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ベルフラワー

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(原題:Bellflower 2011/アメリカ 105分)
監督・脚本/エバン・グローデル 製作/エバン・グローデル、ビンセント・グラショー 撮影/ジョエル・ホッジ 編集/エバン・グローデル、ビンセント・グラショー、ジョエル・ホッジ、ジョナサン・キービル 音楽/ジョナサン・キービル
出演/エバン・グローデル、ジェシー・ワイズマン、タイラー・ドーソン、レベッカ・ブランデス、ビンセント・グラショー

概要とあらすじ
世界滅亡を夢見る若者たちの友情、愛と憎しみを幻覚的なビジュアルとサウンドを駆使して描く異色の青春映画。働く気もなく恋人もいないウッドローとエイデンは、映画「マッドマックス2」に登場する悪の首領ヒューマンガスをヒーローと崇め、映画に描かれた滅亡後の世界を夢見て、ひたすら戦闘用改造車のチューンアップと搭載する火炎放射器づくりに明け暮れていた。やがてウッドローには恋人ができるが、その恋人に裏切られると、怒りと絶望から狂気へと駆り立てられていく。(映画.comより



ワクワクするようなバカ、炎上す!

『マッドマックス2』オタクのボンクラ男子が失恋して、
「もうだめだ、女は信じられない」と暴走する
『ベルフラワー』
ある意味、セカイ系か?

ボンクラ男子といっても、ティーンというわけではないので
可愛げがないのはともかく、
『マッドマックス2』が大好きな
ウッドロー(エバン・グローデル)
エイデン(タイラー・ドーソン)の仲良し二人組は
火炎放射器を作ったり、車を改造したりしています。
彼らが憧れるのがマックスではなく、
ヒューマンガスという悪党
なのは
キカイダーじゃなくてハカイダーが好き、みたいなことでしょうか。

それほどオマージュを捧げてるんだから、
ボンクラ二人組が夢中でビデオを観ていたりとか、
『マッドマックス2』の映像が引用されていてもいいはずですが
そんなものはまったく登場しません。

それもそのはず。
本作は、監督・脚本・主演を務めるエバン・グローデルが
自腹で作った超低予算映画
『マッドマックス2』の映像など借りられるわけがありません。
本作に登場するスーパーチャージャー搭載の改造車も
監督の手作り
だとか。
(しかも、予算のほとんどを車の改造に費やしたそうで
 ほんとにワクワクするようなバカです)

そもそも、この物語自体が
失恋によって劣情の炎をバーストさせたエバン・グローデルの
実体験に基づいていて
なんと、ヒロイン・ミリー役のジェシー・ワイズマンは
エバン・グローデルの失恋の相手!

浮気して別れた元彼の映画に
浮気して主人公と別れる役で出演するなんて、ねぇ。
これだから、女はわけがわからない……

全体に黄色がかった映像で、
レンズの汚れが表現されていたりしますが、
なにやら、カメラのレンズもエバン・グローデルの手作り
撮影している時点で映像をゆがめたり、加工したりできるんだとか。
ま、その効果はあまりコントロールできず、
撮ってみないとどんな画になるかわからないみたいだけど
とにかくDIY精神に溢れた作品なのです。
でも、そのわりには
貧乏くささやトホホ感は感じません。

コオロギの早食いイベント(ほんとにあるらしい)で知り合った
ウッドローとミリーは急接近。
ノリだけで小旅行にもいっちゃいます。
正直、ミリーがこれっぽっちも可愛くないので
ラブラブなふたりを観ているこっちは
あんまりノレないんだけども
とにかく、楽しそうなふたり。

そんなバラ色な状況にもかかわらず、
ウッドローがミリーにキスをするのは
2〜3日の旅行から帰ってきてから
という、ていたらく。
やっとエッチしても、あっというまにイってしまうウッドロー。
仲のいい男友達とばっかり遊んでるもんだから
女性の扱いがグズグズなのです。

それでも彼女ができたわいと喜んでいたウッドローでしたが、
ミリーがルームメイトの男と
がっつんがっつんヤリあってる現場を目撃。
ふざけんなバカヤローとバイクで走り出したと思ったとたん、
車にハネられます。いとあはれ。

ここからラストまで
失恋によるネガティブ全開な思考とビッチ=ミリーへの怨念という、
まったく逆のベクトルに向かう感情が渾然一体となります。
時系列が錯綜し、同じ出来事が違うかたちで何度も語られて、
どこまでが現実でどこからが妄想なのかわからなくなります。

ミリーの家の庭先で火炎放射器をぶっ放したり、
じつは自分にホの字だったミリーの友達の
コートニー(レベッカ・ブランデス)とエッチしたり、
とっちめられて顔にヒゲ型のタトゥーを入れられたりしますが
自分に都合が良く、かつ暴力的な部分は
すべてウッドローの妄想と考えていいのではないでしょうか。
はらわたが煮えかえるほどムカついてるときって、
あいつをこうやって罵って……とか、こうやって仕返しして……とか、
怨念に充ち満ちた頭で考えたりするでしょう。
僕は毎日、そんなことばかり考えています。(だめだろ)
そんなリベンジ妄想を映像化したと考えてもいいのではないでしょうか。
『(500)日のサマー(2009)』
ヒロインと結ばれた主人公がうれしさのあまり、
彼を祝福するかのように街中の人々が踊り出すシーンがありましたが
あれの真逆です。

ウッドローにフラれたと思ったコートニーは
銃で自分の頭を撃って自殺しちゃうし、
ミリーの浮気相手の男を殺してしまうのが親友のエイデンだったり、
最後のところは自分で手を下さないのも
都合がいいのを通り越してズルい
というあたり、
実際にはそんな反撃に出られない気弱なウッドローだからこその
妄想のように思えます。

映画作りに対する熱意だけで突っ走って、
あとはいろいろ大目に見てくれ〜という自主制作ではなく、
ちゃんと鑑賞に堪えうる作品に仕上げた手腕は
あっぱれです。







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