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ストレンジャー・ザン・パラダイス

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(原題:STRANGER THAN PARADISE 1984年/アメリカ・西ドイツ合作 90分)
監督・脚本/ジム・ジャームッシュ 製作/サラ・ドライバー 撮影/トム・ディチロ 音楽/ジョン・ルーリー
出演/ジョン・ルーリー、エスター・バリント、リチャード・エドソン、セシリア・スターク

概要とあらすじ
ニューヨークでヤクザな暮らしをしているウィリーが、ハンガリーから渡米してくる従妹エヴァをしばらく預かるハメに。最初は邪険にしていたウィリーだったが、賭博仲間エディともどもだんだん彼女が気になり始めて……。ジャームッシュ監督が、ベンダース監督から「ことの次第」の端尺フィルムを譲り受けて1/3を仕上げ、短編として出品したロッテルダムでの受賞を受けて完成させたカメラ・ドール受賞作。独特のオフ・ビート感覚が一世を風靡した。(映画.comより



やっぱ、ジャームッシュ、面白いね!

いったい何年ぶりになるんだろうか、
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』
スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの三拍子の曲とともに
憶えているのは映画のイメージばかりでした。
公開された当時は、ちょっとしたブームにもなって
ファッションアイコンのように扱われてたと記憶しています。
「ロードムービー」とか「オフビート」なんて言葉も
この作品を通じて初めて耳にしたような気がしますが
それは僕が子供だったからかもしれません。

全編に漂っているのは、
楽観的なモラトリアム状態と、
気の合う仲間とダラダラする多幸感です。
博打を生業とするウィリー(ジョン・ルーリー)
エディ(リチャード・エドソン)
カードでイカサマはするけれど、
基本的に攻撃的な人間ではない気の優しい男たちです。
ジム・ジャームッシュ監督の盟友というべきジョン・ルーリーの
「とっぽい(死語)」体つきと佇まいが
本作の印象のすべてを担っているように感じます。

ジャームッシュ監督は、小津安二郎のファンを公言していますが
競馬に向かうウィリーとエディが選ぶ馬の名前が
「晩秋」「出来ごころ」「東京物語」
OZU作品からとったものばかりで
これほどまでに臆面もなくOZU好きを吐露していたとは
まったく憶えていませんでした。

ハンガリーからやってきたエヴァ(エスター・バリント)
ウィリーの部屋に10日間居候する間、
最初はエヴァを疎ましく思っていたウィリーが
少しずつ気をゆるしていくまでの
だらだらした一連のシーン
が味わい深く、
とても愛らしいのです。
エディにいたっては、エヴァに一目惚れなのですが
あからさまに口説き落とそうとはしません。
ていうか、こいつらふたりとも恋人がいないってのも
ふたりのダメっぷりを表現するとともに、なぜか親近感が……
要するに、いきがってるくせに意外とバンカラ(死語)なので
ちっともエヴァの好みじゃないようなドレスを
唐突にプレゼントしてみたりするのです。

エヴァが当初の目的だった、
叔母さんのいるクリーブランドへと出発するときも
めちゃくちゃ名残惜しいはずなのに
「また会うかもな」なんて
そっけなく送り出してしまいます。
そのくせ、車を手に入れたウィリーとエディのふたりが
バカンスと称して向かうのはクリーブランドなのです。
エヴァが出て行ってから1年が経っているのですが
「エヴァんとこ、いくか!」みたいなノリで行動するふたりは
バカなんだけど、やっぱり愛らしい。

スタイリッシュな印象が強い本作ですが
ジャームッシュ監督のコメディセンスも見逃せず、
クリーブランドにいる叔母さんは最高にいい出汁でてたし、
エヴァのボーイフレンドを交えてカンフー映画を観るシーン
尺の絶妙な長さが笑えます。

ラスト近くの、サスペンスフルなすれ違いは
単純に面白いんだけど、
結局みんながちょっとずつ的外れなのがいいのです。
ウィリーとエディがドッグレースや競馬にいっている間、
ずっとモーテルでひとりぼっちのエヴァは
文句を言いながらも部屋で待っているし、
思わぬことから大金を手にしたエヴァが
ついに単独行動に出るものの飛行機の便が合わず、
結局モーテルに帰ってくるあたり、
やっぱりエヴァもウィリーとエディを慕っているのがわかって
切ないけれどほっこりするのです。

スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのあの曲ばかりが
記憶にあったのですが
本作に使われているそのほかのジョン・ルーリーによるスコアも
グッとくるいい曲ばかりです。
いまさらバカみたいなこといいますけど、
やっぱ、ジャームッシュ、面白いね! わはは。

他の作品もおさらいしたくなりました。





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