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パラダイス 希望

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(原題:Paradies: Hoffnung 2012年/オーストリア 91分)
監督・製作/ウルリッヒ・ザイドル 脚本/ウルリッヒ・ザイドル、ベロニカ・フランツ 撮影/ボルフガング・ターラー、エドワード・ラックマン 美術/アンドレアス・ドンハウザー、レナーテ・マルティン 編集/クリストフ・シェルテンライプ
出演/メラニー・レンツ、ジョセフ・ロレンツ、ミヒャエル・トーマス、ビビアン・バルトシュ

概要とあらすじ
オーストリアの鬼才ウルリッヒ・ザイドル監督が手がけた「パラダイス3部作」の第3作。第1作の主人公テレサの娘メラニーのほろ苦い初恋を、アマチュア俳優を多数起用した即興演出ならではのリアルなタッチで描き出す。夏休みに青少年向けのダイエット合宿に参加した13歳の少女メラニーは、そこで出会った歳上の医師に恋をしてしまう。親子以上に歳の離れた医師を無邪気に誘惑するメラニーだったが、医師は道ならぬ恋に戸惑い、彼女を遠ざけようとする。自暴自棄に陥ったメラニーは、夜の街へと飛び出し……。2013年・第63回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。日本では同年の第26回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で3部作が上映され、14年劇場公開。(映画.comより



パラダイスに希望はあるのか?

さてさて、ウルリッヒ・ザイドル監督「パラダイス3部作」の
第3作、『パラダイス 希望』です。

第1作『パラダイス 愛』のヒロイン、テレサが
バカンスでケニアに行くために
第2作『パラダイス 神』の妹アンナ・マリアに預けたのが
飼い猫と娘のメラニー(メラニー・レンツ)
ところがメラニーはアンナ・マリアに預けられたのではなく、
肥満児が集まるダイエット合宿に参加するのが目的だったのです。

見た目じゃちょっとわからないけれど
メラニーはまだ13歳。
恋に恋する乙女であり、ヴァージンなのです。
合宿で同部屋になった女の子の中には
とっくに初体験を済ませているコもいたりして
メラニーは先輩女子の体験談に恥じらいながらも興味津々です。

ダイエット合宿に集まった肥満児たちは
運動したり、食事を制限されたりしますが
本人たちにはまったく問題意識がなく、
どうみても一向に痩せそうにありません。
むしろ1日中年齢が近い友達と夜更かししたりすることを
楽しんでいるようすで
酒を飲んだり、タバコを吸ったりしては
教官から叱られています。

そんななか、メラニーが恋心を芽生えさせてしまった相手は
中年の医師(ジョセフ・ロレンツ)
最初は、医師のほうが
おそらくは思春期の子供をからかおうとして
(でも、半分は本気で口説こうとする気持ちもあって)
メラニーに接していたのですが
うぶなメラニーがその気になってしまい、
医師はとまどうのです。
なんたって、相手は13歳の少女。
淫行、淫行。
メラニーの執拗な誘惑にふら〜っとなりますが
医師はギリギリのところで留まり、
自分を律するために
メラニーを避けるようになるのでした。

はてさて。
「パラダイス三部作」と名づけられた3本の映画は
それぞれのヒロインが思い描く「パラダイス」
描いています。
第1作で性を謳歌する「パラダイス」。
第2作では「パラダイス」を神に求めています。
で、本作のヒロイン、メラニーの「パラダイス」は
初恋ということになりそうですが
では、本作における「希望」とはなんでしょうか。

最終的に無残な結末を向かえるとしても
誰かに恋をするということそのものが希望なのか。
医師との失恋がメラニーのこれからの人生に
教訓を与えたことが「希望」なのか……。
僕にはわかりません。

でも、第3作を少女の恋愛で結んだのは
毎度同じような希望を持ち、毎度同じように失望するけれど
また繰り返し次の「パラダイス」を期待してしまう人間の
正直な欲望に対する慈愛の念を感じます。
この三部作で登場する女性たちは
あからさまに容姿が醜いのですが
だからこそ人間の醜さを責め立てるわけではなく、
人間のありのままを愛するべきだとでもいうような
愚かさを愛でるような優しさを
感じてしまいます。

視点は終始シニカルですが
決して上段から人間を断じようとしない客観性、
というか、辛辣な観察眼が冴えわたった
三部作でした。






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