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激動の昭和史 沖縄決戦

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(1971年/日本 148分)
監督/岡本喜八 特殊技術/中野昭慶 脚本/新藤兼人 製作/藤本真澄、針生宏 撮影/村井博 美術/村木与四郎 音楽/佐藤勝 録音/渡会伸 照明/佐藤幸次郎 編集/黒岩義民 ナレーター/小林清志
出演/小林桂樹、丹波哲郎、仲代達矢、森幹太、睦五郎、佐々木勝彦、大丸二郎、玉川伊佐男、川津祐介、橋本功、長谷川弘、阿知波信介、田中邦衛、井川比佐志、東野英治郎、池部良、浜村純、加山雄三、岸田森、大空真弓、天本英世、酒井和歌子

概要とあらすじ
沖縄戦を舞台に、十万の軍人と十五万の民間人の運命を描く。脚本は「裸の十九才」の新藤兼人。監督は「座頭市と用心棒」の岡本喜八。撮影は「学園祭の夜 甘い経験」の村井博がそれぞれ担当。1971年7月17日より、東京・日比谷映画にて先行ロードショー。昭和十六年十二月、ハワイ真珠湾奇襲で始まった太平洋戦争は、十七年五月のミッドウェー海戦で日米が攻守ところを換えた。同年八月米軍はソロモン群島のガダルカナル島に上陸した。これは、大本営の予想に約一カ月早い米軍大反撃の開始であった。タラワ、マキン、ギルバート、アーシャル群島と、太平洋を飛び石伝いに米軍は怒涛のように、日本本土を目指して北上して来た……(映画.comより抜粋



捨て石にされた沖縄が生きる地獄

「東宝8・15シリーズ」のひとつとして制作された
岡本喜八監督『激動の昭和史 沖縄決戦』
端役に至るまで豪華キャストで埋め尽くされた、文字通りの大作です。

大本営の動向から、特攻隊が遺した遺書や川柳まで
事実に基づくエピソードが大量に盛り込まれ、
小林清志によるナレーションとスーパーで補足していても
あらかじめ敗戦間際の日本の状況を熟知していないと
追いつけないほど濃密で
これを史実を羅列しているだけと受け取る向きもあるようですが
どんどん追い詰められていく軍司令部の焦燥感が
全体を貫く軸として存在しているのは
新藤兼人の脚本力によるところも大きいのではないでしょうか。
エピソードのなかには単発なものもあるけれど
田中邦衛が演じる散髪屋の存在などは非常に効果的で
物語の推進力になっていました。

実際の人物像がどうだったのか知りませんが
少なくとも本作で描かれる牛島中将(小林桂樹)
名将として沖縄に派遣されたものの、
実際的な活躍は見せず、
大本営と沖縄第三十二軍との調停役に甘んじているようで
ほとんど役に立っているようにはみえません。
魅力的なキャラクターとして描かれているのは
長参謀長(丹波哲郎)八原高級参謀(仲代達矢)
相対する考えを持ったふたり。
長参謀長は玉砕上等の好戦的なマッチョですが
寝言で「おかあさん……」とこぼす弱さもみせます。
かたや八原高級参謀は、戦術に長けたインテリで精神論を用いず、
無駄死にを避け、兵の命を尊重しているようにみえます。
作戦に対する意見は真っ向から対立するふたりですが
お互いが敬意を持っているように感じるし、
軍司令部の迷いをも象徴しているような気がします。
玉砕しかないと考える長参謀長が八原高級参謀に
「オレと一緒に死んでくれ」と涙ながらに訴えるシーン
丹波哲郎の演技は真に迫っていました。

大量の火薬が用いられた戦闘シーンはどれもすさまじく、
リアリズムに徹しています。
腕がちぎれ、脚が吹き飛ぶ地獄絵図が続きます。
とくに、追い詰められた一般市民が
手榴弾で集団自決するシーン
は強烈で
ひと思いに死ねなかった人々が互いを殴って殺し合うさまには
戦争の大義もへったくれもありません。
どんなに無様でも生き延びようとせず、自決してしまうのは
恐慌に陥った集団心理なのかと思っていましたが
学童疎開船対馬丸など、
非武装の一般市民に対するアメリカ軍の容赦ない虐殺を知っているからこそ
殺されるくらいなら自決するほうがましだと
考えたのでしょうか。

「沖縄は本土のためにある」というセリフどおりに
捨て石にされた沖縄。
この状況は現在でも変わっていないのでしょうね。





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