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サンタ・サングレ 聖なる血

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(原題:Santa Sangre 1989年/イタリア 122分)
監督/アレハンドロ・ホドロフスキー 脚本/アレハンドロ・ホドロフスキー、クラウディオ・アルジェント、ロベルト・レオーニ 原案/ロベルト・レオーニ、アレハンドロ・ホドロフスキー 製作/クラウディオ・アルジェント 撮影/ダニエレ・ナヌッツィ 音楽/サイモン・ボスウェル 編集/マウロ・ボナンニ
出演/アクセル・ホドロフスキー、ガイ・ストックウェル、ブランカ・グエッラ、セルマ・ティゾー、サブリナ・デニスン、アダン・ホドロフスキー

概要とあらすじ
連続殺人に手を染める青年の異常心理をオカルト・タッチで描く。メキシコ・シティのグリンゴ・サーカスの団長オルゴ(ガイ・ストックウェル)と妻コンチャ(ブランカ・グエッラ)の一人息子フェニックス(アダン・ホドロフスキー)は、感受性の豊かな少年だった。彼は、刺青の女(セルマ・ティゾー)が連れている聾唖の少女アルマに好意をよせていたが、ある夜オルゴと刺青の女との浮気を目撃したコンチャは、夫の下腹部に硫酸をかけ、激怒した彼は妻の両腕をナイフで切り落とし、自らも喉をかききって自殺して果てる、という事件が起きた…(映画.comより抜粋



猟奇的マザコン、抑圧された大蛇

公開当時、勇んで観に行って爆睡した記憶がある
『サンタ・サングレ 聖なる血』
退屈だったから、爆睡したわけではありません。
ていうか、爆睡してたんだから
退屈だったかどうかもわからないのですが
若かったぼくは、映画の日になると
バイトを休んで3本くらい映画館をはしごしていた
のです。
冷静に考えると、いくら映画の日が割安だからと行って
バイトを休んでしまえばコスパ的に割に合わないので
文字通り、貧乏人の銭失いだったわけですが
それも遠い昔の思ひ出。フォーエバー・ヤング。

ホドロフスキー監督が「はじめて商業映画を意識した」という本作。
それでこれかよと思うかもしれませんが
他の作品に比べると若干わかりやすい、というか
扇情的な表現が多いように感じます。
これまでも血だらけだったり、グロかったりしてたけれど
本作のそれはいかにもスプラッター・ホラー的
怖がらせよう=楽しませようという意識は確かに感じます。
ホラー要素が加わったのは、
ダリオ・アルジェントの弟、クラウディオ・アルジェント
製作しているからでしょうか。
30人の女性を殺し、庭に埋めていたという
メキシコの分裂症の人物に取材した
といういわく付き。

そうはいっても、やっぱり
ホドロフスキー印の本作。
見せ物小屋的サーカス団を舞台にフリークスたちが躍動します。

サーカス団の一人息子フェニックスの
幼少期を演じているのはアダン・ホドロフスキー
青年期を演じているのはアクセル・ホドロフスキー
当然、ホドロフスキーの息子たちです。
ちなみに、二人は『リアリティーのダンス』でも共演していますが
この作品ではもう一人の息子、『エル・トポ』のフリチンぼうや、
ブロンティス・ホドロフスキーが主役を務めています。
(ホドさんの息子は5人います)

両腕を切り落とされたうえにレイプされて死んだ少女
聖人として祀る宗教の指導者だったフェニックスの母親は嫉妬深く、
サーカス団団長の父親と全身刺青のダンサーとの浮気を目撃。
逆上して、H2SO4(=硫酸)を父親の股間にぶっかけます。
痛みに苦しみながら怒り狂った父親は
ナイフでスパッと母親の両腕を切り落とし(ありゃ無理だろー)
我に返ったのか自らも喉をかききって死んでしまいます。
その一部始終を見ていたフェニックスの精神は崩壊し、
精神病院で過ごすことになったのでした。

胸に父親が(雑に)彫った鳥の刺青があるからか、名前のせいか、
自分を鳥だと思っていたフェニックスでしたが
ある日突然、独房の外から名前を呼ぶ両腕のない母親が登場。
いとも簡単に脱走したフェニックスは
再び母親と一緒にショーをやるようになるのです。
両腕のない母親とその背後に隠れたフェニックスによる二人羽織。
フェニックスは赤いつけ爪をつけ、
母親の言葉と感情どおりに腕を動かします。

ぼくの推測ですが、
フェニックスの母親は
父親に両腕を切り落とされた時点で死んでいるのではないでしょうか。

唐突にフェニックスを迎えに来て以降、
フェニックスは母親の亡霊と過ごしていたように思えます。
やがて母親の亡霊に支配されるようになったフェニックスは
苦しみ始めます。
ひとりのときのフェニックスは、
股間から大蛇が飛び出すほど異性に欲情しますが
嫉妬深い母親はフェニックスと一心同体となって
寄りつく女を排除し、殺してしまうのです。
(殺されて埋められた女性たちがゾンビのように生き返るシーンでは
 死体がみなヴェールをかぶっている
猟奇的なマザコンに苦しむフェニックスは
透明人間になろうとして失敗しますが
かれは自分の存在を消してしまいたいと
考えていたのではないでしょうか。
ついに母親を殺したフェニックスの足元に横たわっていたのは
腕のない人形でした。

全編を彩るラテン音楽と猥雑な町並みは
やっぱり、ほかのホドロフスキー作品の神話的世界とは違う
下世話さに溢れている作品です。





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