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マッドマックス 怒りのデス・ロード

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(原題:Mad Max: Fury Road 2015年/アメリカ 120分)
監督/ジョージ・ミラー 製作/ダグ・ミッチェル、ジョージ・ミラー、P・J・ボーテン 脚本/ジョージ・ミラー、ブレンダン・マッカーシー、ニコ・ラザウリス 撮影/ジョン・シール 美術/コリン・ギブソン 衣装/ジェニー・ビーバン 編集/マーガレット・シクセル 音楽/ジャンキー・XL 視覚効果監修/アンドリュー・ジャクソン
出演/トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、ヒュー・キース=バーン、ゾーイ・クラビッツ、ロージー・ハンティントン=ホワイトレイ、ライリー・キーオ、アビー・リー、コートニー・イートン、ジョシュ・ヘルマン、ネイサン・ジョーンズ

概要とあらすじ
荒廃した近未来を舞台に妻子を殺された男マックスの復讐劇を描いた「マッドマックス」(1979)のシリーズ第4作。85年の「マッドマックス サンダードーム」以来30年ぶりの新作となり、過去3作でメル・ギブソンが扮した主人公マックスを、新たに「ダークナイト ライジング」「インセプション」のトム・ハーディが演じた。資源が枯渇し、法も秩序も崩壊した世界。愛する者を奪われ、荒野をさまようマックスは、砂漠を支配する凶悪なイモータン・ジョーの軍団に捕らえられる。そこへジョー配下の女戦士フュリオサらが現れ、マックスはジョーへの反乱を計画する彼らと力をあわせ、自由への逃走を開始する。フュリオサ役でシャーリーズ・セロンが共演し、監督・脚本は過去3作同様にジョージ・ミラーが担当。(映画.comより



逃げるものと追うものがいればそれでいいのだ!

数か月前から完全に祭状態の
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
6月20日、ついに公開されるや
祭はさらに熱狂の度合いを増したもようです。
かくいう僕もこれまでの『マッド・マックス』シリーズを
しっかりおさらいしてから本作に挑んだひとりですが
元来、へそ曲がりなもので
あまりにも、最高だ—! ヒャッハーだー!と
多くの人が一斉に叫ぶのをきくと
それはそれで、「この映画をつまらないというやつはクズ」みたいな
無言の同調圧力を感じてしまうので
そんな空気に飲みこまれて、何から何まで肯定的にならないよう
十分警戒しながら観てまいりました。
結果、まあ、最高だったんですけど。

ちなみに、僕が行ったのはTOHOシネマズ新宿ですが
本編上映前にいつものクソどーでもいいアニメを
観させられるのはこの際あきらめるとして、
その後、頼みもしないのに
ファイナルファンタジーのゲーム冒頭映像が特別に流され、
さらに数本の予告編がこれでもかとばかりに繰り返されて
完全にゲンナリさせられました。
計ってないけど、15分くらいはあったんじゃなかろうか。
おかげで、はやる気持ちを抑えることはできたけど。

ワイルドに佇む長髪のマックス(トム・ハーディ)
双頭のトカゲを食べるシーンから始まります。
世界はあきらかに『マッドマックス2』
おそらくジョージ・ミラー監督にとって不本意だったであろう
『マッドマックス サンダードーム』から引き継がれているのは
『呪怨』のとしおくんっぽいメイク
頭がキレそうな小人くらい?

いかにも無頼派ヒーロー然としたマックスですが、
あっさり敵のウォーボーイズたちに捕まり、
いきなり自慢のインターセプターが宙に舞います。
これまでのシリーズでもそうでしたが、
『マッドマックス』はマックスのヒーローぶりを描くわけではなく、
むしろマックスはどこかマヌケで頼りなかったりします。
『マッドマックス』の主人公はマックス個人ではなく、
あくまでこの世界観なのです。

