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不良少年

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(原題:Bad Boys 1961年/日本 89分)
監督・脚本/羽仁進 製作/吉野馨治 撮影/金宇満司 音楽/武満徹 録音/安田哲男
出演/山田幸男、吉武広和、山崎耕一郎、黒川靖男木、伊藤正幸、瀬川克弘、佐藤章、中野一夫、和田知恵子

概要とあらすじ
手記「とべない翼」にもとづき、非行少年のシャバでの生活と少年院での姿を、羽仁進が脚本・監督した記録映画的手法による劇映画。撮影したのは金宇満司。銀座を走る一台の護送車。東京地検の一室。浅井の二週間にわたるネリカン生活が始まった。思いはシャバに帰る。浅草は生きやすかった。安い飯や遊び、からかう女にもこと欠かない。彼は親分や兄貴分の下につけない性分だった(映画.comより抜粋



かつての「不良」には理由があった

羽仁進監督『不良少年』
公開当時、かなり高い評価で迎えられたようです。
ドキュメンタリー風の演出でフィクションを撮るという
手法自体が新鮮だったのかもしれません。
まるでとっさに撮影したかのような
荒々しい映像にはリアリティが息づいているものの、
まったく映像と合っていないアフレコによるセリフは
当時の映画制作の大らかさも同時に感じさせてくれます。

「オレは銀座を歩いたことがねえ。
 護送車の中から見ただけだ」

と語る浅井(山田幸男)の少年院での暮らしぶりを中心に
物語が進みます。
この浅井が、いかにもすぐに噛み付く犬のような跳ねっ返りで
『金八先生』の加藤優的な存在ですが、
本作で描かれる「不良」というやつには
どうしても隔世の感があります。

ま、悪いやつらには違いないんですけど
本作に登場する「不良」たちは
どこか牧歌的というか、純粋さが漂っています。
彼らがグレたのには背に腹は代えられないそれなりの理由があって
あくまで生き延びるための手段として道を外れたのであって、
根っからの悪人ではないという扱われ方を
しているように感じます。
また、昔の「不良」というやつは
自ら「ぼくは不良です」と宣言するかのように
「不良」らしいファッションを身につけていて
とてもわかりやすかったものですが、
少なくとも都心では、かつての「不良らしい不良」を
見かけることはありません。
それじゃあ、今となっては「不良」がいなくなったのかといえば
そんなはずもなく、
判別が難しくなったぶん、不気味さが増したように思います。

そんなことはともかく、
同じ少年院ものの『SCUM/スカム(1979)』などと同様に
院内にはでかいツラした親分格のやつがいたり、
教官とうまく立ち回る世渡り上手なやつがいたり、
屏の外となんら代わりのない社会構造が存在しているのです。
浅井は、少年院の中でも
賢く振る舞って対応する器用さはなく、
自分が親分格になってやろうとする野心があるようにもみえません。
浅井はことごとく純粋で、不器用なのです。

クリーニング班から木工班に移された浅井は
心を通わせる友達もできて、
ずいぶん前向きになったような気がします。
やっぱり、自分が誰かに愛されているとか、
愛とまでいわなくとも、信頼されていると実感すること
自己肯定の助けになるんでしょうな。

ついに、浅井が出所の日を迎えたラストシーンは
ビターな結末ではなく、
思いのほか希望を感じさせるものでした。





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