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ブラック・ハッカー

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(原題:Open Windows 2014年/アメリカ・スペイン合作 100分)
監督・脚本/ナチョ・ビガロンド 製作/ベレン・アティエンサ、メルセデス・ガメロ、エンリケ・ロペス・ラビニュ、ミケル・レハルサ 撮影/ヨン・D・ドミンゲス 編集/ベルナ・ビラプラーナ、セルヒオ・ロサス 音楽/ホルヘ・マガス
出演/イライジャ・ウッド、サーシャ・グレイ、ニール・マスケル

概要とあらすじ
ネットを通じてセレブ女優のプライベートをのぞき見した青年が、予想外の事態に陥っていく姿を描いたスリラー。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのイライジャ・ウッドが主人公の青年に、「ガールフレンド・エクスペリエンス」のサーシャ・グレイがのぞき見される女優を演じた。新作映画のプロモーションキャンペーンで、人気女優と試写会のレッドカーペットを歩き、一緒にディナーもできるという企画に当選した青年ニック。イベント当日、ホテルに宿泊していた彼のもとに女優のマネージャーという男から電話が入り、女優が体調を崩して予定をキャンセルしたと知らされる。お詫びとして彼女の部屋を盗撮したライブ映像をパソコンで見られるようにすると言われたニックは、疑心を抱きながらも興味本位で女優のプライベートライブ映像をのぞき見し、やがて予想もつかない事態に陥っていく。(映画.comより



最新テクノロジーを使った古典的サスペンス

ひとりに一台、いやいやそれ以上の
パソコンやモバイルを誰もが使うようになって
完全に現代社会の必需品となったインターネット。
携帯電話の登場で、『死刑台のエレベーター』のような
すれ違いの面白さはなくなってしまったけれど
いまや映画の中にインターネットが登場しないのはむしろ不自然なくらいで
「あっというまに○○○回再生だって?」というライトなものから
ハッキングを描いたハードコアなものまでさまざまです。
『ザ・インターネット 』とか『サマー・ウォーズ』とか……
気の利いた例が思いつかないけれど&枚挙に暇がないけれど
どっかしら、それってどうなの? と思ってしまう技術的な齟齬が
目に付いてしまったりするのものです。
『ブラック・ハッカー』にも
そういう?なところがないワケじゃないけれど
本作は十分に楽しめるサスペンスに仕上がっています。

ジル(サーシャ・グレイ)という人気女優の
追っかけブログをやっているニック(イライジャ・ウッド)
新作映画のキャンペーンかなんかで
ジルとディナーをともにする権利を得て
ホテルでPCの画面を眺めながら待機していると
見知らぬ男からweb電話がかかってきて
あれよあれよという間に大変なことになるというお話。

普段、自分がパソコンを使っているときだって
あっちこっちにウインドウが開いているといらつくのですが
基本的にパソコンのモニタに映し出された
いくつもの動画のウインドウを追いながら観るはめになる
ので
情報量が多く、置いてきぼりにされそうです。
でもよく考えたら、デ・パルマとかが好きな
スプリット・スクリーンも同じですね。
でも、あれがしばらく続く感じ。

そんな混乱を補うためか、カメラがいま注目すべき主要なウインドウに
律儀にパンする
のですが
そのカメラの動きはニックの肉眼なわけで
いわばカメラを介さないPOVなのです。
(え。それって普通の映画じゃないの?)
パソコンのモニタには、カメラによって撮影されているニックが
リアルタイムに映し出されているので
いま映し出されている(映画の)カメラの映像は、
ニックがみている主観映像なのか、
ニックを客観的にみているのかが判別不能
になります。
それでも、そんなことに疑問を抱かせないで
ぐいぐい引っ張っていく演出は見事だと思いました。

本作は、ハードコアなハッカーが題材になっていますが
目新しいギミックに頼り切らないで
サスペンス映画の王道を踏まえているからこそ
魅力的なのではないでしょうか。
メイキングで製作陣がヒッチコックの『裏窓』を参考にしたというように
webカメラましてや他人のパソコンをハッキングするという行為は
古式ゆかしき覗きや盗撮にほかなりません。
誘拐犯とのネゴシエーションものの要素も含まれているし、
チャットを介した、
司令室と現場というトニー・スコット的な構造も見て取れます。

その司令室の役割を担う
フランスのハッカー集団を登場させているのが
巧みなわけでして、
ま、余計なこともしてしまうのですが
フランスの彼らは、ニックが
高度なハッカーである犯人にひとりで立ち向かうという無理な設定を
サポートする役目
を担っているでしょう。
あれよあれよという間にテンポのいい展開に引き込まれ、
映像の主体・客体はもうよくわからないけれど
とにかく息もつけないスリリングな状況が続きます。

さりとて、終盤になって力尽きた感は否めず。
なんでこの状況でまだカメラで撮影してんの? という
POV特有の不自然さ
が際だつし、
ジルに騙されて予想通りに返り討ちをくらう犯人は
マヌケにもほどがあります。

そんで、最後のどんでん返しで登場する「ネバダ」と呼ばれるハッカーは
じつはずっとつけ鼻とかの扮装をして
ニックになりすまして行動していたという真相のアナログさたるや。
「ネバダはいくつもの顔を持つ!」っていう前振りがあったけど
あれは画像じゃなくて、いちいち変装してたってことか。
ハッキングの腕前より特殊メイクの腕前のほうが
すごいんじゃないの?
ていうか、最初からニックがどぎまぎまごまごしたりするのも
「ネバダ」の演技なのかよ!
 役者やのぉ!
かたや本物のニックはずっとトランクの中で寝てたって……
気の毒すぎるだろ。

目新しいギミックを利用しながらも
じつは古典的なサスペンスの常套句を
きっちり踏まえているからこその面白さでした。





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