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Mr.タスク

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(原題:Tusk 2014年/アメリカ 102分)
監督/ケビン・スミス 脚本/ケビン・スミス、スコット・モシャー 撮影/ジェームズ・ラクストン 美術/ジョン・D・クレッチマー 音楽/クリストファー・ドレイク
出演/ジャスティン・ロング、マイケル・パークス、ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジェネシス・ロドリゲス、ジョニー・デップ、リリー=ローズ・デップ

概要とあらすじ
人間とセイウチの融合を目論む老人の狂気を、「クラークス」「ドグマ」のケビン・スミス監督が描いたホラー。ポッドキャストを運営するウォレスは、航海の話を聞いてほしいという老人の家を取材のため訪れる。ハワードと名乗るその老人から手厚いもてなしを受けたウォレスだが、出された紅茶に睡眠薬が含まれており、気を失ってしまう。目が覚めると足の感覚がなく、パニックに陥るウォレスに対し、ハワードは「これから君はセイウチになるんだ」と告げる。一方、消息を絶ったウォレスを心配し、友人のテディと恋人のアリーがウォレスの足跡をたどっていた。(映画.comより



正真正銘のクソゴミ映画

だれもが『ムカデ人間』を思い浮かべる
『Mr.タスク』
人間を拉致してセイウチに改造するというお話で
くだらないB級ホラーが大好物な僕は
それはそれは期待していたのですが……
あまりのクソつまらなさに
映画の途中から怒りがこみ上げてきました。

なかなかかっこいいポスターのビジュアルに釣られると
非道い目に合います。
あのデザインはミスリードなのか、精一杯のフォローなのか。

ポッドキャストの取材で
ロスからカナダへやってきたウォレス(ジャスティン・ロング)
ところが取材相手の「キルビル小僧」はすでに自殺していて
途方に暮れて入ったバーのトイレにあった、
世界を旅して経験した面白い話を聞かせますという貼り紙を見て
貼り紙の主である謎の老人ハワード・ハウ(マイケル・パークス)
暮らす屋敷へと向かいます。
(なぜかタランティーノへのオマージュがいくつも)

とにかく、あいだあいだに挟まれる
時間を引き延ばすしか効果がなさそうな会話が
ことごとくつまらない。

空港職員との会話も、彼女との会話も
なにひとつ面白くなく、物語にはまったく作用しません。
もしかしたら、アメリカ人ならバカウケのカナダネタとか、
英語のイントネーションによる笑いとかが
あるのかもしれませんが、
こちとら、そんなもん知ったこっちゃありません。

ウォレスがハワードの屋敷に到着し、
振る舞われた紅茶に毒が盛ってあってバタンキューになるのは
わかりきっているのですが
ここがまた、長くてどうでもいい話を延々と聞かされます。
ハワードの不気味さを演出しようとしているのかもしれませんが
やたらとたとえ話が多く、
ちっとも怖さが伝わってきません。
繰り返しますが、
紅茶を飲んでバタンキューなのはわかっているんですから
とっとと倒れればいいのに、
ウォレスに薬が効き始めてからがこれまた長い。

この間、物語は1mmも進展せず、
ただ待ちぼうけを食らっているような気分になります。

ウォレスに意識が戻ったときには
左脚を切断されて車イスに座らされているのですが
(キルビル小僧が切断したのは右脚なのに、まったく)
ハワードは
「医者は回診中で来られない」だの
「医者が電話を全部持っていった」だの
「君のスマホは踏んで壊れた」だの
子供の言い訳のようなことを繰り返します。
この期に及んでこんな嘘、全然必要ないじゃん。
しかもウォレスのスマホは、
これみよがしにテーブルの上に置いてあり、

彼女のアリー(ジェネシス・ロドリゲス)から
電話がかかってくるのですよ。
受信できなかったウォレスはすぐに折り返し、
留守電に助けてくれとメッセージを残したことで
アリーと親友テディ(ハーレイ・ジョエル・オスメント)
ウォレスの捜索を始めるわけですが、
ハワードよ、
スマホが壊れたことまで嘘でどうすんのよ! スマホは壊せよ!
あまりにもわざとらしいこの展開に
はは〜ん、ハワードがウォレスの友人をおびき出して
餌食にするために仕掛けた罠なんだろうな、と思っていたら
裏なんて、な〜んにもない!
ただのうっかりかよ! 信じられないよ!


