが、たったひとりで教会から出てきたハリーは
映画のクリシェを覆すかのように、
あっさりとヴァレンタインに殺されてしまいます。
この展開には、心底びっくりしました。

そこで、一度はキングスマンの試験に落ちたエグジーが
ボスのアーサーも、
ヴァレンタインにチップを埋め込まれた裏切り者
だと見破ると、
改めてキングスマンの一員に加わり、
ヴァレンタインが主宰するセレブの方舟パーティーに潜入することに。
エグジーが大量の敵を相手に格闘するシーンも
アイデア満載で素晴らしかったし、
ヴァレンタインがタダでばらまいたチップの仕掛けで
世界中の人々が凶暴化するモブシーンも最高でしたが、
なんといっても、方舟に招待されたセレブに埋め込まれたチップの
自爆装置をハッキングして作動させるシーン

いままで観たことがないくらい痛快です。
「威風堂々」にのせて、次々と吹き飛ぶキチガイたちの頭!!
大量の連続スキャナーズ!!

脳みそをぶちまけるんじゃなくて、
花火のようになっていたのは残念だけど仕方がありません。
それでもファンタジックなゴアシーンとして
映画史に残るんじゃないかとさえ思います。

カメラに向かっての大量ゲロシーンからの
ラストはなかなかお下劣ですが
スウェーデン王女とロンドンの元チンピラが
仲良くエッチする(しかも後ろのほうで)
というエンディングは
本作の主旨を貫徹しているように感じました。

英語のアクセントの違いまで理解できたら
もっと楽しめただろうになあと思いつつ、
疑いようのない大傑作でした。



キチガイは皆殺しだーー!!




にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