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最後まで行く

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(原題:A Hard Day 2014年/韓国 111分)
監督/キム・ソンフン 製作総指揮/ユ・ジョンフン 脚本/キム・ソンフン 撮影/キム・テソン 美術/イ・ミギョン 編集/キム・チャンジュ 音楽/モク・ヨンジン
出演/イ・ソンギュン、チョ・ジヌン、シン・ジョングン、チョン・マンシク、シン・ドンミ

概要とあらすじ
ひき逃げ事故の隠蔽工作を図った刑事が窮地に追い込まれていく姿を、「アバンチュールはパリで」のイ・ソンギュン主演で描いたクライムサスペンス。殺人課の刑事ゴンスは母の葬式の日に急な連絡を受け、慌てて警察署へと向かう。その途中、不注意から通行人の男をはねてしまった彼は、男の遺体を隠すため母の棺桶に入れて一緒に埋葬する。ところが、事故の一部始終を目撃したという謎の男チャンミンから脅迫を受けるようになり、次第に追い詰められていく。目撃者チャンミン役に「ファイ 悪魔に育てられた少年」「悪いやつら」のチョ・ジヌン。「マイ・リトル・ヒーロー」のキム・ソンフンがメガホンをとり、韓国版アカデミー賞にあたる大鐘賞で監督賞を受賞した。新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2015/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2015」(15年5月16日~6月26日)上映作品。(映画.comより



大盛サスペンスのブラック・コメディ

新宿シネマカリテで開催されている
「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2015」
略して「カリコレ」は
なかなか一般公開されないようなニッチな作品が多数揃っている
素晴らしいイベントなのですが
この時間帯は無理だなあとか、
この日なら行けるぞと思ったらラインナップにないとか、
お目当ての作品を観に行くのがなかなか難しいのです。
『最後まで行く』も、予定の折り合いがつかず、
あっという間に上映終了となってしまったのですが
なんと、期間限定のネット配信があるじゃないか!
パソコンのモニタで映画を観るのは好きじゃないけれど
この際仕方がない。
やれ、あれがインストールされていないだの、
Chromeじゃ観られないだの、若干イライラさせられながらも
なんとか観ることができました。

ホン・サンス監督作品
いつもさえない映画監督ばかりやっているイ・ソンギュン
なにやら緊迫した演技をしていることが
個人的にはツボだったりするのですがそれはともかく、
ゴンス刑事(イ・ソンギュン)が母親の葬儀の最中に
警察署内に内務監査が入り、贈賄がばれてしまうかもしれないという
状況から始まります。
まったく、なんでこんな時に! ってなことですが、
そんなタイミングの悪さは本作の前半で執拗に繰り返されます。

内務監査で贈賄の証拠が見つかる前に
母親の葬儀を抜け出して、
証拠隠滅しようと車を走らせるゴンスに
妹や娘がスマホにがんがん電話をかけてくるだけでも
イライラがつのるのに
運悪く人を轢いてしまうゴンス。
ゴンスが狼狽していると、間の悪いことにパトカーが。
慌てて死体を隠し、トランクで持ち帰ろうとすると
今度は飲酒運転の検問が……
次から次へと「なんでこんな時に!」状態が押し寄せてくるのです。

なんとか葬儀場へ戻ったゴンスが思いついたのは
なんと、母の棺にひき逃げした死体を隠すこと。
幼い女の子が遊ぶ道具としてはどうかと思うけれども、
おもちゃの兵隊(G.I.ジョー?)の操作や
死体が持っていた携帯の着信音など
これでもかとばかりにイライラギミックを仕掛けます。
時間の制約も加わって
大盛サスペンスのブラック・コメディなのです。

ストーリーはまったく停滞することなく、
ゴンスは終始オロオロしていて
見事にひとつ問題をクリアするとまた次の問題がわき起こります。
ゴンスがオロオロしているだけでも
十分に成立しそうですが、それだけに留まらず、
ゴンスがひき逃げして死体を埋めたことを知ってるぞ、という
謎の電話
がかかってきて、
新たな展開をみせるのです。

わりとあっさりと正体を現す、謎の電話の主は
パク刑事(チョ・ジヌン)
小肥りのヘビのような印象のチョ・ジヌンの怪演がすさまじい。
パクが初めて姿を現すシーンの
大胆不敵で唐突な登場の仕方が独特です。

パクは刑事でありながら、
麻薬を横流しし、風俗店を経営して荒稼ぎしている男。
パクがたんまり稼いだ金を預けている
違法な私設金庫の鍵を持っているのが
ゴンスが轢き殺してしまった男
だったのです。
金庫の鍵を体内に隠していたその男が
ゴンスによって(母親と一緒に)土の中に埋められてしまったから
パクはゴンスをつけ狙っているのです。

本作では(韓国では、というべきなのだろうか)
警官は基本的に全員が裏で悪さをしているやつらばっかり
やっぱり悪さをしているゴンスが
パクにいくら追い詰められても誰かに助けを求められないというのが
面白味のひとつでしょう。

ゴンスの引き出しの鍵や
遠隔操作が可能な爆弾のデモンストレーション
などなど
細かく張り巡らされた伏線は、重要じゃないかも知れないけれど
にやっとできる楽しい仕掛けだし、
終盤でのゴンスとパクの肉弾戦もアイデアが満載で
まったく飽きさせません。
ラストでは、いよっと声をかけたくなるような
痛快なオチがついています。

いかにも頼りない居候状態のゴンスの妹の夫とか
決して笑わそうとはしていないけれど
軽快なコメディ・センスも感じられて、
いやあ、よくできた脚本だなあと
ついつい感心してしまう面白さです。





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