ウォレスがメッセージを入れているとシーンが変わり、
泣きながらカメラ目線でおろおろ訴えているアリー。
こういう編集自体が物語の進行を阻害しているのですが
画面の左から伸びてきた手がアリーの頬をなでると
アリーはその手のほうを向いて話を続けるのです。
……じゃあ、あのカメラ目線は誰と話してたんだよ!
でまあ、アリーの浮気相手はテディなわけで
そんなことはわかりきっているのですが
にもかかわらず中途半端にもったいぶった演出で、
なにひとつ驚きがありません。

面白くも何ともない会話で時間を引き延ばすわりには
ウォレスの全身がセイウチにされてしまうのは一瞬。
いやいや、ちょっとずつセイウチっぽくなっていく過程の
ディティールが面白いんじゃないのかよ。
しかも出来上がった元ウォレスことMr.タスクは
あきらかな着ぐるみ。
ま、こういう安っぽさは嫌いじゃないけど。
その後もハワードは、あいかわらずグズグズ喋り続けますが
このあたりになると完全にイライラしている僕は
もう、そんな話はいいから早く先に進めろよ! と
心の中で叫んでおりました。

本作にジョニー・デップが出演していることを知らなかったので
観ているときはまったく気がつきませんでしたが
アリーとテディの捜索を助けるアル中探偵がジョニー。
まあ、もうそんなことはどうでもいいや。
3人がハワードの屋敷にたどり着くころには
ハワードがセイウチ風の着ぐるみを着て
元ウォレスことMr.タスクに勝負を挑む
のです。
いやいや、ハワードがくどくどと説明していた理屈だと
人間対セイウチでセイウチが勝たないとだめなんじゃないの?
セイウチ対セイウチにしちゃダメなんじゃないの?

ついに元ウォレスことMr.タスクを目撃したアリーとテディ。
なぜか遅れて到着したアル中探偵は
静かな表情でウォレスに銃口を向けるのですが
……撃たない。
そして次のシーンへ。なにそれ?

本作の監督ほどバカじゃないマトモな観客なら
アル中探偵がふたりと一緒じゃない時点で
なにかしら裏があって(アル中は別行動をしていて)
なんなら、ハワードとグルなんじゃないかと思うわけですよ。
ところが、なーんにもなし。
ただ遅れていただけ。なにそれ?

「やめて! あれはウォレスよ!」
「あれはもうバケモンだ! 仕方がないんだ!」
てな、やり取りがあってさ、
観念した元ウォレスが涙を流しながら
自分を撃ち殺してくれと訴えたりすれば
少しは切なくなったかもしれないし、
「たとえバケモンだったとしても、私はウォレスを愛してるの!」と
アリーが元ウォレスを連れ帰って
プール付きの家で仲良く暮らしてるとかさ、
もうちょっと、なんかあるだろうよ。

結局、元ウォレスことMr.タスクは
動物園みたいなところで暮らしているのですが
それならそれで、あんな閑古鳥が鳴いてるような寂しい場所じゃなくて
すごい人気者になって見物客が押し寄せて
Mr.タスクグッズなんかもバンバン売れてれば
ポッドキャストをやってたときより人気が出たねっていう
皮肉も効いたと思うんすけどねぇ。

エンドロールでは、一連の物語を
ゲラゲラ笑いながらポッドキャストで放送している音声が。

面白くも何ともないことに自分たちだけでバカウケする笑い声からは
絶望的な知能の低さしか感じられず、
吐き気がしました。

かろうじて本作に見どころがあるとすれば
『シックス・センス』や『A.I.』の頃と比べて
すっかり印象が変わり果てたオスメントくんでしょうか。
まあ、人気子役の宿命でもありますが
オスメントくんの変貌ぶりの面白さは
じつは何も変わっていないこと
なんじゃないかと気づきました。
目・鼻・口は子供の頃のままなのですよ!
にもかかわらず、周りが、ガワが
(要するに顔のサイズが)拡大されているので
へたくそなコラみたいに見えるのです!
(↑これ以上ない失礼ないい方)

オスメントくんのおかげで、
なんとか心の均衡を保つことが出来ましたが
「くだらないことの面白さ」すらない本作は
正真正銘のクソゴミ映画です。





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