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ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男

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(原題:Get on Up 2014年/アメリカ 139分)
監督/テイト・テイラー 製作/ブライアン・グレイザー、ミック・ジャガー、テイト・テイラー、ビクトリア・ピアマン、エリカ・ハギンズ 脚本/ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース 撮影/スティーブン・ゴールドブラット 美術/マーク・リッカー 衣装/シャレン・デイビス 編集/マイケル・マカスカー 音楽/トーマス・ニューマン
出演/チャドウィック・ボーズマン、ネルサン・エリス、ダン・エイクロイド、ビオラ・デイビス、オクタビア・スペンサー、チカ・サンプター、ジル・スコット、レニー・ジェームズ、クレイグ・ロビンソン

概要とあらすじ
伝説のソウルミュージシャン、ジェームス・ブラウンの半生を「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のテイト・テイラー監督、「ザ・ローリング・ストーンズ」のミック・ジャガー製作により映画化。貧しい南部の家に生まれ育ったジェームス・ブラウン。両親に捨てられ、叔母に引き取られたジェームスは、教会で聞く音楽だけを希望に、孤独な少年時代を送る。10代で窃盗により刑務所へ入ることとなったジェームスは慰安に来たゴスペルグループのボビー・バードと運命的な出会いを果たす。ジェームスの才能を見抜いたボビーは彼の保証人となって釈放、ふたりが中心のバンドを結成し、ジェームスの才能は見事に開花する。その一方で、破天荒な行動や派手な女性関係により、ジェームスは仲間との確執を生んでしまう。そして、常に彼を支え続けてきた親友ボビーも去ってしまう。ジェームス・ブラウン役に「42 世界を変えた男」のチャドウィック・ボーズマン。(映画.comより



狂人と優等生のブロマンス

2か月前に公開されたジミ・ヘンドリックスの伝記映画
『JIMI:栄光への軌跡』
ジミヘンのブレイク前夜を描いていたから
仕方がないのかも知れないけれど
誰もが知っている名曲が劇中で流れず、
いまいち盛り上がりに欠けるものでしたが、
本作『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』
かなりアゲアゲな出来になっております。

「ゴッドファーザー・オブ・ソウル」、
「ショウビズ界一番の働き者」などなど
数々の異名を持つジェームス・ブラウン=JB
彼の破天荒な生き様はよく知られているとはいえ、
実在したミュージシャンの伝記映画で
主人公がライフルをぶっ放したり、
パトカーとのカーチェイス・シーンがあったりする
のは
JBをおいてほかにはいないでしょう。

本作の見どころが、
何度聞いてもクソカッコイイ名曲の数々なのはあたりまえとして
チャドウィック・ボーズマンのJBなりきり演技
素晴らしいのです。
甲高いしゃがれ声と喋り方、ステージで魅せるステップ、
ちょっと内股の歩き方まで完コピ
しています。
公開規模が小さい本作の情報は恐ろしく少なく、
公式サイトをのぞいてもロクなことが書かれていないので
わからないことが多いのですが
年齢を重ねたJBはまぶたが垂れさがり、
まるで別人のような顔になっています。
あれはチャドウィック・ボーズマンが
特殊メイクで演じているんだろうか……

極貧生活からスタートするJBの人生ですが
JBがスターダムにのし上がっていくさまを
ただ単に時系列に沿って追うのではなく、
時間を交差させる構成が巧みで楽しめます。
ここぞというときには必ず、
JBが第4の壁を破ってカメラ目線で観客に語りかけてくる仕掛けは
「お前には俺の気持ちがわかるだろ?」といわれているような
不思議な感覚をもたらします。

でも、いくらJBに
「お前には俺の気持ちがわかるだろ?」とウインクされても
JBの気持ちなんてわかりっこありません。
妻への暴力はもとより、
バンドメンバーに対する圧政はあたかも音楽的DV。
「ギターもサックスも全部ドラムだ!」
謎かけみたいなことをあたりまえに要求するのです。
わけがわからん、でもやってみたら間違いなくカッコイイ。
だからJBの音楽は斬新で、JBはやっぱり天才なのです。

そして、いつの世も天才は孤独。
常識外れなのが音楽の才能だけならよかったものの、
どうやらケチで金遣いが荒かったようで
ギャラの未払いに堪忍袋の緒が切れたバンドメンバーたちが
愛想を尽かして一斉にいなくなったりします。
JBは曲の中で、よく名前を連呼していたので
メイシオ・パーカーとは信頼関係があったと思っていましたが
ギャラを払ってなかったんかい。

それでも、JBを見捨てない男がひとり。
ボビー・バード(ネルサン・エリス)です。
服役中のJBの才能に気づき、
自身が身元引受人になってJBを出所させると
(JBはスーツ泥棒で逮捕されたようになっていましたが
 本当は車上荒らしなので、もうちょっと凶悪)
自分のバンドに加入させるものの、
リーダーの座を奪われます。
妹は即効でヤられちゃうし、
後に自分のかみさんもJBに寝取られるボビー。

なんでそこまで自分を殺すのかと思いますが
ボビーはJBの才能に打ちのめされていたのでしょう。
本作はJBとボビーのブロマンスものでもあるのです。

随分我慢強かったボビーもついにJBのもとを去ったあと、
やっとJBは失ったものの大きさに気づくのです。
久々の再会ののち、ボビーをショーに招待したJBが
アカペラで歌う『トライ・ミー』がグっときます。
非常識な天才≒狂人と常識を持った優等生との愛の交歓です。

『ブルース・ブラザーズ』
人気が陰り始めていたJBを抜擢したダン・エイクロイド
マネージャー役で出演しているのも楽しいところ。
ファンキーとしかいいようがない無茶苦茶なJBの生涯を
ボビーとののっぴきならない友情を軸に辿りつつ、
幼少期のマンディンゴ・ファイトからキング牧師暗殺まで
アメリカにおける黒人差別の歴史を横軸に織り込んでいる
多層的な作品でした。

できれば、デカい音で観たほうがいいと思いますよ。



↓だんだん笑えてくるしつこいマントショー


↓日本にもJBがいた!




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