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バスケットケース

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(原題:Basket Case 1982年/アメリカ 93分)
監督・脚本/フランク・ヘネンロッター 製作/エドガー・イエヴィンス 撮影/ブルース・トーベット 音楽/ガス・ルッソ 編集/フランク・ヘネンロッター 特殊メイク/Kevin Haney、ジョン・キャグリオン・Jr.
出演/ケビン・バン・ヘンテンリック、テリー・スーザン・スミス、ビヴァリー・ボナー、ロイド・ペース、ダイアナ・ブラウン

概要とあらすじ
奇形人間が自分を殺そうとした医者に復讐するという恐怖映画。グレン・フォールズの医師リフランダーが、小さいが恐ろしく奇怪なものに襲われて死亡する。デュアン(ケヴィン・ヴァン・ヘンテンリック)がニューヨークの42番街を歩いている。バスケットケースを大事そうにかかえた彼は、とある安ホテルに泊った…(映画.comより抜粋



人間愛と見せかけてからのエロキチガイ

ホラー映画好きの間で名高い
『バスケットケース』
ミッドナイト・ムービーとしてロング・ランを記録したという本作は
あからさまにB級映画です。
でもなんだかよくわからない魅力があるのは
確かなのです。

冒頭からいきなりサスペンスフルな展開で
まずは最初の犠牲者が生まれますが
そこはさらっと流すとして
バスケットケースを抱えてニューヨークにやってきた
好青年ドゥエイン(ケビン・バン・ヘンテンリック)
いかにも安そうなホテルに宿をとります。
バスケットケースの中身がなんなのかは
どんなバカでも察しがつくはずですが
なかなか「中身」の姿を見せないあたり、秀逸です。

最初のターゲットを仕留めるときになって
ようやくバスケットケースの中身=ベリアル登場。
おそろしいほどチープだけど、いやそれ故に
いびつさが際だつベリアル。
ベリアルが大食漢のような描写があったわりには
人間を襲って食べているわけではなく、殺している
のですが
なにがどうなって殺されたのかはよくわからず、
とにかく被害者は絶叫し、血まみれで息絶えるのです。

ドゥエインとベリアルは
テレパシーで会話ができるのですが
ドゥエインがベリアルに内緒で病院の受付嬢とデートしている間、
ひとり部屋に残されたベリアルは
なんだかいてもたってもいられなくなったようで
暴れまくって隣人を殺してしまいます。

ホテルが大騒ぎになるなか、ドゥエインが帰ってくると
なんとか逃げたベリアルは便器の中に隠れていたのでした。
てことは、見つかったらマズイという意識はあるのか、一応。

たまたま入ったバーで、同じホテルに住むホステスと会い、
意気投合して酒を酌み交わし、ドゥエインが泥酔するうちに
自分とベリアルの生い立ちを語ってしまうというシーン
あからさまな説明パートですが、わりと好感が持てます。

じつは、ドゥエインとベリアルはシャム双生児
ベリアルを化け物としか思わない父親によって切り離されたのでした。
(母親は出産時に死亡したもよう)
その切断手術を行なったの3人の医師に
復讐するのがドゥエインとベリアルの目的
なのです。
このふたりが、
文字通り分かちがたく結ばれているのがよくわかるし、
手術直後、生きているにもかかわらず黒いゴミ袋に入れられ、
他のゴミと一緒に捨てられていたベリアルをみれば
自然と心が切なさで溢れます。
たまたま奇怪な風貌で生まれてしまっただけのベリアルが
でき物のように扱われる哀しさ……

なるほど、チープなB級ホラーの裏に
こんな切ない物語があるから伝説の映画になったんだな、
なんて思っていると、
ホステスの部屋に忍び込んだベリアルは
ホステスが脱ぎ捨てた真っ赤なパンツを盗んでくる
のです。
……え?

じつは医者ではなく獣医だった最後のターゲットを仕留めたふたり。
この獣医の元で働く受付嬢が双子なんていう
小技もありましたがそれはともかく、
「あなたのことが忘れられないの!」という最初の受付嬢と
ドゥエインがいいかんじになると、
またしても暴れ始めるベリアル。
ベリアルは、ちっともかわいそうなやつではなく、
童貞弟の恋路を邪魔するエロキチガイなのです!

唐突に目が赤く光るベリアル。
いくら外見が醜くても人間だと思っていたのに
目が赤くなっちゃったらそれはもう怪物だろ?
怪物と化したベリアルは受付嬢の家に忍び込み、
なんと、レイプするのです!
受付嬢の家に向かうベリアルは全裸のドゥエインの姿!
一心同体ってことか! わからんぞ!
ていうか、チンコあったのか、ベリアル!

ついには、ドゥエインに襲いかかり殺してしまうベリアル。
ぜんぜん、いい話じゃないのです。
ベリアルはものすごく身勝手なのでした。

ベリアルは、童貞ドゥエインの性欲のメタファであり、
父親殺しを行なうオルターエゴ、
若者特有の過剰な自尊心の象徴……と
深読みしようとすればできなくもなさそうだけど
たぶん、フランク・ヘネンロッター監督
そんなこと1ミリも考えていないだろうな〜





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コメント

ゴミみたいなやつがゴミだった、という非常に明朗かつ気高いスピリットが感じられる映画でしたね。

気分爽快なうえに、明日からもまた生きていこうか、という勇気さえもらいました。

2015/08/03 (月) 00:02:08 | URL | 朕 #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 朕さん
コメントありがとうございます。
ポジティブですねぇw

2015/08/03 (月) 09:35:40 | URL | のほうず #- [ 編集 ]

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