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神田川淫乱戦争

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(1983年/日本 60分)
監督・脚本/黒沢清 撮影/瓜生敏彦 助監督/水谷俊之、周防正行、塩田明彦
出演/麻生うさぎ、美野真琴、岸野萌圓、沢木ミミ 、森太津也、周防正行

概要とあらすじ
1983年(昭和58年)、黒沢清の27歳のときに製作された作品である。撮影は福田克彦監督の『三里塚ノート3 土の行進 三里塚14年、青年たちはいま』(1981年)等を手がけた瓜生敏彦、編集は井筒和幸監督の『ガキ帝国』(1981年)を手がけ、のちに周防正行監督の『Shall we ダンス?』(1996年)や塩田明彦監督の『黄泉がえり』(2003年)を手がける菊地純一、美術は現在映画監督の万田邦敏、助監督を現在映画監督の水谷俊之と周防、塩田、製作助手を立教大学セント・ポールズ・プロダクション出身でパロディアス・ユニティのメンバーである勝野宏、浅野秀二、笠原幸一が務めている。浅野は現在VFXプロデューサーであり、のちに塩田監督の『黄泉がえり』、黒沢監督の『回路』を手がけている。(wikipediaより



熱くて甘酸っぱいアマチュアリズム

黒沢清監督のデビュー作『神田川淫乱戦争』
ちゃんと劇場公開された作品ですが
自主制作臭がぷんぷんする仕上がりのピンク映画です。
スタッフをみると、後に日本映画界を背負う
錚々たるメンバーが名を連ねますが
なにしろみなさん若すぎて、
顔を見てもなかなかすぐには気がつきません。

決して絶世の美人ではないけれど
天真爛漫さが魅力の麻生うさぎ扮する明子
会社にはまったく行かず、
アパートの一室で恋人の良(森太津也=ドキュメンタリー監督の森達也)
セックスに明け暮れています。
とはいえ、ヤリたくて仕方がないのは良のほうで、
明子はちっとも気持ちよくないご様子。
そういえば『ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985)』
洞口依子が演じたヒロインもアキコ(秋子)ですねえ。
……と思ってググったら『スウィートホーム(1989)』
『地獄の警備員(1992)』『Seventh Code(2014)』など
多くの黒沢作品でヒロインの名前はアキコになっていました。
なんかこだわりがあるんでしょうか。

なぜか水星にこだわる明子が望遠鏡を覗いていると
神田川を挟んだ向かいのマンションに越してきた
母と浪人生の息子による近親相姦を目撃。
関係性はまったくわからないけれど、
隣の部屋に住む雅美(美野真琴)と一緒に「これはいかん」と
(なにがいかんのかわからないけど)
浪人生を母親の過剰な愛情&束縛から
救い出そうと策略する、というお話。

ま、ピンク映画ですから
エロいシーンがてんこ盛りなのですが
どことなくからっとした陽気な雰囲気は好感が持てます。
みなが享楽的で、人生に対して捨て鉢な姿勢は
ヌーベル・ヴァーグからの影響をひしひしと感じますが、
エロチックなコントのようでもあります。
麻生うさぎによるオナニー・シーンには
本気のエロさを感じましたが
基本的にはじゃれあうようなシーンの連続です。

わざわざ神田川をじゃばじゃばと渡らせるのは
川が象徴する結界を突破するてな意味合いがあるのでしょう。
部屋に押し入って浪人生と合体した明子が
良とのセックスでは得られなかった快感を味わうのをみれば
感情を鬱屈させていたのは浪人生だけではなく、明子も同様で
川を渡り、浪人生とセックスをした明子もまた
解放されたのでしょう。

ラストもやっぱりヌーベル・ヴァーグっぽく、
安っぽく死んでいくふたり。
(ま、死んだかどうかはわからないけど)

死ぬまでに絶対観ろ! なんて言えないけれど
若き才能が集まって、映画を撮りたいという
アマチュアリズム(それを情熱と呼ぼう!)から出発して
少しずつステップを踏んだ結果が
いまの黒沢清監督をはじめとする映画人たちを
築き上げてるのね、と
熱くて甘酸っぱい感慨に浸れる作品です。





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