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セルビアン・フィルム

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(原題:SRPSKI FILM 2010年/セルビア 104分)
監督/スルディアン・スパソイエビッチ 脚本/スルディアン・スパソイエビッチ、アレクサンダル・ラディヴォイェヴィッチ 撮影/ネマニャ・ヨヴァノフ
出演/スルジャン・トドロビッチ、スルディアン・スパソイエビッチ、セルゲイ・トリフュノビッチ、エレナ・ガブリロビッチ

概要とあらすじ
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカットされるなど物議をかもしたセルビア製ゴア・スリラーのノーカット版。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。(映画.comより



拷問ポルノで学ぶセルビアの歴史

「20歳以下閲覧禁止」という、『セルビアン・フィルム』。
内容の過激さをアピールするために
こういったハッタリをかます作品もありますが、
本作は確かに子供にはキツいかも。
(いや、大人だってキツいけど)
とはいえ、僕が観た「完全版」のDVDでは
あいかわらず陰部にボカシが入っておりました。
それじゃあ、なんのためのレイティングなのよ、と。
大人をナメンなよ、と。

終始露悪的な本作は
紛う方なき「トーチャー・ポルノ(拷問ポルノ)」
主人公のミロシュ(スルジャン・トドロビッチ)
ポルノ男優なのも、意図的な設定でしょう。
ポルノは性欲を満たすものだけでなく、
食欲を刺激するフード・ポルノなどのように
あらゆる快楽を刺激するものの代名詞。
その快楽の中には暴力も含まれているというわけです。
「トーチャー・ポルノ」は
怖え〜、痛そ〜、最悪〜という
怖いもの(嫌なもの)見たさの快楽を満たしてくれるのです。

当然ながら、ゴア表現もたっぷりありますが
どちらかと言えば、
生理的かつ倫理的な不快感を押し出している印象を受けます。
嫌がらせ映画としては『ファニー・ゲーム』に近いかんじ。
エロや暴力を汚らわしいと嫌悪するけど
こういうの好きだろ? と、
「トーチャー・ポルノ」を楽しむ観客の
ダーク・サイドを刺激してくるのです。
だからこそ、本作は映画の撮影という設定になっているのでしょう。

さらには、タイトルやセリフにもあるように
長きにわたって紛争が続くセルビアを含む、
旧ユーゴスラビアの歴史に対する揶揄も多く含まれているもよう。
あまりこっち方面に首を突っ込むと
えらいことになりそうなのでここで留まるとして、
謎の映画監督ヴィクミル(セルゲイ・トリフュノビッチ)の取り巻きや
ミロシュの兄マルコが警官なのは権力を象徴しているはず。
家族や親戚同士で憎み合い、殺し合ってきた歴史を
近親相姦的レイプに象徴させているように思います。

とはいえ、じつは奥が深そうな設定を
拷問エンターテイメントとして笑い飛ばしているのが見事です。
ミロシュの妻マリヤ(エレナ・ガブリロビッチ)に色目を使う
兄マルコは、ミロシュんちのトイレでセンズリこくし、
ミロシュ家のホームビデをを見ながら
売春婦にフェラガモさせるというキチガイっぷり。

(↑ちょっと誤魔化してみたけど、逆効果な気も)
このマルコが映画監督ヴィクミルとグルなのは
わりと早い段階で察しがつきます。

生まれたばかりの赤ちゃんをレイプする「新生児ポルノ」、
ベッドに縛られた女性をレイプしながらの首チョンパ
……と
最低最悪なシーンが続きます。
どこか屈辱的なイメージがあるからか、
やたらにフェ拉致オ・シーンが多いのですが
ペンチで歯が抜かれた女優をイラ待ちオで窒息死させるシーン
ミロシュがチンコを噛まれるシーンが伏線になっているという、
気の利かせ方。そんな気を使わなくても…

ミロシュが性欲増強剤入りウイスキーを飲まされて
茫然自失&意識朦朧な状態だったのは、ちょっぴり残念。
恐喝されてやむにやまれずとか、
狂気のスイッチが入っちゃったとかなんとか、
ミロシュが自覚を持って行動していたら
さらに凶悪な作品になっていたでしょう。

最後はもう、
性欲キチガイになったミロシュが
意識を失っている妻と息子を立て続けにレイプするという
ゲンナリする状況に。
ミロシュが息子をレイプしているとなりで
兄マルコが妻をレイプしている鬼畜絵巻。
ついにはハゲ警官の眼孔にチンポを突き刺して殺すミロシュ。
ここまでくると残酷を通り越したコメディです。

ミロシュが忘れた記憶をきれいに辿っていったり、
都合が良すぎるところがないわけじゃないが
さらにメタな存在が最後に登場してオール・クリア。

意外にもしっかりと練られた作品のような気がしますが
気のせいかもしれません。





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