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殺し屋たちの挽歌

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(原題:The Hit 1984年/イギリス 94分)
監督/スティーブン・フリアーズ 脚本/ピーター・プリンス
出演/ジョン・ハート、ティム・ロス、テレンス・スタンプ、ラウラ・デル・ソル

概要とあらすじ
「ハイ・フィデリティ」「グリフターズ/詐欺師たち」等の作品で知られるスティーブン・フリアーズ監督初期のサスペンス作品。強盗仲間を裏切り、復讐を恐れてスペインに潜伏したウィリー。だが10年後のある日、彼の元に2人の殺し屋が現れる。彼らの任務はウィリーを誘拐してパリへ連れ戻すこと。さらに途中で巻きこまれた女性も加わり、4人の長い旅が始まった……。殺し屋2人組を個性派俳優ティム・ロスとジョン・ハートが熱演。(映画.comより)



私をパリに連れてって

ハードなガンアクション、男たちの絆と裏切り……
という香港ノワールような
無骨な映画だと思い込んでみてみたら見当違い。
派手なアクションはなく、心理戦をくり返しながら旅する
ロードムービー
でした。

殺し屋に拉致され、その後殺されるであろう緊張感の中、
一緒に旅をするうちに妙な仲間意識が生まれていく…
登場人物たちの立場は全然違うけど
なんとなく『続・激突! カージャック』を思い起こさせました。

ウィリー(テレンス・スタンプ)
司法取引に応じて仲間を裏切り、そのおかげで仲間たちは投獄されるのですが
裁判所へ向かうシーンから映画が始まるので
なぜウィリーが仲間を裏切ることになったのかがわかりません。
殺し屋と一緒に旅するというのがこの作品のテーマなので
裏切りの理由は必要ないといえばそうなんですが
裁判へと向かう準備をするウィリーが
鏡に向かってネクタイを締めながらにやついていたりするので
どーも、いい奴だとは思えません。
ウィリーは自動車で移動する間も終始にやついているので
なんだか、だんだんムカツイてきます。

かといって、殺し屋たちに感情移入することもできず
どういう目線で観ればいいのかいまいちわかりませんでした。
説明的なセリフを入れる必要はありませんが
登場人物それぞれの事情があることを見せてくれると
もっと複雑な思いを味わうことができたのではないでしょうか。
(ウィリーは堅気になるために仲間を売り、
 その後小さいながらも評判のいい店を営んでいた、とか
 殺し屋にとってこの仕事は最後の仕事だ、とか…
 大きなお世話ですか、そうですか、すみません)

途中、車を換えるために知り合いのマンションへ行くも
そこにいたのは知り合いの留守をいいことに、
女を連れ込んで呑気に楽しんでいる知らない男。
こういうエピソードは、いいな〜、好きだな〜と思うのですが
そこにいた女マギー(ラウラ・デル・ソル)
「顔を見られた」という理由で一緒に連れていくことになるのです。
このマギーが完全に足手まとい!
マンションにいた知らない男は一回部屋に戻ってまで殺したのに
いつでも殺せるマギーは全然殺そうとしません。
マギーはどんどんつけあがってくるのですが
すでにマギーに心奪われている下っ端(ティム・ロス)はともかく
殺し屋(ジョン・ハート)がマギーをいつまでも殺さずに
連れて旅しているのか疑問です。
殺し屋もマギーにホの字? そんな描写あったっけな?

ニヤニヤしっぱなしのウィリーは下っ端(ティム・ロス←若い!)を
心理的に揺さぶって、殺し屋との間に内輪もめを起こさせようとするのですが
だからといって、隙を見て逃げる気はない。
なんのためにティムの心を揺さぶってんの!? いぢわる!

終始、余裕綽々のウィリー。
「一発で仕留めてくれる腕のよい殺し屋を望むようになった」
死を覚悟しているかのようにかっこいいことを言ってくれますが
裏切った仲間が待つパリに着く前にいきなり殺されることになると
「え? ここで? いま? パリじゃなくて?」
と、これまたいきなりオロオロし始めるのです。
まだ死なないと思っているうちは余裕を見せるものの
いざ死ぬとなってみると動揺する人間の弱さが伝わるいいシーンですが
やはりいささか唐突な感じがしますね。

常に寡黙な殺し屋(ジョン・ハート)は
その寡黙さゆえにストイックなプロフェッショナルであることは
わかるのですが…いまいち怖くない。

最後、全員を始末した後、登山者らしき服装に着替えたときは
「お、さすがプロ!」と思ったのもつかの間、
検問のそばをとことこ歩いているところを
とどめを刺し損ねたマギーに
「あ、あの人!」とあっさり見つかり、殺されてしまいます。
なんか……いまいち脇が甘くね?(笑)

監督のスティーブン・フリアーズが
この作品をセルフリメイクするというニュースが
2011年にあったのですが、どうなったんでしょう?
もっと暑苦しく、ヒリヒリするように仕立ててくれれば
さらに面白くなりそうな気がするので、期待したいものです。
がんばれ、スティーブン!

(あ、ちなみに音楽はクラプトンとパコ・デ・ルシアです)





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