イモータン・ジョー
(ヒュー・キース=バーン、1作目のトゥーカッター!)が牛耳る砦は
まるでフリークスの巣窟のよう。
みな、必ずどこかしら障害を持っていたりします。
たまに下々の人間に地下水を恵んでやることで
イモータン・ジョーは支配者として崇められているのですが
自分の子供を産ませるための女たち=ワイブスを抱え、
出産した女からは母乳を徴収するという鬼畜
です。
手下のウォーボーイズたちが白塗りなのは
放射能から身を守るためだそうですが、
イモータン・ジョーの身体もかなりやられているようす。
本来なら、イモータン・ジョーが
どのようにワイブスたちを性奴隷として虐待していたかの
描写があってもよさそうなもんですが
そんなまどろっこしいことは一切やりません。
片腕の女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)
イモータン・ジョーを裏切って、
5人のワイブスを連れて逃走する……
ってことで、カーチェイスの始まりなのです。

カーチェイスの迫力と面白さを
文章で説明しても仕方がありませんが
マックスが「輸血袋」として車の前に磔にされたままなのが
スリルを増幅させます。
(ていうか、なかなかまともに顔を出さないマックス)
疾走しながらのアクションはギミックだらけです。
そこには物語などなく、
逃げる理由と追いかける理由があるだけ。
(それは物語ではなく、設定じゃないか!)
それでも、それぞれのアクションや装備に
それなりに整合性が感じられるのが『マッドマックス』の魅力でしょう。
ボンネットについた炎を消すために
砂を使う仕掛けがあったりする
のには、感心してしまいました。

カーチェイスシーン以外でも面白かったのは、
砂嵐を抜け出したあと、
女っ気のない本作のシリーズではめずらしく
美しいワイブスたちが水浴びするところで、
マックスとフュリオサ、
そしてくっついてきたニュークス(ニコラス・ホルト)
三つ巴の格闘シーンです。
鎖で繫がれたマックスとニュークスは
協力しているわけではないんだけれど
結果的にお互いを利用しつつ戦うアクションのアイデアは
見事としかいいようがありません。

やがて、非常にわかりやすく画面がオレンジから青一色になり、
つかのまの小休止。
なんとかフュリオサの故郷にたどり着いたものの、
緑で溢れていると思っていたその地は
とっくの昔になくなっていたのです。
……で、イモータン・ジョーの砦に引き返す一行。
わかりますね? そう、カーチェイスですよ。

これはもう、キチガイ運動会です。
疾走する騎馬戦なのです。
逃げるものと追うものがいればそれでいいのです。
ヒヤヒヤするポイントは妊婦がいるということ。
そして、あきれるほどアイデア満載の改造車のデザイン
まったく無駄だけど戦いを鼓舞するドラム隊とギタリスト
狂った世界を彩ります。
火炎放射器機能付きツインギター!
あと、なに? あの銀色のスプレー!

二代目マックスとなったトム・ハーディは
個人的には『ブロンソン』の印象が強いので
なにをやってもふざけているようにしか見えませんでした。
でもまあ、本作の主人公がだれかといったら
シャーリーズ・セロンじゃないでしょうか。
丸坊主でも明らかに凛々しい美人さん。
戦闘モードに入ったフュリオサが
真っ黒なグリースを顔に塗ってウォー・ペイントすると
蒼い瞳がより一層輝きます。

なにしろ原題の「Fury Road」のFuryの意味は激怒だけれど
ギリシャ神話の復讐の女神に由来してるんですから。

ところで、『映画秘宝7月号』に掲載された
ジョージ・ミラー監督のインタビュー記事によると
終盤、カーチェイス中にわき腹を刺されたフュリオサが
ぜえぜえ言い始めるシーン

マックスが応急処置としてフュリオサの腹を刺すのは
「脱気」というそうで、
穴が空いた肺から漏れ出した空気が身体の内側に溜まるのを
防ぐためなんだとか。
元医者のジョージ・ミラー監督ならではの発想です。

ラスト近くの大爆破シーンで
ギターとハンドルが
あからさまに3D仕様の飛び出し方をしていた
のは
ちょっぴり興醒めでしたが
とにかく、70歳で本作を作り上げた
ジョージ・ミラー監督には敬服するばかり。
残念なのはR15+だということ。
これはぜひ、小学生に観て欲しいなぁ。







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