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スライ・ストーン

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(原題:Dance to the Music 2015年/オランダ 90分)
監督・製作/ウィレム・アルケマ
出演/スライ・ストーン、ウィレム・アルケマ、ジェリー・マルティーニ、グレッグ・エリコ、リッチ・ロマネロ、パット・リッツォ、シンシア・ロビンソン、フランク・ワディ、ジョージ・クリントン、シルベット・ファン・ロビンソン、ベット・ストーン、ノビ・ストーン、ナイル・ロジャース

概要とあらすじ
伝説のファンクミュージシャン、スライ・ストーンの波乱に満ちた半生について、オランダ人監督のウィレム・アルケマが20年以上の取材の末に完成させたドキュメンタリー作品。幼少時から教会でゴスペルを歌い、9歳でシングルレコードをリリースしたスライ・ストーン。1966年に結成したファンク・ロックバンド「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」で爆発的な人気を獲得し、今なお根強い人気を誇っている。75年の解散後はソロ活動を開始。しかし麻薬所持などで何度も逮捕され、長年消息不明状態となる。時折姿を見せては大衆を驚かすスライの生い立ち、栄光と挫折、友情と裏切り、元マネージャーを詐欺横領で訴えた5年間におよぶ裁判、そして2015年の勝訴まで、ベールに包まれていたスライの波乱の半生が明らかとなる。(映画.comより



スライは生きている! オタクのおかげで!

このところ、『JIMI:栄光への軌跡』とか
『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』とか、
伝説のミュージシャンを描いた
伝記映画が続いておりますが
こちとら『スライ・ストーン』はドキュメンタリーです。

ご多分に漏れず、僕も大好きなスライ&ザ・ファミリーストーン
「ファンク」を発明したのはJBだけど、
ファンクとロックを融合させたスライも
間違いなくポップ・ミュージックを変えた男です。
かのマイルス・デイビスもスライから影響を受けて
『On the corner』を作ったくらいですが、
ジミヘンやJBに比べると
一般的な認知度は低いんじゃないでしょうか。

スライ&ザ・ファミリーストーンは
1960年代後半に絶大な人気を博したものの、
その後鳴かず飛ばずで、
いつしか表舞台からすっかり姿を消してしまったスライ・ストーンを
見つけ出そうと思い立ったのが監督のウィレム・アルケマ
友人たちとの連絡も絶っていたスライは現住所すら不明で、
どこにいるかもわからない。
かつてのメンバーたちに取材を重ね、
20年以上かかって完成したのが本作というわけ。

ウィレム・アルケマ監督がオランダ人というのが
ちょっと面白かったりするのですが
スライの生い立ちを探る前半は
スライの曲がガンガンかかって気分がアガります。
本格的な音楽活動をする前のスライが
プロデューサーだったり、ラジオDJをやっていた
というのは
初めて知りました。
やがて、スライの娘がネット・オークションに出品した
スライ所有のハーレーの写真から
スライの住まいらしき屋敷を発見します。
門の前で張り込む監督たちはまるでストーカーです。

関係者とは別に登場するナイスキャラが
スライおたくのコニング兄弟。なんと双子!
スライに関するものは何でも集めまくるこの双子は
どうみても女の子にもてそうじゃなく、好感が持てます。
いつかはスライ本を出版したいという彼らも
スライ本人にだけは合ったことがなかったのですが
この双子の存在は映画作りに大きく貢献したのではないでしょうか。

正直、監督と双子の熱量は伝わるものの、
ドキュメンタリーとしては
あまり出来が良くないんじゃないかと思いました。
居場所もわからず、誰とも連絡をとらないスライは
いま一体どんな生活をしているのか、
彼に会うことが出来るのか……というミステリーの面白さが
ぼんやりしてしまっているのが残念です。
監督がスライに直面する前に
ロック殿堂やグラミー賞の授賞式で姿を現しちゃうし、
スライ本人がついに登場!というときの高揚感が薄いのです。

やっとインタビューの約束を取り付けたときも
スライから「質問はひとつだけだ」と言われ、
あえて軽くした質問をジョークでかわされて
なにやってんだー! となるかと思いきや、
その後スライ本人から連絡があってスカイプで会話したり、
なんだか親しげに昔話を聞き出したり

いまいちシャキッとしません。
アルケマ監督はもっと自分の姿を映すべきだったと思いますが
とにかく、本人探しのドキュメンタリーとしては
『ジュガー・マン 奇跡に愛された男(2013)』には
到底及ばないでしょう。

それでもともかく、スライは生きていた。
御年82歳のスライは、金髪のモヒカン
ヒップホップ風のファッションに身を包み、
かつての面影はないけれど、なにより元気そう。
そして今も音楽を作り続けているのです。
DTMで!!

スライ&ザ・ファミリーストーンで名声を得たあと、
おそらく自ら散財し、ドラッグにはまったスライが
表舞台から姿を消したのはまさに自滅といえるのかも知れません。
でも、元来彼は内向的なのかもしれないとも思いました。
「自分がしてほしいことを、他人にしてやればいいのさ」という彼は
内省的で思慮深く、大人しい人間のようにみえます。

マネージャーに騙されて、報酬を受け取っていなかったスライが
契約違反を理由に訴訟を起こそうとするものの、
契約書を紛失していてどうにもならない……
と思いきや、あのオタク双子が
契約書のコピーを持っていたという奇跡が!

一体おまえらはどこでそんなもんを手に入れたんだっつー話ですが
スライにとっても、本作にとっても
これは奇跡としか言いようがありません。
でも、ここもねぇ……もうちょっと驚かせて欲しかった。

ついにはキャンピング・カーで生活するようになったスライでしたが
双子のおかげで、マネージャーとの裁判に見事勝訴。
約6億円の賠償金を手に入れたのでした。

しつこいようですが
ドキュメンタリーとしては
もうちょっとうまい見せ方があっただろうと思いましたが
とにかく生ける伝説の姿を見られただけでも価値はありました。
年をとっても、作品が日の目をみなくても
製作意欲が衰えないスライの姿を見れば
素直に自分も頑張ろうという気になりますよ。





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