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ヘウォンの恋愛日記

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(原題:Nobody's Daughter Haewon 2013年/韓国 90分)
監督・脚本/ホン・サンス 撮影/キム・ヒョング、パク・ホンニョル 編集/ハム・ソンウォン 音楽/チョン・ヨンジン
出演/チョン・ウンチェ、イ・ソンギュン、ユ・ジュンサン、イェ・ジウォン、ジェーン・バーキン

概要とあらすじ
韓国国内はもとよりヨーロッパでも高い評価を得ているホン・サンス監督が手がけ、2013年・第63回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品された恋愛映画。教授であるソンジュンと秘密の恋人関係にある大学生のヘウォンは、ソンジュンとの関係を終わらせようと考えていた。しかし、母親がカナダに移住することになり、その別れのつらさに落ち込んでしまい、ソンジュンに連絡を取ってしまう。主人公ヘウォンは、「超能力者」で銀幕デビューしたモデルで女優のチョン・ウンチェ。ソンギュン役には、「アバンチュールはパリで」「教授とわたし、そして映画」に続いてのホン・サンス作品となる「コーヒープリンス1号店」のイ・ソンギュン。また、ジェーン・バーキンが本人たっての希望でカメオ出演を果たしている。(映画.comより



いつになく湿っぽく、エモーショナル

大好きなホン・サンス監督ですが、
彼の作品を何本も観ていると、ものすごい既視感に囚われます。
生活のために大学教授をやっている映画監督が登場し、
いつも同じ俳優が同じような物語を演じているのをみると
一体、ホン・サンスのどの映画のどのシーンを観ているのか
曖昧になってくるのです。

ホン・サンス監督作品は、
似たようなシチュエーションが繰り返されるにもかかわらず、
決して退屈にならないのが不思議です。
毎回少しだけ違う物語は
人生の(おもに恋愛事情の)バリエーションでしかないようにみえますが
そもそも僕たちの人生は誰にでも起こりうることの
ひとつのバリエーションでしかないわけで
(だからこそ共感したり反撥したりできるわけで)
人生のケース・スタディの一種だともいえるのではないでしょうか。
タイム・パラドクスに迷い込んだように
選択の微妙な差異を繰り返し経験しながら
よりベターな結末を探っているような気がします。
いや、もしかしたら結末すら求めていないのかもしれません。

『ヘウォンの恋愛日記』
『ソニはご機嫌ななめ』
『教授とわたし、そして映画』などの作品と連なる物語で
本作のヒロイン、映画学校の生徒ヘウォン(チョン・ウンチェ)
映画監督で教授のソンジュン(イ・ソンギュン)と不倫関係です。
ヘウォンが書く日記がモノローグとなっていますが
日記を書いているヘウォンはついうとうとしてしまいます。
ヘウォンがうたた寝で見る夢の中には
ジェーン・バーキンが登場し、
(ていうか、ジェーン・バーキンだとは全然わからなかったけど。
 バーキンたっての希望での出演だとか)
「あなたの英語の発音はキレイね。
 私の娘(おそらくシャルロット・ゲーンズブール)に似てるわ。
 電話番号を教えるから連絡してね」

と、いうのです。
ヘウォンが夢で見る光景はあきらかに彼女の願望を表していて、
カナダに移住して韓国に戻るつもりはないという、
なんだか自由奔放そうな母親の行動の影響もあってか、
ヘウォンが新しい環境に身を置きたいと考えているのは明らかです。

スタイルが良く、誰の目にもあきらかに美人のヘウォンは
強い独立心とは裏腹に、若干依存体質なきらいも見受けられ、
教授との関係が破綻したあと、すぐにほかの男と関係を持ってしまったり、
母と別れる寂しさを埋めるために、
別れたはずのソンジュン教授に連絡してしまうのです。
『ソニはご機嫌ななめ』のヒロインも同様に
優柔不断でした。

ソンジュンのほうも、ものすごく優柔不断で
現在の結婚生活を清算するつもりもないくせに、
ヘウォンがほかの男とつきあっていたと知ると激高し、
身勝手な独占欲を露わにするのです。

タバコと酒はホン・サンス作品に付きものなので、
ここまできたら必ず登場してくれないと困るくらいですが
弁当としてカップラーメンを持参するのは
韓国ではあたりまえなんでしょうか。
ほかの韓国映画でも、屋外でカップラーメンを食べるのを
みたことがありますが…文化の違いってやつ?

ホン・サンス作品は
あたかも一切の共感を拒否するかのような客観性で
登場人物たちの恋愛事情を観察するようなものが多いのですが
本作は、とりわけ湿っぽく情緒的です。
ヘウォンの心の揺れが、
いつになくエモーショナルに描かれていると感じました。





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