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007/スカイフォール

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(原題:Skyfall 2012年/イギリス・アメリカ 143分)
監督/サム・メンデス 脚本/ニール・パービス
出演/ダニエル・クレイグ、ジュディ・デンチ、ハビエル・バルデム、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス

あらすじ
「007」シリーズの第23作で、「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」に続きダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる。各国のテロ組織に潜入している工作員を記録したMI6のハードディスクが何者かに奪われ、ボンドは犯人を追いつめるが、MI6の長官Mの命令で放たれた銃弾に撃たれ、橋の上から谷底へと落ちていく。Mはリストが奪われた責任を追及され辞職を迫られるが、これを拒否。しかしその直後、リストを奪った犯人によりMI6のオフィスが爆破され、さらなる犠牲者を出してしまう。このニュースを見たボンドは再びMのもとへ舞い戻り、現場へ復帰。犯人の手がかりを求めて上海へと渡る。「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデスがメガホンをとり、シリーズ初のオスカー監督が手がける「007」となった。ボンドガールは仏女優ベレニス・マーロウと英女優ナオミ・ハリス。悪役に「ノーカントリー」のハビエル・バルデム。M役はシリーズおなじみのジュディ・デンチ。(映画.comより)



ナオミ、僕とつき合ってくれませんか?

『007/スカイフォール』を観るにあたって
『007/ゴールドフィンガー』を予習として観たものの、
ずいぶん長い間『007シリーズ』とはご無沙汰だったので
残念ながら、この作品がシリーズの中で
どのような位置づけをされるのかという分析はできません。
ですから、この『スカイフォール』単体での感想となりますのよ。おほほ。

オープニングから、いきなり怒濤のアクションでした。
エキゾチックな街の雑踏の中、屋台や出店をぶっ壊しながらのバイクでの追跡。
そして、列車の屋根の上での殴り合い…
ものすごく既視感を憶えるシチュエーションでありながら
なぜか新鮮で、一気に作品世界に引き込まれました。
逃げる犯人と追うボンドだけではなく、それを追走するイヴ(ナオミ・ハリス)の存在が
観客も一緒に追走しているような気にさせるのです。
こんなふうに始まる映画が面白くないわけがない!

そしてなにより、イヴ(ナオミ・ハリス)が可愛い!!
激しい追跡劇にドキドキしながら、ナオミが映るたびに(←もう呼び捨てw)
「やべぇ、可愛い〜」と思ってしまうのです。
キュートなのにセクシー、しかもアクティブ、そしてアフロヘアに貧乳……
ナオミは完璧です。
異論は認めません。聞く耳も持ちません。話し合う気もありません。

そして、1回目の「フォール」。
この作品のタイトル『スカイフォール』は重要な意味を持っていますが
僕は「フォール=落ちる」がこの作品のキーワードになっていると読みました。

ナオミはボンドを撃ってしまった(…いいんだ、ナオミは悪くない)。
それを知ったM(ジュディ・デンチ)が窓の外に目をやると雨の音。
その雨の音がそのままボンドが流される河の音となる。
カッコイイ〜! これだよ、映画の喜びは!

ここからアデルが歌う主題歌に乗せてタイトルバック。
ていうか、もうここはMVといってもいいでしょう。
戸田なっちゃんによる歌詞の訳なんて見なくていいので
映像を凝視して気分を盛り上げましょう。

死んだと思われていたボンドは生きていた(そりゃそうだ)。
しかし、酒浸りで落ちぶれていた。
かたやMI6という組織そのものも、今や古くさいものとして
落ちぶれたと思われている。
復帰したボンドも手元はガタガタでスパイ試験も不合格。

上海でのシーン。広告の青い光をバックに格闘する二人のシルエット。
ノワールですな〜。2回目の「フォール」。


この作品では、全体を通して「過去と現在」の対立が描かれています。
ボンドの過去の活躍と現在の肉体的衰弱。
MおよびMI6の過去の栄光と現在の技術的脆弱さ。
そして過去にとりつかれたシルヴァ(ハビエル・バルデム)の現在への復讐。
(シルヴァ自身がMの過去でもあります)

シルヴァに扮するハビエル・バルデムはまさに怪演というべき存在感でした。
『ノーカントリー』での気味悪い役柄がそのまま饒舌になったようなかんじでした。

ハビエル・バルデムは野性的な面立ちなのに
なぜか知性的にも見えるんですよね。そこが気味悪いんです。

ハビエル・バルデムのほかにも
Qを演じるベン・ウィショーや薄幸の美女セヴリンに扮するベレニス・マーロウも
ちょっとした表情や微妙な目の動きなどで心理を表現する
達者な役者さんばかりでした。

やがてストーリーはクライマックス、
『スカイフォール』の原点へと向かいます。
おそらくは今まで語られることのなかったボンドの出生の秘密が明かされます。
激しい銃撃戦の後、3回目の「フォール」。
水中でもがきながら、湖面に張った氷を見上げるボンドが灯す発煙筒の光は
過去が現在に対して反撃ののろしを上げたように見えました。
「浮かび上がるんだ、地上へ!」(←勝手なアフレコ)

Mに対するシルヴァの怨念はただの腹いせではありませんでした。
母なるMに対するマザー・コンプレックスだったのです。
シルヴァはMに最後まで見捨てずに守ってほしかったのです。
これがシルヴァをただの悪党にしない深みをもたらしました。
僕には、ボンドとシルヴァが不幸な兄弟のように見えました。
生き残った不幸な兄弟「ネズミ」は殺し合うしかないのです。

さて、予習として観ておいた『007/ゴールドフィンガー』ですが
観ていなくともストーリーを理解するうえで支障を来すわけではありません。
ただ、あらかじめ『007/ゴールドフィンガー』を知っておくと
あるシーンでニヤっとできます。
ニヤっとできるかどうかは、随分違いますよね(ニヤっ)。
クライマックスでも過去の遺物が活躍するのです(ニヤっ)。

『007シリーズ』のように、世界中の人がだいたいの設定を知っている映画は
そんなに多くはないと思います。
常に予想外の展開を見せられる楽しみはもちろんあるのですが
吉本新喜劇のギャグのように「言うぞ…言うぞ…ほら言った!!」というような
待ってました的面白さはそれとは別に確実にあるのです。
『007シリーズ』はすでにひとつのジャンル・ムービーといっても
いいんじゃないでしょうか(ただ、まったく汎用性はないけどw)。

そういった『007シリーズ』の定番要素は抑えつつ、
意外性も盛り込んでいくという作業は
作り手として楽しそうだな〜と思いました。
一般的に、こういう定番フォーマットは
自由な発想の足枷になると思われているんじゃないでしょうか?
ところがそうでもないのです。
フォーマットという「型」があるからこそ、それを出発点にして
「自分ならこうやって型を壊してやるぞ」と思えるものなのです。
「型」がかえって創作意欲を刺激することもあるのです。

みなさんご存じ「デンデケデンデ〜ン〜デデデ」のテーマソングも
「あ〜ここで〜キタ〜〜」というタイミングで使われています。
もうね、
「あの曲をメインで使うほど俺たちはダサくないですよー。
 でも一応あれ聞かないと007じゃないよね、はい、どうぞ」って
言われているようです。仰るとおりです。ありがとうございます。

見終わった瞬間、たて続けにもう一回観たい。
そう思わせるような傑作でした。





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